阪神電車・現在の車両

阪神電車の現在の車両について解説します。

〜急行車〜


1000系

 2009年春の阪神なんば線開業に備え、2006年秋に登場したのがこの車両です。近鉄〜阪神尼崎間における8・10両運転への対応を考慮しており、まず6連1本と2連2本の計10両が近畿車輌から登場し、1年に渡る試運転の後、2007年10月に営業運転を開始しています。
 外観は9000系以来のステンレス構造となり、扉部分と前面の上下にビバーチェオレンジを塗装し、急行車を表しています。また、姫路方先頭車(1251形)を除き電気連結器を備え、尼崎での自動解結に備えています。更に、阪神初のシングルアームパンタを取り付けるなど、阪神のイメージを一新したものに仕上がっています。
 シートは全車バケットタイプのロングシートでそれまでの赤系からグリーンを採用、蛍光灯は法律の改正に対応するためグローブレスとなっています。
 2007年度には20両の新造され、2008年度には開業に間に合う様に48両の新造され、2009年の開業時までに78両を揃っています。代替廃車として既に7801形が形式消滅し、7861形や2000系の一部にも廃車が出ており、更に2000系1本と8801形1本も廃車され、純粋な増備は48両となります。
 なお、阪神なんば線開業までは6連は本線の優等列車に、2連は2本繋いで西大阪線普通として運用されていました。(開業前の新線区間試運転時には西大阪線普通を6連で運転)阪神なんば線開業後も、阪神本線の一部優等列車に使用されていますが、殆どが近鉄奈良線との直通列車に運用され、奈良線急行などの運用にも入っています。

Tc1 M1 M2  T M3 Tc2
1201 1001 1101 1301 1051 1251
1202 1002 1102 1302 1052 1252
1203 1003 1103 1303 1053 1253
1204 1004 1104 1304 1054 1254
1205 1005 1105 1305 1055 1255
1206 1006 1106 1306 1056 1256
1207 1007 1107 1307 1057 1257
1208 1008 1108 1308 1058 1258
1209 1009 1109 1309 1059 1259
1210 1010 1110 1310 1060 1260

Tc Mc
1601 1501
1602 1502
1603 1503
1604 1504
1605 1505
1606 1506
1607 1507
1608 1508
1609 1509

9300系

 2001年3月、21世紀初の新型車として阪神が送り出す急行形車両で、数々の特徴を持っています。まず、外観は5500系の塗装に合わせ、下部にシルキーベージュ、上部にプレストオレンジを採用、内装では中間車4両については35年ぶりにセミクロスシートが採用されます。なお、先頭車2両については混雑緩和のため、ロングシートとなっております。クロスシートは扉間に4列づつ設置され、この部分には吊革を取り付けず、初めて扉前に吊革が取り付けられます。

 実際の運用は8000系・9000系と共通になっており、朝ラッシュ時の特急・急行系列車に運用される事もありますが、やはりクロスシート部分につり革の取り付けがなされていない点は問題が多く改良が必要です。(後年のJR宝塚線事故でスタンディングポールやつり革の重要性が実証されてしまいました。)

 2002年3月には更に1編成が登場、更に同年9月には第3編成も登場しましたが、製造元の武庫川車両工業が解散されており、増備の予定はありません。

 

Tc M’ M’ Tc
9501 9301 9401 9402 9302 9502
9503 9303 9403 9404 9304 9504
9505 9305 9405 9406 9306 9506

 太黒字〜セミクロスシート車

 

9000系

 震災による廃車分を補うために急遽新造する事になった車両で、設計からの製作期間は約1年間と短く、子会社の武庫川車両では製造能力に限界があるため、30両全てが川崎重工製造となりました。

バケットシートを採用した内装・VVVFを採用した性能とも非常に優れた車両です。しかし、あくまでも震災時における応急措置的な車両新造と位置付けられており、また、ステンレス車両のメンテナンスの問題があって、今後、ステンレス車両の製造は行なわれない様です。直通特急には8000系・9300系と共に運用されています。

