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ガブリエル・シャネル日生劇場  2011/5





ガブリエル・シャネル雑感@

 投稿者:  投稿日:2011年 5月23日(月)23時30分20秒
  5/21〜5/22にかけて「ガブリエル・シャネル」観てきました。
案ずるより産むが安し。
お蔭様で何事もなく、無事行ってくることができました。

1日目は、お天気もすご〜く良くて観劇日和(?)でした。
2日目は劇場に入る時は、
天気予報の「午後から雨でしょう」が信じられないくらい?晴れていました。

舞台が終わって(3時15分頃)、人の波にのってロビーをおりてくると…
何やら入り口付近が暗くて、ごった返している。
やはり……「雨」でした。
入り口では、傘を広げたり、空を見上げたりで、
スムーズに人が掃けてなかったんですね。

いやぁ〜普通の雨なら許せるけど、すごい土砂降り。
おまけに風も吹いてて超寒っ。

あ〜あ折角東京駅まで、余韻に浸りながら、
のんびり、グダグダ、ダラダラ、歩くつもりだったのに〜もう〜

そうこうしててもしょうがないので、押されるように歩き出すも、
差してる傘は殆ど役立たず、背中、腕、足元が、一瞬にして、ビッショビショ。

いつもなら、劇場のお客を当て込んだタクシーが、
何台かは待機しているのに、今日は1台もない。
ふと反対車線の信号待ちの車列に空車のタクシーが見えたので、急いで道路を横切り、
気付かない運転手さんに、窓をトントンして、気付いてもらいました
(ある意味こわ〜い…)(笑)

真央さんと愛する旦那様が住む街にもっといたかったし、感じていたかったなぁ〜
いきなり東京駅じゃ余韻もへったくりもありゃしない…(笑)。

今回も、いつもと同じパターン。昼公演のみ、2回観ました
真央さんのガブリエルは相変わらずパワフルで、最高でした。
いつも思うけど、真央さんの舞台で出すエネルギーは半端無い。すごいです。
観てると体内の血が動き出すのがわかり(わかるかーーー)。
身体が、活性化されて元気になります。

再々演ということで一部キャストは変わりましたが、
演出の部分での大きな変更点はありませんでした。
ただ花道がないので、客席からの登場が一場面(避暑地のシーンの前のアンサンブル)増えていました。

その他の花道からの登場シーンは、舞台袖からの変更になっていました。
12歳のガブリエルも下手奥から斜めに走り出て、
その後正面へ走るに変更になっていました。

今回は2階から観たほうが、あの頭から突っ込んでくるような、
元気な走りっぷりが、よく見えたかもしれません。

がぶりえるしゃねるじゅうにさい」と言ったあと、
もしかしたら「自分でもよくやるでしょう」の意味でも込めていらっしゃるのか「ぷっーーー」と吹いていました。 「とうちゃん」の言い方、表情がむちゃくちゃ可愛い〜 あのシーンの葛山さんも好きだなぁ〜〜 (優しいとうちゃん、恐い父ちゃん両方いい) 「私って…捨て子って事?」と訪ねるガブリエルに、ジェームス小野田さん「殆どそれね♪」も飄々ぶりがご健在でした。小野田さんのいい声を聞いていて、私の頭の中でふと一つの役が。ドゥーリトルおとっつぁん。いいかも。
 



ガブリエル・シャネル雑感A

 投稿者:  投稿日:2011年 5月24日(火)08時23分52秒
  相変わらず高橋恵子さんは妖艶で素敵でした。
そうそう、22日の回にマイクのトラブルが。
最初の登場シーンで(歌のところで)マイクの音が、聞こえたり、聞こえなかったり。
プツプツ途切れて、私が焦りました。
高橋さんは、気付いている筈なのに、特に慌てることもなく
いつものように、優雅に妖艶に最後まで唄い続けていらっしゃいました。
さすがプロですね〜。

私は…
「あれ?…あれ?…どうしちゃった?」
「誰か…っ」て言うより、名指しで「升さ〜ん」て思っていたみたい…(笑)
傍に寄っていって少しでも音を拾ってやって…という思いと、
「早く、なおれ、なおれ」と思っていました。
結局そのシーンの最後まで、なおる事はありませんでしたね。
升さんと高橋さんの顔を交互に見て、ハラハラドキドキしていました。

今回、新キャストで加入の岩崎大さん。頑張っていましたよ〜。
役柄のせいか「月の輝く夜に」で拝見した時よりも、若く感じました。
背が高く舞台栄えする方なので、軍服も、タキシード姿も、よく似合ってとっても素敵でした。

彩輝なおさん、華城季帆さんは、本当にかわいい。
宝塚の後輩なので、真央さんご自身は勿論なのでしょうが、
ファンである私にとっても特別の思いがあります。

なんかやっぱり、同じ舞台空間を持っているんですよね。
2幕の頭に3人で踊るシーンは立ち居振る舞いが本当に洗練されていて、
ちゃんと外人さんに見えるんです。
宝塚で培ってきたものが、時代や世代を超えても、
脈々と受け継がれているんだなぁ〜と今回はそんなことを特に感じました。

