丹波周辺の野山歩き


富田〜西谷林道〜大見坂〜小野山(482.7m)〜小屋ケ谷(655.6m)
〜篠ガ峰(827.0m)〜五ケ野林道
丹波市山南町<’06.4.1>地形図1/2.5万 丹波和田

<西谷林道ゲート(左)牛坂峠(右)大見坂>             <牛坂と大見坂の出合いの橋>
週間天気予報を見て山歩きのチャンスを覗ってました。前日(31日)の朝までの降雪もその後の天気は回復。
西谷林道まで偵察の散歩。林道は植林の枝からの落雪と雫でびしょ濡れで登山不可。で翌朝(4月1日)富田
の工房を徒歩で出発(6:55)。小畑・西谷の集落を過ぎて延命寺山を背に、すでに山仕事に入った方が開け
たままのゲートを通過(7:24)。すぐ分岐。左が先月に歩いた牛坂峠へ。右が今日の大見坂コースへの道。

<牛坂(旧道)と大見坂の出合の標石>             <大見坂へのヤブ道から大海山?>
出合いの橋のすぐ先の道端に旧道の標石。「南無妙法蓮華経」の下に「左 かばさか 右 をみさか」と彫
られていた。「左 かばさか」は牛坂峠を越え多可町に入り大海山の南の山腹を水平道でつなぐカバ坂峠の
「かばさか」。右の大見坂に向かう。左岸の林道の対岸にも作業道が並行する。2度ほど沢を渡ると地道の
林道は終わり。尾根のジグザグ道に取り付く。ゆったりと登る古い峠道もしばらくで、細い笹とイバラと小枝が
覆いかぶさる、刈り払いされてない道に突入。危うく「切られの与三郎」?になりそうなイバラの攻撃を必死に
かわし登る。古い鹿よけネットも断続して現れてくると展望も開けてくる。ジグザグ道が尾根を巻くところで頭を
出しているのは大海山か。初めてのコースで同定に自信は無い。今回の篠ガ峰へのコースの前半はカザシ。
後半は岩屋山が道しるべになってくれました。縦走中に進路に不安を感じて周囲をグルグル見ているうちに
カザシが左手に見える。これは戻っている方向だ。軌道修正して難を免れる。時々車で走っているとき逆
方向に行くような錯覚を覚えることがあります。なかなか正常に戻りません。年齢を重ねると気になります。

<大見坂下の地蔵尊の祠>             <地蔵尊の祠の前より大海山>
ひょっこり広場に飛び出した。そこが大見坂下の地蔵の祠の前でした。多田繁次著「なつかしの山やま」の記述
「山あそ」島田さんのレポを思い出す。だんだんと寂れていくと思われる峠の道と石仏の祠。時の流れでしかたの
無いことでしょうか。この場所に来て、下から見ていた山が、大海山であることが確信出来るようになりました。

<刈り払われた大見坂>                 <多田繁次さんの紀行にある大見坂の樅の大木>
地蔵の祠から5分ほどで大見坂です(8:35)。峠はきれいに刈り払われて広々と、どこが道か分からないほどです
。いったい誰が、島田さんは多可町側の道が良いと書かれているので多可町の人たち刈ってくれたのでしょうか。
私達には大変有難いことです。真っ先にモミの大木を探した。ありました、相変わらず元気そうです。ここは郡界
尾根で巡視路。大海山側はプラ階段でそれを登ると。大海山も望むことが出来る。いよいよ小野山に向かいます。

<小野山の三角点標石(482.7m)>               <小野山より篠ガ峰>
10分足らずで広々とした伐採跡の頂上で鉄塔(No.66)がある。はじめここが小野山の頂上と思わなかった。
見晴らしが開けて千ガ峰に目を奪われいたが、もしかしてここが小野山の頂上ではと、気がついて?広い
伐採跡を歩き回って探すと三角点が見つかった(小野山四等三角点482.7m)。まだ距離がありそうな篠ガ峰
から岩屋山の稜線よりも、最近に歩いたまだ記憶に新しいカザシの稜線が身近にあってうれしい。

<小野山より千ガ峰>                    <No.67鉄塔への道>
毎度おなじみの千ガ峰は昨日の朝までに降った雪で白い。その右はまだ登ってないマタニ山から?ふたご山?
三国岳?が雪の稜線を連ねています。小野山を後に歩きやすい巡視路をNo.67鉄塔へ向かう(8:52)。

<No.67鉄塔下>                  <No.67鉄塔よりNo.68と岩屋山>
No.67鉄塔の手前に鹿柵が、越せない。落ち着いて見たら出入り口があった。紐を解いて中に入り紐を元通り結ん
で鉄塔の下を通過(9:22)。右前方に岩屋山、その右に思い出のCa620のコブが。このコブはどこからでも同定
できると思う。鉄塔の先にも鹿柵が、この鉄塔は鹿柵で囲われているのでしょうか。入るときと同じようにして出て、
巡視路標識を見て先に進む。左下には箸荷の集落が。右にはカザシの稜線がいつも付き添っていてくれるようです。