 尚、内装については、8000系最終グループとほぼ同じですが、スタンディングポールが復活しており、車内案内装置には5500系同様、現在位置のわかる路線図が取り付けられました。   

 尚、2009年の阪神なんば線開業に際し、新造する1000系の他、改造される車両として9000系が選ばれました。改造点は主に9201形(大阪方先頭車)に連結幌と自動連結器を取り付けるのと、近鉄線内の急勾配に対応するためブレーキを改造するなどが挙げられますが、近鉄線内における”阪神の顔”として1000系共々、その存在を誇示しています。

 

Tc M’ M’ Tc
9201 9001 9101 9102 9002 9202
9203 9003 9103 9104 9004 9204
9205 9005 9105 9106 9006 9206
9207 9007 9107 9108 9008 9208
9209 9009 9109 9110 9010 9210

 

 8000系

 9300系・9000系が登場した今でも、阪神電車の顔と言えば、この車両です。界磁チョッパ制御車。1984年から1995年までの長期に渡って新造されたため、製造年度により多くの変更点があります。

 1984年登場の6両(8201F)は阪神初の6両固定編成として登場し、電力回生ブレーキ・抑速ブレーキ付界磁チョッパ制御としたものの、外見は3901形から貫通幌を無くした感じで、殆ど変更点がありませんでした。が、6両固定編成というそれまでの阪神にはなかった思想が、その後の阪神の運用スタイルを一新するものとなりました。

 続いて1985年登場の8211Fでは外見の大幅なモデルチェンジを行い、一段下降窓、暖色系内装の採用、スタンディングポールの廃止等、従来の阪神電車のイメージを一新しました。 8217Fからは冷房装置を長年採用し続けていた分散式から阪急等が採用していた集約分散式に変更しました。

 その後も年に1〜2編成の代替新造が続く一方、内装を中心としたデザインの大幅な変更を模索した結果、1991年の8233Fからは側面窓が連窓風になり、窓自体も大きくなりました。また、当時珍しいLED表示による車内案内表示器を千鳥的に配置しました。座席はバケットシートを採用し、一人あたりの座席幅も従来の430mmから470mmに広げました。越掛の端部がそで仕切りとステンレスパイプで構成される形になりました。
 更に1993年登場の8241Fからは、禁煙などの車内表示にピストグラムが採用されるなど内装が一段と洗練され、また中間車両には車椅子スペースが設けられました。

 8000系は1995年1月初頭に8249Fの大阪方3両が登場して123両となり、同3月末には残る3両の登場で計126両となる計画でしたが、同年1月17日に発生した震災で10編成が被災し、その結果15両が廃車されました。
 復旧に際しては、廃車がでた編成同士で新しい編成を組み、足りない3両については廃車車両の部品を流用して代替新造を行いました。従って8000系は最終的には129両が製造された事になりますが、現存するのは114両です。 

 尚、第1編成であった8201Fは3両が廃車となり、大阪方先頭車8201と神戸方中間車8102・8002が残りました。そこで8201を神戸方に方向転換した上で車番を8502に変更して、神戸方3両ユニットを形成し、大阪方3両には8023・8123と代替新造された8523(廃車された8223に300番をプラスしたもの)3両が併結されています。この6両のみ8000系で唯一、直通特急運用から外れています。

 
 その後、数年間は変化がなかったのですが、製造初年から20年近くが経過し、初期車両の更新に迫られました。クロスシート車を増加させる方針もあって、消耗部品の交換と同時に、車両の内外装を9300系と同仕様にリニューアルさせる工事が計画され、第一陣として、1985年製造の8211F6両を改造しました。
 両端のロング車もバケットシート化されており、素人目には9300系と同じ新造車に思われるほどの出来映えですが、制御装置は従来どうりです。また、クロスシート改造車は、通路幅を確保する目的から、側窓の固定化が行われ、クロスシート車が2両となった第3次リニューアル車からはクロスシート部分にも懸案だった吊革の取り付けが行われました。また、第7次としてリニューアルされたのは二段窓をもつ8102−8002−8502を含む8523Fが対象となり、かつての阪神スタイルにオレンジの塗装、二段窓にクロスシートという異端児ぶりに磨きがかかったものとなりました。
 このリニューアル工事はいまのところ、バケットシートを採用していない車両(つまり8231F以前の車両)を対象としており、残る3編成のリニューアルで一応、終了となる予定です。

