米国自動車補修市場視察
阪神自動車用品(株) 河上 稔夫
秋も深まり、青経会会員の皆様のますますご清栄のことと存じます。
規制緩和による車両法の改正、車検制度の、見直し、日米包括協議、等々に伴う
流通形態の激変、まさに時代の流れは激流にごとく我々自動車補修市場を容赦
なく襲ってきている。
この度の米国視察の目的は、すでに7年余りまえからその様な諸問題を消化しながら現在に至っている米国の自動車補修市場に将来の日本市場の有り様を模索できればとの想いから決行に至りました。我々の同志である青経会の仲間と行動を共にさせて頂けたことを心から感謝します。
さて、実際に現地視察してみますと今まで新聞、コンサルタントの講演、国内各地のイベント等々から、推測、予測(想像)していたより、遥かに成熟した車社会がそこには有りました。国民性とか地理的環境、あるいはスケールの違いで参考程度にしかならない様に聞かされていましたが、人間の欲望は普遍のものであるという観点にたって観察しますと、いずれ遅かれ早かれ現在の米国補修市場の流通形態と同様のプロセスを予測(実感)せざるを得ないと痛感させられ、現在の国内市場、特に我々の身近なお得意先である整備工場様と共に我々部品商がこのサバイバルに勝ち残る為には業態変化(改革)は必至で、現状の延長線上で今まで同様ただひたすらに一生懸命だけでは食えない時期が目の前に差し迫っていることを痛感せざるを得ない。
現に昨今、国内ではカーメーカー主導のPITWORK, JAME ’S の全国展開、石油販売資本のフランチャイズによる整備事業を売り物にした大型店舗展開、はてまたオートバックス、イエローハット、の更なる業態拡充、ユーザー車検の充実成長、どれを見ても過去には無かった業態が現実にものすごい勢いで展開されていますが、米国ではすでにその様な過程を通り越し、更なる業態再編に向かって新たな組織作りが展開されており、確実に消費者(エンドユーザー)の選択決定に応えるべく業態でなければこのサバイバルには生き残れない現実があった。
しかし、憂いにあらず、幸か不幸か我々の業界は今までさほど厳しい企業努力を実施してきた訳でなく、この正念場を自覚し各人各人の努力次第で難関は、必ず突破できるものと期待します。
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