ピピピピピ・・・
軽い電子音が部屋の中に響く。
布団の外で光っている携帯電話だ。
10代目が気を失っている間に日の出の時間を調べて、
30分前に鳴るようにアラームを仕掛けておいた。
といってもテレビ欄と一緒に
「1月1日の日の出は6時54分です」と書かれたメモが置いてあった。
つくずくマメな旅館だ。
「はっ、10代目・・・もうすぐ日の出ですよ。急ぎましょうね・・・」
「ぁ、あ・・・!」
腰の動きを速くすると、10代目の声が大きくなる。
あの後2回立て続けに交わって、気を失った10代目を少し休ませた後、
しばらくしてから10代目の乱れた寝姿に我慢できなくなって、
10代目を起こしてまたしてる。
すでに10代目はどこを触ってもびくつくほどに敏感で、
本当ならもう少し手放したくないけれど仕方がない。
終わらせるために腰の動きを大きくする。
めくりあげた浴衣から突き出た尻を掴んで揉みながらペニスを出し入れする。
帯を抜かれてひっかけただけの浴衣は、四つん這いになった10代目の体をカーテンのように覆い隠す。
その下では10代目のペニスがひくひくと震えて開放を求めているだろう。
片方の手を尻から離し、浴衣を持ち上げて10代目の体の下に伸ばした。
散々搾り出して精液の残っていない10代目の性器は、それでもけなげに立ち上がっている。
それをゆっくりと擦り上げながら腰も大きく抜き差しする。
「あ、も・・・やめ・・・」
感じすぎて苦しいのか、10代目は体を震わせながら懇願する。
でもここでやめても辛いのだから、最後まで導いて差し上げなくては。
「もうちょっとです、10代目」
体を倒して耳元で囁く。
その拍子に奥まで届いたペニスを、ぎゅっと噛み締められる。
さすがにオレも我慢できなくなり、腰の動きをさらに激しくした。
「っん、ぁ、あ・・・!」
ひくひくと入り口が収縮し、限界が近いことを教えてくれる。
狭くなるその中を無理やり蹂躙して快感を追った。
すでに手で体を支えることができなくなった10代目は、肩で体を支えている。
自由な手を伸ばし、ペニスに添えたオレの手をかりかりと引っかいた。
これ以上弄るとと苦しいのかもしれない。
現に10代目は今、ペニスへの刺激よりもアナルへの刺激で感じているみたいで。
それに気付いたオレは手でペニスを包むだけにして、後ろで感じさせることに専念する。
やわらかい尻から手を離し、腰に添える。
そして動かないように押さえると、何度もペニスを押し込んだ。
先端で前立腺を刺激するように、浅い位置でスライドさせる。
そのたびに手に包んだ10代目のペニスがひくひくと震えて射精を訴える。
浅かった挿入を一変して深いものにし、思い切り奥を突くように腰を動かした。
その瞬間、びくんと体を大きく痙攣させて、10代目が達する。
オレの手にごく少量の精液を吐き出して、布団の上に倒れこんだ。
その後崩れ落ちた10代目の中を何度か行き来して、奥まで到達したところでオレも射精した。
「あー・・・」
やばい、やりすぎたか。
また気を失ってしまった10代目を見て、しまったと頭を押さえる。
これから初日の出を見ようっていうのに気絶させてしまってどうするんだ。
うつぶせのまま倒れた10代目をひっくり返す。
「じゅうだいめ〜〜」
頬を軽く叩きながら、自分でも情けないと思う声で10代目を呼んだ。
なんとか意識を戻した10代目に起きててくださいね、と言ってから、タオルを用意して寝室に戻る。
10代目は起きてはいるが、ぼんやりしていた。
手足を力なく広げて布団の上にいると、またむらむらとこみ上げてくるものがあるが、
それをぐっと我慢して、10代目に近づく。
「10代目、起き上がれます?」
「無理」
ちらりとこちらに目を向けて、気だるそうに、それでも即答される。
さすがに無理させた自覚があるので、背中に手を入れてゆっくりと起き上がらせた。
すでに腕だけしか通っていない浴衣を腕から抜き取る。
それは汗やら精液やらゼリーやら、いろいろな液体でぐちゃぐちゃになっていた。
まぁ、これだけ配慮の行き届いた旅館だから、
綺麗にクリーニングするなり処分するなり、いいようにするだろう。
そんなことを考えている間に初日の出まで5分を切った。
「10代目、タオル持てますか?」
「んー」
一応持てるらしく、オレの差し出すタオルを両手で受け取る。
それを確認してから、和室から露天風呂に出る大きな窓を開く。
また寝室に戻り、座ったままの10代目の向かいにひざをつき、
背中に手を添え、足の下に手を入れてそのまま立ち上がる。
「っ!」
「じっとしててくださいよ」
10代目がランボを持ち上げるような形で10代目を持ち上げて、
そのままゆっくりと露天風呂に出る。
外に出た瞬間、ひやりとした空気に触れる。
急いで、慎重に、石畳を踏みしめて歩を進めた。
ゆっくりと露天風呂の中に入り、10代目を座らせるようにして下ろす。
「ありがとう、獄寺君」
「いえ、オレが無理させたせいですし・・・」
10代目の隣に座りながら答える。
あたたかな湯に浸かりながら前を見ると、
遠くに見える富士山の向こうが明るく光っている。
「あ・・・」
10代目が小さく呟くと、それまでよりもまぶしい光が山の向こうから現れる。
「きれいだね」
「そうですね・・・」
普段は何とも思わないのに、少し感動してしまうのは何故だろう。
正月の朝日だから?日本一の山から上る朝日だから?