 また、阪神なんば線の開業後も8000系は近鉄線内や阪神なんば線内の急勾配に対応しておらず、本線専用となり、近鉄線への乗り入れは行われていません。

Tc M’ M’ Tc
@8211 8011 8111 8112 8012 8212
D8215 8015 8115 8116 8016 8216
C8213 8013 8117 8118 8018 8218
A8219 8019 8119 8120 8020 8220
B8221 8021 8121 8122 8022 8214
F8523 8023 8123 8102 8002 8502
E8225 8025 8125 8126 8026 8226
8227 8027 8127 8128 8028 8228
8229 8029 8129 8130 8030 8230
8231 8031 8131 8132 8032 8232
☆8233 8033 8133 8134 8034 8234
☆8235 8035 8135 8136 8336 8536
☆8237 8037 8137 8138 8038 8238
☆8239 8039 8139 8140 8040 8240
☆8241 8041 8141 8142 8042 8242
☆8243 8043 8143 8144 8044 8244
☆8245 8045 8145 8146 8046 8246
☆8247 8047 8147 8148 8048 8248
☆8249 8049 8149 8150 8050 8250

斜太字〜震災復旧新造車  斜太黒字〜震災復旧に際して、方向転換した車両

背景がオレンジ色の編成は9300系仕様に改装(太黒字〜セミクロスシート改装車)  @ABCD〜リニューアルの順番

☆〜編成全てにバケットシート、車内LED装置を設置

8701・8801・8901形

 昭和49年から52年に製造された3801・3901形(Tc−M−M’−Tc’)3編成の内、第1編成については脱線事故が続いたため昭和61年に廃車となり、残った4連2編成を6両固定編成と2両固定編成に組み直す事になり、同時に改番が行なわれて誕生した形式で、6両1編成のみ存在します。なお、3801・3901形は西大阪線延伸の第一段階として工事が開始されながらもすぐに中断されていた九条〜西九条間に計画された急勾配に備えて、抵抗制御ながら抑即ブレーキを備えていました。

 制御装置の改造は行なわれていませんが内装は8000系並にグレードアップされていますが直通特急には使用されませんでした。1000系の大量増備により当初の目的であった阪神なんば線乗り入れを果たされないままの引退となりました。

 

Tc M’ M’ Tc
8901 8801 8701 8802 8702 8902

 

 

2000系

昭和45年(1970年)日本で初めてサイリスタ・チョッパ制御車として営業運転を開始した7001・7101と抵抗制御の7801・7901を電力回生ブレーキ・抑速ブレーキ付界磁添加励磁制御に改造したもので、8000系後期車と同様にLED車内案内装置を設置しました。製造後37年が経ちますが、改装を重ね8000系にも劣らない車両になっています。この車両も震災で12両が廃車されています。
 西大阪線延伸線(阪神なんば線)開業に伴い登場する1000系の大量増備が計画されており、先行して1編成が廃車され、更にあと1編成が廃車となりましたが、その他の車両については当分の間は梅田〜須磨浦公園間でその姿を見られそうです。

Tc M M' M' M Tc
2205 2105 2005 2006 2106 2206
2207 2107 2007 2008 2108 2208
2211 2111 2011 2012 2112 2212
2215 2113 2015 2016 2116 2216

  

7861・7961形

 7901形に運転台が付いた以外は7801形・7901形と同性能ですが現在では、8両のみとなっており、西大阪線や武庫川線で使用されています。尚、武庫川線ワンマン運転化に伴い、6両がワンマン運転対応改造されています。1000系の登場により、ワンマン化改造されていない車両は廃車となる見込みです。

