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大阪都

「特定秘密保護法案」を考える為に

平成251130

「特定秘密保護法案」を考える為に

このところ毎日のように「特定秘密保護法案」について報道されています。

この法案自体の全文を読んでいないので、何処に問題があるのかをキチンと検証することは出来ませんが、色々なマスコミの論評や評論家の意見を聞いていると、このままでは将来に禍根を残すことになりそうです。

 

先日、TV番組で「ツワネ原則」について解説していました。

早速ネットで検索しましたところ別紙の“概要”が出てきました。

世界70カ国以上の専門家500人以上が2年間、計14回の会議を経て作成された「ツワネ原則」は、今国会で審議されている「特定秘密保護法案」を検証する基準にするにふさわしいものと言えるのではないでしょうか。

「ツワネ原則」を基準として「特定秘密保護法案」を見ると、確かに不明な点、大きく外れている点があるように見えます。

 

近く取り上げられるであろう「憲法改正」や将来の日本の方向にも大きな影響を与える可能性がある「特定秘密保護法案」について、皆様の一人一人が考える為の参考になればと思います。


ツワネ原則

 

20136月に南アフリカ共和国の首都・ツワネで示された。この原則は、アメリカの財団(Open Society Justice Initiative)の呼び掛けの下、国際連合、人及び人民の権利に関するアフリカ委員会、米州機構、欧州安全保障協力機構の特別報告者を含む、世界70か国以上の500人以上の専門家により、計14回の会議を経て作成された。

ツワネ原則は、国家安全保障への脅威から人々を保護するための合理的な措置を危険にさらすことなく、政府の情報への公的アクセスをどう保障するかという問題に対して、関連法令の起草に関わる人々への指針を提供するために作成され、秘密保全の適正な限界、内部告発者の役割、その他の諸問題についての詳細なガイドラインを示しており、国家安全保障と国民の情報へのアクセスを検討するに当たっての視点として参考となる。

 

 

概要

 

(1)情報アクセス権とその制限

誰もが公的機関の情報にアクセスする権利を有しており、その権利を制限する正当性を証明するのは政府の責務である(原則1, 4)。

政府は、防衛計画、兵器開発、諜報機関により使用される作戦・情報源等の限られた範囲で合法的に情報を制限することができる(原則9)。

 

(2)公開により得られる公益の高い情報

政府は、国際人権法及び国際人道法の違反についての情報は決して制限してはならない。

この情報には、前政権の過去の違反についての情報及び現政府の関係者又は他者により犯された違反についての情報も含まれる。また、この情報には、違反が明らかな場合のみならず違反が疑われるような場合に、真実を明らかにするための情報も含まれる(原則10A)。

公衆に対する監視システムと監視の実施のための許可手続について、公衆は知る権利を有する。違法な監視の事実は、監視対象となった者のプライバシー権を侵害しない限り開示されるべきである(原則10E)。

安全保障部門や諜報機関を含めたいかなる政府機関も情報公開の必要性から免除されない。公衆は、全ての安全保障部門・機関の存在、それらを統制する法律及び規則、それらの予算についても知る権利を有する(原則5, 10C)。

 

(3)秘密指定と指定解除のためのルール

情報は、必要な期間にのみ限定して秘密指定されるべきであり、決して無期限であってはならない。政府が秘密指定を許される最長期間を法律で定めるべきである(原則 16)。

秘密解除を請求するための手続が明確に定められるべきである。その際、公益に関する情報を優先的に秘密解除する手続も定められるべきである(原則17)。

 

(4)裁判手続の公開

裁判手続の公開は不可欠である。裁判手続の公開という基本的権利の侵害のために、国家安全保障が発動されてはならない。公衆には裁判手続の公開の制限に対して異議を唱える機会が認められるべきである(原則28)。

刑事裁判において、公平な裁判を実現するために、公的機関は、被告人及びその弁護人に対して、秘密情報であっても公益に資すると思慮する場合は、その情報を開示すべきである。公的機関が公平な裁判に欠かせない情報の開示拒否をした場合、裁判所は、訴追を延期又は却下すべきである(原則29)。

民事裁判において、人権を侵害された者がその侵害行為への救済策を請求し又は入手することを阻害するような国家秘密等を、政府が秘密のままにすることは許されない(原則30)。

 

(5)監視機関

安全保障部門には独立した監視機関が設けられるべきである。監視機関は、実効的な監視を行うために必要な全ての情報に対してアクセスできるようにすべきである(原則 6, 31-33)。

 

(6)内部告発者の保護と情報漏えい者に対する訴追

内部告発者は、明らかにされた情報による公益が、秘密保持による公益を上回る場合には、報復を受けるべきではない。しかし、効果的な公的な不服申立て制度があるときは、内部告発者は、最初に、公的な不服申立て制度によりその問題を伝える努力をすべきである(原則40, 41, 43)。

情報漏えい者に対する刑事訴追は、明らかになった情報により生じる公益より、現実的で確認可能な重大な損害を引き起こす危険性が大きい場合に限って検討されるべきである(原則43, 46)。

公務員でない者は、秘密情報の受取、保持若しくは公衆への公開により、又は秘密情報の探索、アクセスに関する共謀その他の罪により訴追されるべきではない(原則 47)。また、公務員でない者は、情報流出の調査において、秘密の情報源やその他の非公開情報を明らかすることを強制されるべきではない(原則48)。