『2つの発問で組み立てる授業』


「教材研究の時間がない」

 そんな声をよく聞きます。
 そういう私も、明日の授業の準備が間に合わず、頭を抱えたことが何度もあります。
「明日の社会の授業どうしよう」
 いつのまにか新しい単元に突入。まだ教科書も読んでないのに。
でも明日になり、時間がたてば、いやがおうでも授業が始まってしまいます。
 それでも、教科書を読み、指導書を読み、教育書やホームページの実践を探し、
「この発問いいなぁ、でも、あの子らに答え られるのかな」
と迷いながらも、時間切れで授業開始。
 いざ発問してみても、ポツポツと手があがるだけで、書かれてあった授業記録のようには全然いかない。
(おれって、教師としてダメなのかな。)と、何度も、弱気になったものです。

 でも授業づくりは、実は簡単だったのです。
 最近、そのことに気付くことができました。

 次の三つをすれば、ほとんどの授業は組み立てることができます。

1 マルチ発問を作る。
2 セレクト発問を作る。
3 マルチ発問とセレクト発問を組み合わせて授業する。
(マルチとかセレクトとか、何のこと?)
(マルチ商法と関係あるの?)
 いえいえ、マルチというのは、「多数の」「複数の」という意味で使います。
 セレクトは、「選別」という意味です。
 簡単に言うと、多様な答えを導き出すのがマルチ発問で、授業のねらいにそった答えを選択させ導くのがセレクト発問です。

 私が、この二つの発問の原型に出会ったのは、20年以上前のことです。
 千葉の根本正雄氏が『楽しい学習活動のさせ方』(明治図書)の中で、初めて定義された発問です。
拡散的発問・集中的発問と命名されていました。
 この2つの発問、知ってはいても、今まで使いこなすことができませんでした。
 なぜなら、発問だけあっても、1時間の授業としては組み立てられないからです。
(屋根だけドアだけ窓だけあっても、それを組み立てないと、人の住める家にはなりません。)
(なに当たり前のこと言ってるんだ)と思われたかもしれません。
 そう当たり前のことなのです。
 教室には、現実の子どもがいて、発問すれば、それぞれちがった反応を返してきます。
 発問しっぱなしで授業が進むわけではありません。発問で出てきた考えや意見をどうさばくかも必要になってきます。
 いくら発問がよくて授業が盛り上がっても、子どもの中に何も残らなければ、教えた意味はありません。
 子どもの学力を高める。そしてさらに、子どもを人間的に成長させる。
 そういう視点をもって、発問を活かしていかなければいけないのです。

 この本を読むことで、子どもの学力を高める授業をあなた自身の手で組み立てることができるようになります。それは、教師としての一生の財産となるでしょう。
                荒井賢一著『2つの発問で組み立てる授業』(フォーラム・A)「はじめに」より

定価 1365円(税込み)
発売中

ヤフーブックス


そうそう、目次を紹介するのを忘れていました。
STEP1 全員が発言できる「マルチ発問」
1 クラス全員ができる授業を
2 スモールステップで授業をつかむ
3 みんな発言できる魔法の発問
4 だれでも作れるマルチ発問の実例と分析
5 量から質へせまるマルチ発問
6 「教えたこと=学んだこと」理想の公式
7 マルチ発問をサポートする教育技術
8 学級のまとまりも強くする発問・授業
9 マルチ発問で学習能力を高め
        学習規律をきたえる方法
10 マルチ発問の限界と可能性
STEP2 子どもを伸ばす「セレクト発問」
1 ピントをしぼって学力アップの授業へ
2 迷うことからこそ生まれる学び
3 授業のねらいにせまる究極の発問
4 だれでも作れるセレクト発問の実例と分析
5 熱い討論授業を支えるのは「理由」
6 授業のねらいからさらに深く学ぶために
7 セレクト発問をサポートする教育技術
8 教師の立場を強める発問・授業
9 より学習能力を高め
        学習規律をきたえる方法
10 セレクト発問の限界と可能性
STEP3 2つの発問で組み立てる学力を高める授業
1 授業をもつれさせない“発問の心得”
2 授業を支える土台“ノート指導”
3 発問レベルアップ! マルチ→セレクトへ
4 すぐれた授業の共通点から学ぶ発問のノウハウ
5 感動を生み出す授業の組み立て方
6 豊かな交流を生み出す授業の組み立て方

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