<P594m頂上のヌタ場>             <小屋ケ谷の三角点の目印テープ>
今度は錯覚ではなく凡ミス。P594着(10:49)を小屋ケ谷着と思っていた。休んでいると篠ガ峰方面から人が
来る。神戸のBSのパーティと出会う。大勢がグループ別に前日は清水峠から篠ガ峰頂上泊。今日は牧野大池
までの行程。リーダーの方にここがP594と教えられ、少々へこむ。名刺とコールサインを交換してしばら話し
をしてから、ヌタ場の頂上を来た方向から右に方向転換して小屋ケ谷に向かう。途中で子供だけの2グループ
とすれ違い。倒木を乗越した時に無線のハンディ機を紛失したことに気がついた。朝7時前から行動して疲れ
もあり探しに戻るのもいやだったが、仕方なく探しに戻る。先ほどすれ違った子供達のグループがP594m
頂上で道をさがしていたので教えてあげてから無線機のことを聞いたら知らないと言う。そこへルート偵察に
出ていた別のグループが帰ってきたのでたずねると一人の男の子が拾っていてくれたので、感激して丁重に
お礼を言って返していただく。ヌタ場の水溜りにはカエルの卵があり。子供たちが小枝で触って遊んでいた。
このことで50分程スタミナとタイムをロスしてP594を再スタートする(11:13)。小屋ケ谷まで参考記録で
は30分だが、疲労がでて登りでペースダウン、小屋ケ谷の頂上手前でBSグループのしんがりと情報交換。
小屋ケ谷の三角点は踏み跡から外れたところにあるそうで、幹に白い3本線が目印と教えてもらって別れる。

<小屋ケ谷の三角点標石(655.6m)>             <満開のアセビの花>
教えてもらった通り三角点に到着(11:53)。10分遅れ。確かに三角点は踏み跡から2〜3m離れた低い
所にあった。昼食は次にする。少し休んでから先に進む。P691の手前あたりでアセビの花が満開だった。

<P691mへの登りの雪道>              <P691m付近から篠ガ峰>
P691への道。篠ガ峰に近づき少し高度が上がってきたのか残雪の量も多くなってきた。篠ガ峰のアンテナ
もはっきり見えるようになってきた。前半のカザシに替わり岩屋山が目印になりルート確認が随分助けられた。

<P691m付近の倒木帯>               <No.36鉄塔下から千ガ峰>
P691付近から’04台風のものか倒木が目立つ。2月に歩いた岩屋山も凄まじい倒木帯があったが。とにかく歩
きにくいし、踏み跡も消える、体力が消耗する。No.36鉄塔に到着する。ここで昼食を摂る(12:50〜13:10)。

<篠ガ峰への登りの雪道>            <篠ガ峰の三角点標石(827.0m)>
食事をして少し元気回復。残雪も多くなり、グズグズの雪を踏んで登る。鉄塔から篠ガ峰まで高度差130m
余り登り一方できつい。BSのグループが直線的に下っていった雪道を登るのですべりやすく、さらに疲れる
岩屋山への巡視路分岐(13:30)を過ぎて、ひと頑張りして林道に出る。初めての篠ガ峰です。珍しそうに
中継所の建物を見ながら三角点へ(13:49)着。運悪くデジカメの電池切れ。応急処置でハンディ機の電池
を借用して辛うじて写真が撮れて良かった。さあ下山。予定は鉄塔No39から鉄梯子を下って五ケ野林道へ。
まず反射板へと向かう。そこに一人の登山者が登ってきた。尋ねると私が下山予定のルートを来たとのこと。
下山のルートを伺うと、明石から来て車を五ケ野林道に駐車しているので来た道を下るとのこと。何たる幸運。
ご一緒することをお願いして、三角点への行き方を教えてあげて。一足先に反射板へ向かう(14:00)。

<篠ガ峰の反射板付近から弘浪山方面>         <篠ガ峰の反射板付近から白山・新郷方面>
デジカメの撮り収めで弘浪山方面と白山方面を撮って、教えてもらった道(巡視路)を下る。元気な方ですぐに
追い着いてくれて一緒に歩く。単独行をしてきて2人で歩くことのなんと安心で力強いいことか。地獄で仏とは。
巡視路は始めは歩き安い道だったが、だんだん岩のヤセ尾根になり厳しい道をどんどん降って行くので必死
でついていく。今までのチンタラムードは吹っ飛び、周りを観察する余裕も無く、ひたすら目前の素晴しくて怖く
て楽しい急な岩稜を下る。あとで振り返って思ったが、このルート1級品。部分的には大峰山の行場に匹敵す
る。丹波の山の他の山に劣らぬ素晴しさを味わった気がします。また今度ゆっくりとこのルートを登ってみたい。
ルート上の何ケ所か鉄梯子を降り五ケ野林道に降り立つ(15:22)。降り立った所も岩稜の途中を断ち切って
林道は更に奥に伸びている。その岩壁に丸い蜂の巣が架かっていた。2月に延命寺山から篠ガ峰を目指して
時間切れで岩屋山を越えた鞍部から西谷に降りたときも、遠目ながらこのあたりの山容の険悪な相は感じてい
たが、今日歩いてやはり想像していた通りの厳しい面を持った所だった。長い林道を2人で歩き、退屈するころ
猪垣のゲートに着く(16:10)。同行して頂いた方の車の傍でお礼とお別れして富田の工房に帰る(16:43)。

今回の山歩きで「山あそ」島田さん。「丹波霧の里」笹倉さんのHPのレポートを参考にさせていただきました。
落し物のトランシーバーを回収して頂いた神戸のボーイスカウトの方(石崎リーダー)。有難うございました。
坂尻・五ケ野・西谷の各林道を歩いて。五ケ野林道だけ車通行の際、ゲートの鍵の申請が必要なようです。


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