阪神なんば線開通時のダイヤ予想

 

 阪神なんば線の利用者は神戸〜大阪ミナミ間だけではなく、神戸市東部、芦屋、西宮、尼崎市内でJRと競合している
地域でも大阪乗換えで難波方面へ向かう利用者の多くが阪神なんば線に転移する可能性が高い。また、事実上、
ミナミがキタの向こう側に存在する現状で、梅田志向が強い神戸・阪神地域の住民にとって、ミナミはたまにしか
行かない街であるが、乗換え無しで行ける事により、注目度が上がるのは確実で、更に神戸〜大阪間のビジネス需要の
うち、難波は勿論、心斎橋・本町から西大阪線乗換えで神戸に向かう利用者も少なくないと思われる。

 近鉄線〜阪神沿線間の流動については、現状では極わずかと思われるが、JR神戸線〜環状線から鶴橋乗換えで
近鉄線に向かう利用者も阪神なんば線を利用する可能性が高い。また、南海線とは難波乗換えが可能であり、更に西九条では
JR阪和線の関空快速とも乗換え可能となっており、JRの運賃制度から考えて、西九条以南〜神戸方面各駅間利用では
西九条での乗換えによる利用が有利になるため、西九条での乗換もかなり増加するものと思われる。阪神の取り組みに
よっては阪神間から関空への流動も取り込める可能性がある。更に、南海電鉄がなんばパークスをはじめ難波の再開発を
行っており、阪神なんば線への期待は実は南海電鉄にもある。

 また、神戸・芦屋・西宮から奈良、奈良・生駒から神戸へはかなり遠いイメージだったのが、乗り換えなしとなり観光需要は
格段に増えると思われる。2010年の奈良遷都1300年となり、奈良がクローズアップされるのは間違いなく、阪神間から見ても
手軽な観光地として再認識されるだろうし、奈良方面から神戸という都市は違う魅力を持っており、当初は考えもしなかった
観光需要の増加が十分見込まれると考えられる。

 また、沿線には大阪ドームがあり、オリックスバファローズが本拠地としている他、阪神タイガースが数試合、更には
読売ジャイアンツも主催試合を行う事がある。
 現状では交通アクセスにやや問題があり、近鉄沿線から直接行くことができない事がかなりのネックになっているが、
西大阪線延伸線の開通により、近鉄沿線からも直通で大阪ドームに行くことができるため、観客動員の大幅な増加が
期待できる。

 また、見落とされがちだが、甲子園球場の阪神戦も2002年頃までは満員になることは意外に少なく、ジャイアンツ戦
以外は3〜4万人程度の動員にとどまっていた。最近でこそ、ジャイアンツ戦でなくても満員になる事も多いが、阪神ファンは
近鉄・南海沿線にも当然の如く多いわけで、現状では梅田に加えて難波か鶴橋でも乗換えが必要だったのが、
乗換え無しか1度の乗換えで甲子園まで辿り着ける様になり、これまで以上に行きやすくなるので、観客動員が高いレベルで
安定する事も期待できる。

 

 

阪神線内における

 種別  梅 田 野 田 奈良 難波 桜川 ドーム前 九条 西九条 尼 崎 甲子園 西 宮 芦 屋 魚崎 御 影 三 宮 元 町 高速神戸 新開地 明石
 直特 1000 ----             1007 1012 1015 1018 1021 1023 1028/1028 1030 1032 1034 1056
 急行 1004 1007             1013                  
 普通 1001 1005/1008             1020/1025 1035 1040/1046 1051 1056 1058/1103 1113/1015 1117 1120    
 N快急     926 1001 1003 1004 1005 1007 (1013)/1013 1018 1022 1025 1028 ---- 1035/(1035)        
 N普通       1005 1007 1009 1000 1012 1021                    
 直特 1010 ----             1017 1022 1025 1028 1031 1033 1038/1039 1041 1045 1047 1111
 急行 1014 1017             1023                  
 普通 1011 1015/1018             1030/1034 1045 1050/1056 1101 1106 1108/1113 1123/1125 1127 1130    
 N快急     936 1011 1013 1014 1015 1017 (1023)/1023 1028 1032 1035 1038 ---- 1045/(1045)        
 N普通       1015 1017 1019 1020 1022 1031                    
 特急 1020 ----             1027 1032 1035 1038 1041 1043 1048/1048 1050 1053 1055 1110(須磨浦公園)

 

 

 種別  奈良 西大寺 学園前 生駒 石切 東花園 八戸ノ里 小阪 布施 鶴橋 上本町 日本橋 難波 桜川 ドーム前 九条 西九条 尼崎 三宮
 N普通   941 946/949 951 954 959 1001 1003 1005/1005 1007 1009 1010 1012 1021  
 急行:N快急 918 924 928 933 937 --- --- --- 951 954 956 958 1000/1001 1003 1004 1005 1007 1013 1035
 区間準急   950 --- 954 958 1001 1003 1005 1007 (1009)          
 N普通   936 940 951 956/959 1001 1004 1009 1011 1013 1015/1015 1017 1019 1020 1022 1031  
 N快急 931 937 941 946 --- --- --- --- --- 1004 1006 1008 1010/1011 1013 1014 1015 1017 1023 1045
 区間準急   931 935 942 946/951 1000 --- 1004 1006 1010 1012 1014 1016 (1018)          

