"―もはやこれは本物だ―飲み込まれる運転臨場感"
2016年、バンダイナムコエンターテインメントから登場した鉄道運転シミュレーター。
同社の期間限定イベント「VR ZONE-project i can-」で公開された、バーチャルリアリティ(VR)の研究用筐体の一つである。
(2016年4月15日〜10月10日まで)
制作は鉄道経営シミュレーション「A列車で行こうシリーズ」で著名な、アートディンク・スタジオアートディンクも関わる。
首都・東京を支える重要な鉄道路線の一つ、JR東日本が運営する山手線を走行する運転シミュレーターである。
運転する車両は、最新型の同路線専用車であるE235系電車がモデルになっている。
運転台は左手側にワンハンドル式マスターコントローラー(マスコン)、右手側にもハンドルがあるが固定されている。
足元には警笛ペダルがあり、踏むと警笛が鳴る。使用するか否かはシミュレーションに影響は無い。
筐体には計器類は一切装備されていないが、VRゴーグルを装着すると運転台を含む全景と、自分の両腕が表示される。
速度・次駅までの距離・残り時間などのインフォメーションは、運転台前面ガラスに投影されている。
他社の同様のゲームと大幅に異なり、前方の視界のみならず、横を向けばホームで電車を待つ人々、
後ろを振り向けば運転室越しに乗客の姿が見える。
VRゴーグルによって360度もの自由な視界と、駅・車内のアナウンスなどが流れるヘッドホン、
車両の加減速・レールの継ぎ目等、車両の挙動に合わせて可動する座席裏の油圧式シリンダーと合わせて、
業務用シミュレーターでも味わえない様な、リアルな運転体験が可能となった。
運転区間は、JR山手線・東京〜有楽町〜新橋の3駅間。(内回り・外回り)
ミッションは難易度に応じて全5コース。
VRゴーグルを装着したまま、好みのコースを視線移動で選択する。
発車の合図に従い、マスコンのボタンを押したまま手前に倒すと電車が動き出す。
信号や速度制限に注意を払いながら、ある程度加速してからマスコンの位置をN(ニュートラル・惰性走行)にする。
(モーターの電力を切って、電車の惰性のみで走行する状態。)
マスコンをN(力行)の位置から奥に倒すとブレーキが掛かる。奥へ倒すほど強く減速する。
急減速は乗客への大きな負担となり、体験終了後の評価に影響する。
以上の操作を駆使してダイヤの遅れを回復しつつ、定刻で次駅へ到着するのが目的である。
体験終了後、運転内容に応じた評価が表示される。(最高ランクは「匠」)
【参考資料】
バンダイナムコエンターテインメント「VR ZONE-project i can-」公式サイト
(https://project-ican.com/)
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