役としても、お二人とも、ガブリエルにとってかけがいのない存在なのが、
ちゃんと伝わってきます。お二人とも本当に上手い。愛おしいです。大好きです。



ガブリエル・シャネル雑感B

 投稿者:  投稿日:2011年 5月25日(水)09時11分51秒
  升さんのエチエンヌ・バルサンは、もう安心して観ていられますね。

男ぽい、力強さのある演技が、升さんの魅力の一つだと思いますが、
反面、ムーランのカフェで、エチエンヌが着ている軍服の仕立てに、
目を奪われているガブリエルに、チュッとしてしまうような、演技もできてしまう
キュートな魅力も持ち合わせていらっしゃるんですよね。

調香師のポー。研究に命をかけてる人って、いい意味でちょっと変なんですよね(笑)。
自分の中で(他人でも)譲れないようなこだわりを持っていらっしゃって、
それが他人から見ると、滑稽だったり。

だれも聞いてないのに、数種類の花のエキスの調合を語り始め、
話せば話すほど身体が流れて行って気付けば舞台の上手袖まで。
そんな研究者の滑稽さのキャラが、あの演技によって際立つ。
存在感。さすがですよね。

それなのに、みんな香りをかぐのに必死で、誰も聞いてないし(笑)。

ポーが何番がいい?と聞くと、
ガブリエルが思いっきりためて言う
「うーーーーーーーーん………5番!!!」に皆さんがズッコケて。
まるで吉本新喜劇みたい。高橋恵子さんまでズッコケてて嬉しい。
個人的には、みなさ〜んまだ手ぬるい。
もっとドドーンとコケなきゃ、なんて思ったりもしますが、
それが観たいなら、新喜劇観にいけば…ですよね(笑)。ごめんなさい。

毎回、来るぞ、来るぞ、と思いながらも、
笑わされている好きなシーンの一つです。



ガブリエル・シャネル雑感C

 投稿者:  投稿日:2011年 5月26日(木)00時29分41秒
編集済
  初演、再演、再々演と観て来て、

真央さんのガブリエルは、どの年代もそれぞれに魅力的だ。


叔母の家に預けられるも馴染めず、孤児院へ(12歳):可愛い〜

ムーランのカフェで働く、お針子時代(20歳):はじけてる〜

カンボン通りに小さな帽子屋「シャネル・モード」(26歳):お金に疎すぎやろ(笑)

アーサーに出資してもらい、ドーヴィルに避暑客相手のお店(31歳):サングラスが、かっこよすぎやろ

1919年、アーサー事故死の知らせ(36歳):あまりに突然すぎて同情します

傷心のガブリエル。イタリアへ旅行自分の愚かさに気付く(37歳):この衣裳が一番好き

従業員のストライキ。従業員を解雇(53歳):すごい迫力!!

店を閉めたあと、ホテルでの深い沈黙期間(61歳):一番シャネルぽい?

15年の沈黙を破ってパリでコレクションするも惨憺たる結果に(71歳)