 

 

 一部の情報では朝ラッシュ時14本/1時間、昼間急行系3本・普通6本/1時間と言われているが、
この新線の成功は神戸・阪神間と大阪ミナミが気軽にアクセスできるかにかかっており、本線と同等レベルの
サービスが必要不可欠である。そのためにも直通列車ができるだけ速く、頻度を高く、多くの主要駅から利用できる事が
そのポイントであると考えられ、10分間隔の直通”快速急行”を設定した。


 現在、近鉄奈良線は昼間快速急行・急行・区間準急各20分間隔、普通10分間隔で運転されている。これを快速急行・
区間準急・普通を各10分間隔で運転し、快速急行を全て阪神直通とする。区間準急は西大寺(または奈良奈良)始発で石切にて
快速急行を待避し、石切から難波まで先着、桜川で折り返す。普通は、昼間の全列車を東花園始発とし、区間準急からの接続を
受けて発車、八戸ノ里で快速急行を待避し、阪神なんば線内は待避なしとする。


 延伸線における停車駅だが、桜川は近鉄線内折り返し列車専用の折り返し線が2線設置される。連絡する
南海汐見橋線(高野線)・地下鉄千日前線(桜川駅)の重要度が低い事から、阪神直通の快速急行は当面、
通過で良いと思われるが、今回の案では停車としている。

 ドーム前はドームにおける野球・コンサート等の催し次第で利用者数に大きな落差が予想され、普段は普通のみで
充分と思われる。ただ、連絡する長堀鶴見緑地線に乗換える事によって心斎橋にアクセスが可能であり、朝夕のみか、
終日停車も検討に値すると思われる。今回の案も停車としている。

 九条は地下鉄中央線と連絡しており、本町や南港方面への重要アクセスとなるため、全列車の停車が必要であり、
西九条もJRとの連絡があり、近鉄沿線からもUSJにアクセスできるため、全列車の停車が不可欠である。また、
西九条〜尼崎間各駅は普通のみ停車で対応可能だが、千鳥橋については、大阪の中心部に直接アクセスできる事から
利用者の急増が考えられ、朝夕のみの優等列車(急行か準急)が設定されればこの駅への停車も検討が必要と考える。
 
 また、車両性のが従来の7861形などに比べて大幅に向上する事(特に加速力の向上)や、運転条件の緩和(分岐器の通過が
殆どなくなり、あっても直線側になるため速度制限がなくなる)を考慮し、西九条〜尼崎間では従来の普通が10分かかる
のを9分に短縮している。


 これらを念頭に昼間ダイヤをシュミレーションしたのが上表である。春日野道駅改良により同駅前後での徐行もなくなり、
これまでの高架化工事等による線路条件の向上、更に車両性能の向上も踏まえて数分の所要時間短縮も見込んだ。

 特急(直特含む)・快速急行・急行(尼崎行)・普通4系統10分サイクルの運転は現状では供給過剰だが、JR・阪急からの
転移や新たな需要開拓に対応するには必要と考える。本線急行は本来であれば甲子園行きとし、特急は甲子園通過として
所要時間短縮を図りたいところだが、既に平日の一部時間帯以外は停車が定着しており、特急は平日朝上りを除き、
甲子園停車とし、急行は尼崎行とした。その分、快速急行を三宮まで10分間隔運転する事とし、阪神間から難波・奈良方面へ
利用しやすくしている。

 このダイヤによると、難波〜三宮間は快速急行で34分となり、30分程度で大阪ミナミと神戸が結ばれる。(桜川通過にすると
33分も可能)また、尼崎・武庫川・甲子園・今津・西宮・芦屋・魚崎・から難波へ直通でき、武庫川線・阪急今津線・六甲ライナーとの
連絡も抜群となり、これら各駅における利用者もかなりの増加が期待できる。更に、尼崎で本線急行と乗り換えが可能となり、
下りについては急行を福島通過とする事により、梅田〜三宮間は28分で結ぶ(直通)特急の他、急行と快速急行の乗り継ぎにより、
同区間を31分で結ぶ事ができ、結果的に梅田〜三宮間においても30分程度で結ぶ先着列車が1時間に12本も運転される事になり、
JRの牙城に食い込む体制も整える事ができる。


 一方、近鉄奈良線内でも各種別の運転区間や運転間隔が10分サイクルで整理されたため、分かりやすくなっている。難波〜
奈良間所要時間も快速急行への統一により、38分程度に統一される。(西大寺がネックとなるが…)区間準急停車駅では
優等列車が倍増しており、利便性が大幅に向上している。反面、石切〜難波間は急行が区間準急に変更されているため、
4分ほど所要時間が延びている。(石切駅はけいはんな線生駒山トンネル陥没事故の補償という面もあり、昼間だけとは言え、
急行の区間準急格下げは問題になるかも知れないが、利用者数は12000人程度であり、本来ならこの案でも十分と思われる。)

(2008.3.1.訂正)