「・・・脱がせ、て・・・」
弱々しい返事に、何故か満足できない。
もっと声が聞きたくて、オレを求めて欲しくて。
布越しのペニスの先端を舌で刺激して、裏筋に指を這わせ、言葉を重ねた。
「誰に、脱がせて欲しいんです?」
「あっん・・・獄寺君に、脱がせて欲し・・・」
よくできました、の代わりに先端に音を立ててキスをし、下着を一気に膝まで下ろした。
顔を出したペニスに性急に舌を這わせる。
全体を口に含んで、根元の袋を手で転がした。
10代目の精液とオレの唾液が混ざり合って口の中に広がる。
じゅるじゅると大きな水音をさせて飲み込むと、10代目の声が大きくなった。
「あ、も・・・離してっ・・・」
その言葉に構わず、顔を前後させてさらに刺激を送る。
10代目の腹筋がびくびくと痙攣するのが腹に添えた手に伝わってきた。
「やぁ・・・出ちゃうからっ、離してぇ・・・」
口を離さずに思い切り先端を吸うと、10代目は大きく痙攣してから、吐精した。
残りの精液を吸い出してから口を離し、右手に吐き出した。
舌を出して口元についた精液を舐め取り、立ち上がって涙で濡れた顔にキスをする。
「っく・・・離してって、言ったのに」
「すみません」
少し困った顔をして、それでも笑って言う。
屋外で潤滑油の代わりになるものといえばこれくらいしか思い浮かばず、
だからといって正直に10代目に告げても余計嫌がるだけだろうから、何も言えなかった。
・・・たぶん、すぐにバレてしまうだろうけど。
汗で張り付いた前髪を掻き上げて、現れた額にキスを落とす。
「後ろを向いて頂けますか」
「・・・」
「10代目の背中を傷つけたくはありませんので・・・お願いします」
じっ、と下から睨みつけるようにした後、無言で後ろを向いてくれた。
睨んだ目が潤んでいたのと、顔が赤くなっていたので、照れ隠しに睨んでいるのはすぐに分かる。
耳の後ろを舐め上げて、そっと囁く。
「ありがとうございます」
びくりと跳ねた肩に唇を落とし、左手で浴衣をめくり上げる。
「少し冷たいかもしれませんが、我慢して下さいね」
布が落ちてこないように腰の上でひとまとめにして、右手をあらわになった秘所へと近づける。
夜の空気に冷えてしまった精液が火照った体に触れて、10代目の体がびくりと震える。
「っ・・・」
それでもオレの言葉に従って我慢して下さる姿に嬉しく思いつつ、さらに精液を塗りこめる。
入り口をどろどろにして、濡れた指先を中へと滑り込ませる。
10代目が息を呑む気配と指を締め付ける感触に、無理をさせているのを自覚しながら、それでも指を動かす。
はじめのうちは浅い場所でぐるりと指を回して少しずつ広げていく。
だんだんと力が抜けてきたら、少し指を進めて、また広げて。
ゆっくり時間をかけながら10代目の中をオレの指で侵食していく。
中指がスムーズに出し入れできるようになったので、今度は人差し指を添えて。
指が増えるとまた急に窮屈になってしまったけれど、ゆるゆると動かすうちに中がその太さに慣れて来たようだ。
二本の指で穴を広げるようにして、できた空洞に薬指を押し込む。
「んっ、あっ・・・!」
今まで声を出さないように口をつぐんでいた10代目が急に高い声をあげた。
どうやら押し入れた指がいい所に当たったようだ。
入れた指を今度は逆にゆっくりと引き抜く。
内壁の少し膨らんだところに指が当たった瞬間、10代目の腰が振れる。
反応があった場所を重点的に刺激すると、声をあげてびくびくと震えだした。
「は、ぁっ・・あぁ・・・」
「10代目、ココ、気持ちイイですか・・・?」
ぐりぐりと指を押し付けると、ぎゅう、と指を締め付ける力が強くなる。
締め付けに逆らうように指を動かして内壁をこする。
指に伝わる感触で、聞かなくても分かることだけど、10代目の言葉が聞きたくて質問を重ねた。
「どうですか・・言って下さらないと、分からないですよ・・・」
自分の息が荒くなっているのが分かった。
それを隠さずに耳元に熱く吹き込む。
「ぅ、んっ・・気持ち、い・・・っ・・」
オレ以上に荒くなっている息の合間に、応えて下さるのが愛しくて。
片手で10代目の体を抱きこんだ。
汗でしっとりと濡れるうなじに唇を寄せて、舌を這わせる。
「・・っは、ご・・くでらくんっ、」
「はい・・・何でしょう」
10代目の言葉の邪魔をしないように、動かしていた手を止めた。
無意識に振れる10代目の腰に内心ほくそえみつつ、耳を傾ける。
「も・・・大丈夫、だからっ」
「・・・だから?」
仰りたいことは、何となく分かった。
言葉を最後まで引き出すように、10代目の体内に入れたままになっている指をゆっくりと動かす。
「ぁ・・・ねぇ、も・・・ごくでらくんの、いれてぇ・・・」
早い呼吸の下で、舌っ足らずな口調で言われて、下半身に熱が集中するのを感じる。
