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2014年1月2日~27日 「 コンダーさんの恋」の感想(2014.1.28)

1/1213日にかけて一泊二日で明治座の「コンダーさんの恋」を観てきました。丁度、寒さが厳しさを増した週に突入した時期だったので、天候のせいで、新幹線が遅れたりしないか心配しましたが、(岐阜県あたり?で吹雪いているところもありました)時間通り、1分の狂いもなく東京駅に到着することができました。東京駅で軽めの食事をとり、12時の公演を観るべくタクシーでいざ、明治座へ。

今回の舞台、思い返してみれば、

楽しい舞台の印象が残らない訳でもないですが
作品として考えると、かなりの不満が。


いざ書きだしたら、かなりの辛口意見になってしまいました。
「読みたくないわ」と思う方は、
ここで、読むのをお止めになってくださると、ありがたいです。


では…。

まず終わってすぐの感想が…、役者は悪くないけれど、

作品としては、重みに欠けるなぁでした。
終始ドタバタした印象と、何を伝えたいのかと思うシーンもあって、途中ダレた時も。
(冒頭の「くめの夢」の意味は、どこに繋がったのかな?2回の観劇では分かりませんでした)


タイトルロールにもなっている、作品の芯になるはずの、

コンダーさんとくめの2人のエピソードや
くめの人間性の描かれ方が不十分だったと思いました。

周りを囲む登場人物が多すぎて、あっちの人物こっちの人物と
欲張って場を与えてしまった為
(演出家の好みがあきらかにわかるシーンも)
本来なら、話の芯にならなければいけない筈の、
くめの(人間性や魅力にまで)時間を割くことが不可能になり、
主演であるはずのくめの人間性が、最後まで見えて来ないという…。
作品として最悪、致命的ですよね。
他の役者を使って、それを補えたかというとそうでもない。


話が一点に絞り切れず、散漫。
やはり、ここは、タイトル通り、
話の焦点は「コンダーさんの恋」に徹してほしかったと思いました。


今回の舞台、タイトルに偽りあり‼

「コンダーさんの恋」を外して「鹿鳴館騒動記」だけにしたら、しっくりきたかも。

「くめを取り巻く鹿鳴館騒動記」でもよかったかな。

こういう言い方はあまり好きではないですが、
明治座での真央さんの座長公演、
タイトルに「コンダーさんの恋」と入っていれば、
やはり観る側としては、スペクタルな大エンターテーメントを期待しますよね。
皆様はどう思われましたか?。
私は
この舞台は、明治座の大きな舞台を意識した創りではなく、
演出家の好みが色濃く感じられる小劇場の創りに感じました。

確かに…制作発表で
「コンダーさんは出てこない」と
仰っていたから、
ある程度は覚悟していたけど…

でも、G2さんだもの必ずや満足させてくださるものと、信じていました。

しかし、私にはそう感じられず、観ている間中不満がタラタラでした。

梅太郎とクララ、大山巌と捨松のカップルは、

実際そのシーンがある分、印象に残りました。

最後の方で、映像から抜け出た形で、台詞もないコンダーさんが実際出てこられ、くめとのツーショットを観たとき、わぁ~やっと会えた。と心が浮き立ちました。2人が腕を組む姿を見たとき初めて、くめに感情移入ができました。くめの気持ちを感じられたし、幸せも感じました。こう思うと、やはりコンダーさんは、きちんと役として、登場させるべきだったのではないかと思いました。タイトルロールであるコンダーさんを、出演させなかったメリットが一つも見当たらない。

エンデイングシーンで、
実在の登場人物たちの「その後」を語らすことはよくある演出方法だと思うし、
それに対しての異論はありませんが、今回に限っては、

それまでのつまらなさ、消化不良状態を「良いものを見た」と
誤魔化されたような気がします。ただ手法としては効果的で、
そのシーンの間だけ、何となく満足したような気分になる自分がいました。


今回の舞台、難しいことは言わず、鹿鳴館時代に生きた実在の人物を、
お勉強できました~~~くらいの気持ちで、納得すればいいのかもしれませんが、
何度も言って申し訳ありませんが、
明治座という劇場柄、やはり私を含め(たぶん)お客様の大半は女優:大地真央を、
観に来ていることを考えると、今回の舞台の演出は疑問を感じます。

二時間半で、鹿鳴館の歴史や解説を映像まで使い、しっかり盛り込み、

3組ものカップルを登場させ、
その他の、歴史上の人物にもタップリ時間をかけるのは、無理がありました。

好きなシーンもありました。

2幕冒頭の鹿鳴館の社交ダンスシーンは、華やかで、とても良かったと思います。
ダンスを踊れるようになる経過や悪戦苦闘するシーン、

そして人と人との関わりや、心を通わすといった、
じっくりみせるシーンがもう一場面でもあると、
もっと作品に膨らみが出たと思います。
しかし、…これを入れるには、又、どこかのシーンを割愛しなければならない。
これ、やっぱり無理があるんですね。

荒城の月のシーンも、しっとりとしたシーンとなって、とても良かった。
でもあのシーンも(やはり「でも」が付いてしまいます)
くめと団吉くんの二人だけに、ピンスポットで浮き上がらせて、
周りの方たちの照明は一旦落とした方がより
効果的だったし、
色とりどりの照明で演出すれば、
幻想的なシーンとなって場面ももっと生きたような気がします。
そして、曲の
クライマックスでは、出演者全員の混声の影コーラスも加わって、

大迫力で歌い上げたら、その後の余韻も残せたと思います。。
折角盛り上がったかなと思っても、話をぷつんと終わらせてしまうので、

観る側も肩すかしをくったようで、勿体ないと思いました。
何故か要望ばかりになります。すいません

途中で…

この演出の手法、何かに似ている…と思ったシーンがありました。

それは、セットが奥に舞台いっぱいの状態に配置され、照明は明るく単色系で、
出演者は客席に対して、まっすぐに横一列で並んだ印象の立ち位置、
この人が言ったら、次この人みたいに、
台詞の応酬のシーンを観ていたとき。

お笑いの舞台(〇〇新喜劇)みたいって(笑)。
演者が、掃けたり、出てきたりがやけに頻繁なのもね。
お笑い舞台なら生きる手法も、明治座では、何とも平面的で安っぽく感じました。

今回の舞台は、セットも奥に平面的な配置が多く、
よく使われる左右にセットを配置して、
奥行きををうまく利用する手法が、あまり無くて、
舞台全体の印象を、平面的に見せていたと思います。
唯一奥行きを感じた、最後のシーンはとても豪華で良かったです。。

折角、間口が広く奥行きのある明治座の舞台空間を、
生かし切れてないような気がしました。
やっぱり不満なんだ(笑)



観劇しているときは、真央さん始め、出演者の皆様の熱演が楽しくて
結構笑わせていただいた筈なのに、
感想を書こうとすると、なんだか不満タラタラになってしまいました。
すみません。

真央さんよりの感想なのは百も承知で、書かせていただきましたが、
只、私も指折り数えこの日を待ち、
関西から泊りがけで駆け付け、単純に舞台を楽しみたかった一観客です。
その一観客の嘘偽りのない感想であります。はい。

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