別に順番を付ける必要もないのですが、どの年代が好きかと尋ねたら…チャンチャン。

それぞれに好きなのですが敢えて言わせてもらうなら…

私は、71歳のガブリエルが一番好きかもしれません。


大体、アドリエンヌ(彩輝なおさん)が孫をだしに、傷心のガブリエルの様子を見に来るところから、

私的には、もうシチュエーション的に堪らない。

下手な嘘をついてまで、自分を心配してくれるアドリエンヌの優しさを、充分、分かっているからこそ、

心配かけまいと、強がったり、おどけたり、いかにも元気そうに振舞うガブリエル。

でも、それが却って、孤独と焦燥を映し出し……悲しくて、切ない。

ガブリエルが、アドリエンヌから視線をそらすその時、ガブリエルの本心が垣間見えます。

悲しそうな目は宙を泳ぎ、唇はきつく結び、今にも泣き出しそうな表情に変わる。


アドリエンヌも、おどけた笑顔の奥に隠されたガブリエルの、孤独を敏感に感じ取って、

中々おいとまができずにいる。そんなグダグダしている様子に、ガブリエルが言う。

「はい。はい。もういいから。。。もう………仕事をさせて…」と

暗に「もう帰って」と、言われてしまいます。



ガブリエルは、そう言わざるを得ないほど、いたたまれなかったのだろうか。

それでも、何処までも優しいアドリエンヌ。

ガブリエルはいつだって、アドリエンヌに強がり言って、威張ってきたけど、

実は、泣き虫だったアドリエンヌの方が、大人で、強かった…って事なのかもしれません。

ガブリエルは、今までどれだけ、アドリエンヌに助けられ、精神的に頼っていたのか。


アドリエンヌが帰って、気を張っていたガブリエルも、

一人になった途端に、堰を切ったように涙がこぼれます。

孤独、挫折、焦燥、色んな気持ちが入り混じり

(亡霊と酷評されたり)弱気の虫を抑えられないガブリエル。


こんな時にこそ、励まして欲しいと思っているアーサー(今井翼さん)はもういない。

生涯で、ただ一人本気で愛したアーサーは、もうこの世にはいないのだ。

堰を切ったように涙が溢れるガブリエル。


でも、ここでへこたれないのが、ガブリエル・シャネル。


♪このトルソー♪ずっとそばにいた

♪失敗 それが何?大丈夫

♪もう一度、この手に、私のスタイル、今とりもどすの、それが使命、これが私♪


力強く唄ってエンディングとなるわけなのですが、

もう真央さんの圧倒的な演技と、存在感が、すごっ!すごっ!すごすぎる。


だから私はこの71歳の真央ガブリエルが一番好きです。

そう、そして、私の身体の血が動き出す瞬間です…。なんのこっちゃ。



ガブリエル・シャネル雑感D

 投稿者:  投稿日:2011年 5月27日(金)11時05分33秒
  今井翼さん。

初演の時から、正直ここまでできるとは…と驚かされたのですが、

今回、又更に2年の歳月を経て年を重ねたことにより、

大人の男性としての魅力も加わり、より魅力的なアーサー・カペル像を作り上げていらっしゃいました。

奔放なガブリエルを「ふわぁ」と包み込むような包容力を演じたかと思えば、

生い立ちのコンプレックスから、不本意な結婚を選ぶ苦悩も魅せる。


★自分も私生児だったことを、ガブリエルに告白。

★今一歩抜け出せないコンプレックス。

★これから社会でのし上って行く為には、由緒正しい血が必要で、

★(愛しているガブリエルではなく)男爵令嬢との結婚を選択などなど。


これは、ある意味、…というか完全に男のエゴですよね〜(笑)。

やきもちを妬いた、エチエンヌ(升毅さん)にも

「君にとってガブリエルは単なる情婦だろ?」と罵倒されているし。


普通の女性なら…ヒステリックに泣きわめき、アーサーの顔には引っ掻き傷、

それこそ血を見る騒ぎになってもおかしくないと、思うのですが(笑)…


ガブリエルは、悲しみに打ちひしがれながらも、それを許します。何故???


それは…


ガブリエルも又、私生児でありながら這い上がってきた働く女性だったからではないでしょうか。

時を超え、今尚、生きつづける、シャネル・モードの創設者、

つまり普通の女性じゃなかったって事なのかもしれません。


アーサーの気持ちを誰よりも理解し、2人は今まで以上に、深く深く結ばれ

感動の内に、1幕が幕となります。


いやぁ〜、ここの今井さんが、本当に素晴らしい。

真央さんとちゃんと互角にやり合います。

ここで、アーサーが弱いと、ガブリエルだけが、役の上で、突出してしまい、

全然良くないし、私たちも、感動もできないと思うんですよ。


決意した経緯、そうせざるを得なかった、アーサー・カペルの苦悩を、

今井さんは、見事に表現されていたと思います。

「ガブリエル助けてくれ」と懇願する演技は、説得力がありました。


本当に今井さん、見た目はまだ少年ぽさも残っていらっしゃるのに、

内面の男の色気もちゃんと持ちあわせているんですね。

声良し、姿良し、演技よし。です。

2幕の頭で唄う、ガブリエルへの想いの唄など、うっとりするような声はもちろん、

情感もちゃんと込めつつ、ガブリエルをずっと守っていく決意のようなものを感じました。

ここの真央さんガブリエルとの絵が最高に美しいです。


今井さんにはこれからミュージカルにどんどん進出していただきたいなと思いますね。

私は、今井さんはきっと、トップの役者さんになれる方だと思います。


今私の中で、今井さんで是非、観たい役があります。

真央さんの椿姫の相手役だった、アルマン・デュヴァル、ピッタリだと思いませんか?。

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今回も、事務所の、樋口綾ちゃん、石原絵理ちゃんが色んな役をされていて頼もしかったです。

泣いてばかりいる、イボンヌも、マヌカンのアリスも、良かった。

でも今回私が一番驚いたのが、樋口綾ちゃんの、
避暑地のシーンのメガネの看護婦さん(ソフィー・ネイジュ)。

前回までは藤山すみれさんが演じていらした、あの役です。

石原絵理ちゃんに比べて、少々大人しそうなイメージがあった
(絵理ちゃんごめんなさい)(笑)

綾ちゃんが、あんなに弾けた演技、コメデイセンスがあったなんて。

本当に驚きました。七面鳥の間の取り方が絶妙でした。

力をつけて来られて、お二人とも、これから益々楽しみな女優さんになられました。
それが本当に嬉しかった。