分かりました、と口早に囁いて、ズボンの前をくつろげる。
カチャカチャというベルトの音がやけに耳につく。
濡れていない左手を使っているので思った以上に時間がかかり、気ばかりがはやる。
10代目の痴態に十分勃ちあがった勃起にゴムをかぶせて、右手に残るぬめりをなすりつけた。
「はっ・・・10代目、力抜いて下さいね・・」
ずり落ちてきた浴衣をもう一度腰の上にまとめて、ペニスの先端で秘所をつつく。
少し抵抗を感じたので前に手を回し、10代目のペニスを握る。
そちらに気を取られて後ろが緩んだところで、ゆっくりと腰を押し進めた。
「ぁ、あああぁぁっ・・・!」
「・・・っ!」
指で十分慣らしていたので痛みを与えることはなかったが、指よりも太い分、締め付けは強くなる。
根元まで押し入れて、しばらく動かずにペニスが馴染むのを待つ。
腰を曲げて首筋や頬に唇を落とし、勃起に添えた手をゆるゆると動かす。
その刺激に呼応するように内壁がうごめいて、オレにも刺激が伝わった。
「っ、10代目・・・そろそろ動いても、良いですか・・・?」
耳の後ろで声をかけると、10代目は何度も首を縦に振った。
了承の意思を受け取って、奥まで入れたペニスをゆっくりと引き出す。
そしてまたゆっくりと奥まで入れる行為を何度も続けていると、動きがスムーズになってきた。
中を移動する時に先端で10代目の感じるところを刺激すると、ぎゅっと締まって射精感を促される。
目をつぶってその感覚をやり過ごし、腰を進めるスピードを上げる。
その間もそこを刺激し続けると、10代目の声がだんだんと甲高くなってくる。
「はぁっ、あっ・・・ぁんっ・・・」
「・・・10代目・・・」
ぐちゃぐちゃと濡れた音がする中、がり、と無機質な音が聞こえた。
目を開けて見てみると、10代目がすがりついた木に爪を立てている。
自分の左手を伸ばして、10代目の左手を木の幹から離させる。
少し傷ついてしまった爪を撫でて、木の幹ではなくオレの手につかまってもらう。
そんな、抱きしめる腕も持たない木じゃなくて、刺激を与えているオレにすがって欲しい。
独占欲にも似た感情を胸にくすぶらせながら、出し入れする速度をさらに速める。
「っん・・あ、あぁっ・・・!」
「くっ・・・」
一際甲高い声で鳴いた10代目はオレの手の中で精を吐き出し、中のオレを締め付けた。
びくびくと痙攣して締め付けてくる中を強引に出し入れし、射精する。
しばらく余韻を味わってから、萎えたペニスを引き出す。
ずるり、と中を満たしていたものが抜けた感覚に、10代目が身震いする。
それがとても可愛くて、思わずぎゅっと背中から10代目を抱きしめる。
涙のにじむ目元に唇を寄せて、そっと囁く。
「10代目・・・大好きです」
「・・・オレもだよ・・・」
そう言って笑った10代目の笑顔は、頭上で上がっている花火なんか比べ物にならないくらい、とてもきれいだった。
身支度を終えて今度はさっきと逆に夜店の方へ歩いていく。
そこでふと、食べかけのわたがしがなくなっているのに気が付いた。
聞いてみると、林の中を歩いている時に落としてしまったのだという。
「もうひとつ、買いましょうか?」
にっこりと笑って聞いてみると、
「いらない」
赤い顔をした10代目から一言だけ返ってきた。
End
................
忠誠心たっぷりな獄寺から、下心たっぷりな獄寺へ。
無駄に長い。
でも最後の方、たまきさんの精力が尽きた感じが否めない。
それも否定はできませんが、逆に第二ラウンド行きそうで慌てて終わらせたんです。(爆)
ヨーヨーを喜んでもらって喜ぶようなかわいいところとか、
銃の扱いもお手の物なところとか、
私の妄想ですけど、こうだといいなぁと思ったことを詰め込みすぎました。
たぶんいらないところ多いです。
・・・なんか、わたし、言葉攻めすきなんですかね・・・。(だいすきです)
ちょっと獄寺が鬼畜チック・・・。
手が・・・手が勝手にキーを押すの・・・!(無意識ってなお悪い感じがするなぁ)
でもどこまで鬼畜にしてもいいものか迷って、中途半端なんですよね・・・。
根本は忠犬だから・・・でもお題は豹変なんだから好き勝手やればよかったのか?(今更)
獄寺は紳士なので、ゴムも携帯しております。
・・・うそです。
ほんとは屋外では持ってないと思うんですけど、
ゴムつけない獄寺君が想像できなかったの・・・。
だから・・・不自然でも・・・つけました。ぐすん。
10代目相手だと中では絶対出しそうにないし、かといって外に出すのも色々考えたけどどれも変だったので。
(2004.09.04)
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