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光 [本文サンプル]
リボーンがオレの前に現れたのは中学一年の夏。勉強も運動も苦手な、人よりちょっとだめなだけの普通の中学生だったオレをマフィアのボスにするために、家庭教師を名乗る赤ん坊がやってきた。考えたこともなかった。ごくごく普通の平和な日本の家庭に育ったオレが、イタリアマフィアのボスだなんて。人の輪からはみ出していたオレが、組織のリーダーになるだなんて、誰が想像しただろう。誰も考えないし、そんな話を聞いたとしても「なにをバカなこと言ってるんだ」って相手にもしないだろう。実際オレだってそうだった。
けれどオレの考えなんて置き去りに、次から次へと人が集まるようになってきた。家庭教師兼凄腕のヒットマンをはじめ、イタリアのマフィアだったり、暗殺部隊だったり、隣町の脱獄囚だったり、それはとても物騒なヤツらだったけど、それだけじゃなくて、自分の日常の中にも変化は現れた。はみ出しものだったオレが、学校の中でも人と話すことが増えてきた。人と過ごすことが増えてきた。友達と、仲間と、恋人と呼べる人と。
人と一緒に過ごすことで、それまで目を逸らしていた部分、相手が何を考えているかが見えるようになってきた。人には譲れない何かがあり、その何かのために戦っている。人々が衝突するのは、それぞれに大切なものがあるからだ。それは自分の信念であったり、自分自身であったり、組織や仲間、友達、家族、大切な人だったりする。
非日常が日常になり、戦うことから逃れられなくなる中で、オレはオレの大切な人たちを守るために戦うと決めた。
高校を卒業すればイタリアで9代目の下に付いてボスの仕事を引き継ぐことになる。9代目は引退の準備を進め、オレが来るのを待っているそうだ。引き継ぎを終えるまでは9代目がボスとして残ってくれるけれど、実質はオレがボスとして動くことになる。イタリアへ渡ってしまえばもう逃げられない。とはいえ、今更逃げようという気にもならないけれど。諦めというわけではなく、ただ事実として、ボンゴレファミリーのボスになるということを受け入れた。
本文5〜6ページあたり。
こんな風に淡々とした口調で進んでいきます。
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