たぶんそのどちらでもなく、10代目と一緒に見る朝日だからだ。
オレが嬉しいのも、悲しいのも、感動するのも、全部10代目と一緒にいるからだ。
10代目と一緒にいるだけで、素直な感情を表に出せる。
オレにとって10代目はなくてはならない人だ。
ゆっくりと上ってくる朝日から隣に座る10代目に視線を移し、話しかける。
「10代目、これからもずっとお側にいさせてくださいね」
朝日を見ていた10代目は、ゆっくりとオレを見上げ、微笑んでくれる。
「獄寺君だって、オレから離れたら嫌だからね」
「そんなこと、絶対にしません」
今のオレが、10代目と離れて生きていけるわけがない。
たぶんそれもちゃんと分かっての言葉だろうけど、きちんと言葉にして言う。
そうすると10代目が嬉しそうに笑って口を開く。
「ずっと側にいてね」
そう言われて少し驚いた。
いつもはオレが同じ質問をしても、「うん」と恥ずかしそうに相槌を打つだけだったのだ。
それだけでももちろん嬉しかったけど、今はそれをちゃんと言葉にして伝えてくれた。
「はい、もちろんです」
オレはそのことにとても感激して、体の間に置かれた手に手を重ねた。
元旦とか初日の出とか、そういったものがオレに味方してくれたのだろうか。
嬉しくて顔が緩むのを抑えられない。
「あ、そうだ」
「何です?」
苦心して締まりのある顔を作っている横で、
10代目はまたオレを見上げてにこりと笑う。
「今年もよろしくお願いします」
「こちらこそ、今年もよろしくお願いします」
温泉であたたかくなった手を握り合い、昇っていく朝日を眺める。
富士山から半分顔を出した朝日に照らされながら二人で笑い合った。
End
................
お、お疲れ様でした・・・。
自分でもびっくりするくらい長いです。恐ろしい。
色々と書いてる途中には思うところがあったのですが。
とりあえず獄寺は、ぷっつりいくとツナを気遣う余裕がない。
それよりも自分の欲望に負けるっていうか。
そんな男ですよ。うちのは。
ところで子ども二人で旅館なんて泊まれるんだろうか・・・?
家族旅行にして二部屋取るとかにすればよかったかな。
あ、でも一部屋とって、ふすまを隔てて、もいいな。
「聞こえちゃいますよ」
ってのにすればよかったかもしれない・・・。(そういうの大好き)
まぁでも、そう言う余裕もないんですけどね、獄寺が。(笑)
もちろんですが、この旅館は架空のものであります。
でも静岡でかにの食べれる宿ってあるみたいだから、大丈夫だろう。
お土産屋さんの陶器の名前を考えるのにも時間かかったな。
ネットでめちゃくちゃ調べました。(笑)
一応思ってたもの全部詰め込んで、私的にはとても満足しております。
ただひとつ、これを29日から書き始めて4日まで、
思いっきり煩悩年越し、煩悩正月を過ごしたことが、
今年一年の全てになりはしないかと心配しております。
長々とお付き合いありがとうございました!
コメントレス
【-│05/11/19 21:38:31】
≫ちょっと(というかかなり)ありえない設定かもしれないのですが、
2人きりで(なくてもいいですけれども笑)温泉旅行に行く話とかみてみたいです。
お忙しい中、このような素敵な企画がはじまって、とても嬉しく思っております。
これからも頑張って下さい。陰ながら応援しております。
リクエスト+コメント、ありがとうございます。
温泉旅行、ちょうどこの季節にいいなぁと思い、
お正月もののネタとして使わせていただきました。
とはいえ異様に長くなり、時期も微妙に逸してしまいましたが・・・。
少しでもお気に召して頂けたら良いのですが。
そしてお気遣いと応援、ありがとうございます。
ゆっくりと他のものにも手を付けていきますので、
そちらの方もまたご覧いただけたらなと思います。
(2007.02.08)
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