 7890・7990は3901形2両を改造したもので、その性能から武庫川線専用となっており、これもワンマン用改造されています。

Mc Tc Tc Mc
7863 7963 7964 7964
    7966 7866
    7968 7868
    7990 7890

 

6両編成急行車運用
1000系 10本 VVVF車
9000系 5本 VVVF車
9300系 3本 VVVF車
8000系 19本 界磁チョッパ車
2000系 4本 磁添加励磁制御車
合計 41本  

 

 

〜普通車〜

(1)5500系

 5001形以前のジェットカーを置き換える為に計画された車両でしたが、平成7年1月に阪神大震災の発生で、ジェットカー8両が廃車になり、急遽代替車の新造が決まり、計画を早めて同年10月と12月に計2編成8両が武庫川車両で新造されました。この車両は阪神発のVVVF制御となり、塗装もアレグロブルーにシルキーベージュの斬新なものになりました。内装も、ブルーを基本とし、バケットシートを採用し、落ち着いた雰囲気に仕上がっています。

 平成9年には翌年の普通増発に備えて3編成が増備されましたが、急遽決まった為か、製造を急ぐため川崎重工の製造になり、ほぼ同時に登場しました。平成10年には、代替新造として更に3編成が、翌11年度末にも1編成が武庫川車両で製造され、これにより5500系はジェットカー最大勢力になりました。

Mc1 M1 M2 Mc2
5501 5601 5602 5502
5503 5603 5604 5504
5505 5605 5606 5506
5507 5607 5608 5508
5509 5609 5610 5510
5511 5611 5612 5512
5513 5613 5614 5514
5515 5615 5616 5516
5517 5617 5618 5518

太斜字〜川崎重工製造

 

(2)5001形

 初代ジェットカー5001形、量産車5101形・5201形の冷房化を代替新造により行うために新造された車両です。昭和52年から昭和56年までに2両編成16本が製造され、昭和63年から平成3年にかけて4両固定化改造及び行先表示幕の設置がおこなわれました。その後一部の車両は車椅子スペースの設置と扉開閉装置の更新が行われており、今後もジェットカーの顔の一つとして親しまれていく事でしょう。

Mc1 M2 M1 Mc2
5001 5002 5003 5004
5005 5006 5007 5008
5009 5010 5011 5012
5013 5014 5015 5016
5017 5018 5019 5020
5021 5022 5023 5024
5025 5026 5027 5028
5029 5030 5031 5032

 

(3)5131・5331形

 5231形24両の代替新造として、先に改造を受けた5311・5151形と共に、回生ブレーキ付電機子チョッパ車として昭和56年から58年に登場し、阪神電鉄は両形式が出揃った昭和58年に大手私鉄で初めて冷房化率100%を達成しました。昭和63年から平成3年にかけて4両固定化と行先表示幕の取り付けが行われましたが、震災により5337・5338が廃車となり、震災後は5143・5144が5269・5270と4両編成を組んで走りました。尚、平成10年末には5261形廃車のため、5143・5144の連結相手が5131形2両に変更されました。
 1000系の登場により5311形も廃車の予定ですが、その際、5143・5144がどう処遇されるのか注目です。

Mc1 M2 M1 Mc2
5131 5132 5133 5134
5135 5136 5137 5138
5139 5140 5141 5142
5143 5144    
5331 5332 5333 5334
5335 5336 5339 5340

 

(4)5311形

 昭和43年に増結用として製造されましたが、昭和55〜56年に回生ブレーキ付電機子チョッパ制御車になり、震災も乗り越えて活躍してきました。しかし、この車両も平成11年3月に2両が廃車となり、残る2両は5131形と組むようになりました。
 40年近い長きに渡って活躍してきましたが、1000系の登場により、代替廃車となる公算が強いです。

 

Mc1 Mc2
5313 5314

 

4両編成阪神本線普通運用
5500系 9本 VVVF車
5001形 8本 抵抗性御車
5131・5331・5311形 6本 電機子チョッパ車
合計 23本  

阪神電車・車両の歴史

震災による車両動向