以前パソコンページのTopで投票フォームを設けていまして、
いくつかあるネタのうち、どれを読みたいかを投票してもらっていました。
その中で「甘える獄寺」という項目があったのですが、
投票コメントを拝見すると、どうにも私が考えてるのと
みなさんが期待してくださってるのとが食い違ってるようなので(笑)、
急遽、考えてたものより甘え獄寺度をアップしたものを考えてみました。
とりあえずまぁ、突発で考えたのでほんとにやおいかもしれない。
表に置いてていいのかちょっとギリギリラインですが、
よろしければどうぞ。
↓
↓
↓
オレ、沢田綱吉は現在大変困っていた。
というのは学校でいっぱい宿題が出たという訳ではなく、
むしろそれはもうとっくに片付いていて、
それを教えてくれていた大きな犬にじゃれつかれているから、だったりする。
「あの、獄寺君」
「何ですか、10代目?」
戻ってくる返事は耳のすぐ横から聞こえてきて、こそばゆい。
「ちょっと、離れない?」
「嫌です」
オレの腰に回された腕に手を添えて提案してみるも、即答で却下される。
嫌です、と言われてもこっちも嫌なのだ。
耳元で10代目と囁く声は普段の明るい声ではなくてベッドの中で囁かれる声で、
耳たぶを軽く噛まれたり、舐められたり、そういうことをされると体が熱くなってしまう。
「10代目・・・」
「っ、」
熱い吐息を耳に吹き込まれて体が震える。
オレの背中に密着した獄寺君にも、もちろん伝わっているだろう。
耳殻に舌を這わされて、ぴちゃぴちゃと水音が立つのがすごく恥ずかしい。
何だか、そういうことをしている気分になるからだ。
「獄寺君、やめて・・・」
体は獄寺君に羽交い絞めにされて身動きが取れないまま、耳を弄られ続ける。
そうだ。まさに羽交い絞めにされている状態だ。
オレの背中には獄寺君の胸があって、密着して抱きつかれている。
やめて欲しいのに体に力が入らなくて、逆に獄寺君の腕にしがみついて。
嫌がる声だって弱々しくて、自分でも誘ってるみたいに聞こえる。
今までも十分くっついていた体をさらに引き寄せられて、
耳の後ろをきつく吸われると力が抜けてふにゃふにゃになってしまう。
「10代目、10代目・・・」
「は、ぁ・・・」
ちゅっちゅっと音を立てながら耳に何度もキスをしてきて、頭の中がぼぅっとする。
普段よりも低い声に呼ばれて、気持ちよくなってしまう。
何でこんなことしてるんだっけ。
もうすぐ帰らなきゃいけない時間だなと思ってちらりと時計を見ると、獄寺君に捕まったんだ。
この腕の力がいつの間にか強くなっていて、正気のオレでもはがせない強さで。
最近なかなか獄寺君の部屋に来れなかったから、今日はもう少しだけ居ようかな、
とか思ってたらいつの間にかこんなことになっていて。
「10代目・・・」
腰に響く、なんてそんな感覚、これまで知らなかったのに。
獄寺君とそういうことをするようになってから、獄寺君の声には変な気分にさせられてばかりいる。
「10代目・・・」
耳の裏をべろりと大きく舐められて、肩がすくむ。
「ぁっ、もぅ、その声やだ・・・」
ぎゅぅ、と腕を強く掴んで、頭を振る。
耳から獄寺君の唇を遠ざけたくて、何も考えずにただただ首を振った。
やっと耳を離せたと思ったら、獄寺君の手にあごを固定されて動けなくなってしまう。
そこへまた獄寺君の唇が触れて、直接鼓膜を震わされた。
「オレの声嫌いですか?」
声と一緒に息も吹き込まれて、体がぞくぞくする。
嫌い?嫌いだったらこんなことにはならないよ。
頭の中も顔も体も全身が熱くて、たぶん赤くなってるだろう。
好きだから困るんだ。
くらくらする頭で何とか考えて、小さく声に出した。
「すき・・・」
それまでよりももっとオレを抱く腕に力を入れる。
「10代目、好きです」
獄寺君は一層声に熱をこめて囁いて、オレはもうどうにかなってしまいそうだ。
心臓が耳の近くにあるみたいにドクドクという音が聞こえる。
汗ばむ手のひらで腰に回る腕を掴み直して、はぁ、と大きく息を吐いた。
落ち着くためのそれが、自分の息の荒さと熱さを自覚する結果になって、余計に落ち着かない。
散々耳を弄った唇が首筋に移動して、ちょうど脈のあるところに唇を押し付けられる。
さっきよりも自分の脈が大きく感じられて変な気分だ。
そこを舐めたり柔らかく噛まれたり、じれったい刺激にそろそろ我慢できなくなってくる。
「っん、ごくでらくん・・・」
声をかけると首で動いていた顔を上げて、また耳元で囁かれる。
どうしたんですか、なんて、分かってて言ってるんだろ。
ふらふらする頭を動かして、何とか獄寺君の方を向いた。
睨みつけてやろうと思った獄寺君の顔はいつも通りのにこやかな笑顔で、恐ろしいことを言ってきた。
「ね、10代目。触らないでイってみます?」
それってもしかして、と嫌な予感が駆け抜けているうちに
腰をしっかり拘束していた腕を上げてきて、胸の辺りをまさぐられた。
トレーナーの上から的確に突起を見つけ出して、ゆるゆるとなでられる。
分厚い生地ごしの刺激はもどかしくて、もっと触って欲しくて胸を突き出してしまう。
「気持ちいいですか?」
こんな時に普段の無邪気な声で聞かれて、自分だけが変なんだって思えてくる。
決して強くはない刺激だけど、布が擦れる感触が気持ちよくてもっと、とねだってしまう。
「かわいい、10代目・・・」
耳を弄る唇はそのままに、服の上から刺激していた指を裾から中に潜らせてきた。
そのままシャツやトレーナーを脱がせるみたいに持ち上げられて、
部屋の空気が火照った体に直接当たって、体が震えた。
だけどそれも一瞬で、直接指で突起をいじられることでさらに体が熱くなる。
押しつぶしたり、摘まれたり、引っかかれたり、そのたびにオレは恥ずかしい声を出す羽目になる。
恥ずかしくて嫌なのに、声を我慢することができない。
「っん、ふ・・・ぅん、」
びくびくと体が跳ねて、絶頂が近づく。
そこには触られてないのに、それどころかまだ外にも出していないのに。
このまま達しては大変なことになる、頭の隅っこで何とかそう思うものの、
力の入らない体では獄寺君の手を止めることも、自分でズボンをくつろげることすら難しい。
「はっ、ごくでらく、でちゃうっ」
荒い息の合間に何とか声を出したのに、獄寺君はにっこり笑うだけ。
硬い爪で弾かれて、それからぎゅう、ときつく摘まれるともう駄目だった。
頭の中では我慢しなきゃって思うのに、散々刺激された体は我慢なんてできなくて。
びくびくと体を震わせながら下着とズボンを濡らしてしまった。
「っあ、ぁアっ・・・!」
はぁ、はぁ、と大きく息をして体を落ち着かせてから、獄寺君を睨みつけた。
「どうするんだよ獄寺君!ぬ、濡らしちゃったじゃないか!!」
恨みがましく口に出すことも恥ずかしいことを怒鳴りつけると、
獄寺君はしゅんとなるどころかにこにこと嬉しそうに笑っている。
「はい、責任を持って俺が洗濯させて頂きます!」
「・・・はい?」
「だから10代目、服が乾くまで帰らないでくださいね!」
「・・・もしかして獄寺君の狙いってそれだったの?」
「狙いっていうより、願いですね」
はぁあああ、と大きくため息をついて目を閉じる。
何だって獄寺君はこう、考え方が飛躍してるんだろうか。
「あのさぁ、こんなことしなくても言ってくれればもう少し帰るの後にするよ?」
「そんな、オレのわがままを通すわけにはいきません!」
・・・だからって、強行突破されても困る。
頭の中がどきどきからずきずきに変わる。
嬉しそうな獄寺君を見ると、強く怒れないオレも悪いんだけど。
結局はオレだって、もう少し獄寺君と一緒にいたいなぁなんて思ってるから救いようがない。
「じゃあ獄寺君、オレのわがまま聞いてくれる?」
「もちろんです、10代目!」
「オレと一緒にいたいって思ってくれてるのなら、言葉で言って欲しいなぁ。
態度で示してくれるのも嬉しいけど、オレの好きな君の声で言って?」
「じゅ、10代目〜〜〜!!!」
もとから密着してた体をさらに寄せて、俺の胸元に顔を埋めてくる。
ぅ、髪の毛がむずむずするけど言うともっと酷いことになりそう・・・。
「どう?言ってくれる?」
「もちろんです!ちゃんと言います!!!」
聞き分けのいい獄寺君を満足に眺めつつ、さて早く洗濯して帰らないといけないな、なんて思ってるオレは、
次から獄寺君の部屋に来るたびに帰らないでくださいと泣きつかれてしまうことなど微塵も思っていなかったのだ。
End
................
耳をいじられて興奮しちゃうツナを書きたかったんですけどね。
そこだけ書いても本気で山なし落ちなし意味なしなので、
ちょこっと獄寺のおもむくまま書き殴り。
あれこれ微妙に鬼畜なのだろうか。まだ甘いよな。
よっぽど私ヒバリさんに刺激されちゃったのかな、などと思いつつ。
まぁ、そんな感じです。
(2005.03.09)
文章目次
戻る