「あっ、あっ、」

胸の突起を上に下に動かされるたびに、ツナは声を上げた。
開いたままのツナの口からは、唾液が溢れ出てくる。

(だめだ、何かだめだ・・・)

ツナはそう思うと必死に獄寺に呼びかける。

「ごく、でら、くん、・く、でらく・・・」

ひくりひくりと喉を逸らして、それでも必死に呼びかけた。
獄寺はツナの肌に夢中になっていて、気付かない。
意味のない音しか出そうとしない口を何とか操って、何度も何度も獄寺を呼ぶ。
ごくでらくん、と何度呼びかけただろう。
ようやく獄寺はツナの声に気がつき、ツナの体から顔を上げる。
そして獄寺は、また大きくつばを飲み込んだ。
ツナの表情がとろりと溶けていたからだ。

「ごくでらくん、」

顔も体も赤く染めて、潤んだ目で自分を見つめる。
そんなツナを見ると、また体を舐めまわしたい衝動に駆られた。
ツナが何かを言おうとしているんだから、ちゃんと聞かなくては。
そう思ってツナの顔から目を逸らす。

「もう、」

そうするとおいしそうな体がひくひくと震えているのが目に入り、たまらなくなる。
これを、オレが。今までずっと舐めていた。
その感触を思い出すと、口の中にまたつばが広がった。
ごくりとつばを飲み込むのは何度目だろう。
飲み込んでは溢れてくるつばに刺激されて
ツナの体に噛み付きたくなる衝動を抑えるので必死だった。

「だめ・・・」

もぞり、と動いたツナの足の間に、ひょこりと立ち上がったものが見える。
それはツナが興奮していることを示していて。
獄寺の中の理性とか思いやりとかそんなものは完全に吹き飛んでしまった。

「っ、きゃあああっ!!!」

獄寺は両手でツナの両足を思い切り開くと、
真ん中に立ち上がるツナのペニスにかぶりついた。

「っあ、ぁ、やぁああ・・・!」

じゅるじゅると音を立ててペニスを舐めたてる。
獄寺が顔を動かすたびに立つその音は、獄寺のつばとツナの先走りが混じったものだ。
獄寺は今までに感じたことのないような陶酔感を覚えた。
体温が上がってほのかに香る肉の香りと、
そしてツナ自身から沸き立つ濃厚なツナの香りが、
鼻から脳に突き抜けて、獄寺を刺激し続ける。
獄寺は欲望に忠実に、ツナのものを舐めて舐って刺激し続けた。
ツナの先端から漏れ出すものを舐めて、
後から後から溢れてくるものを啜(すす)る。
そして獄寺がツナのものに柔らかく噛み付いた瞬間、

「あーーーッ!」

細く高い声を上げて、ツナはペニスからひときわ多くのものを溢れさせた。
獄寺はそれを一滴もこぼすことなく飲み干して、それから口を離す。
長い舌を伸ばして口の周りに付いたものを丁寧に舐め取る。
ツナはその様子をぼんやりと見ていたが、頭がぼうっとしていて、
その映像をきちんと理解しているかどうかは分からない。
獄寺のぎらぎらとした目が自分に向けられているのも、
ぼんやりとしか理解できていないだろう。

「ツナヨシさん・・・」

獄寺は上ずった声でツナを呼ぶ。
ツナはもう、声を上げることも、手を伸ばすこともできなかった。



******



「だめって言ったのに」
「すみません」
「ばか」
「すみません」
「オオカミ」
「すみません」

丘の上では珍しい光景が見られた。
オオカミがヤギに怒られてしょんぼりとしているのだ。
獄寺の頭はうなだれて、耳やしっぽまでしょんぼりと垂れ下がっている。
そのしょんぼりの頭の中では、ツナを怖がらせてしまったこと、ツナに怒られてしまったこと、
それから、最後までしたかったな、なんて不埒なことも考えていたりして。
ツナはそんな獄寺の様子を見ると、ふぅとひとつ、ため息をついた。

「まぁいいや。ちょっと赤くなっちゃったけど、痛くはなかったし」

そう言うと、ツナは自分の体を見下ろした。
胸からおなかにかけて、赤く鬱血した跡がいくつもある。
これは先ほど、目の前でしょぼくれている獄寺に
やわらかく噛み付かれまくったためにできたものだ。

「でもほんとに食べられるかもしれないって、ちょっとどきどきしたんだよ」
「そ、それはないです!
 確かにちょっと欲望に負けてしまったところはありますが、ツナヨシさんを食べたりはしません!」

獄寺はもう、それは必死に言い募った。
ツナはそれに小さく笑うと、

「別にオレは、君になら食べられてもいいんだって。ただ、少し怖かったなと思って」

そう言って、なぜか少し顔を赤らめた。
そんなツナに獄寺は気付かずにまくし立てる。

「オレは何があってもあなたを食べるなんてことしませんから!
 ずっとずっと、一緒に、居てください・・・」

だんだんと語尾が小さくなっていく獄寺を見て、ツナは優しげな笑みを向ける。

「もちろんだよ。オレだって、君がオレのことを好きなのと同じくらい、君のことが好きなんだから」
「ツナヨシさん・・・!」

ツナの言葉にいたく感動した獄寺は、大きくツナの名前を叫び、
そのままの勢いでツナに抱きついて、ちゅう、とかわいらしくキスをした。





End





................

「あらしのよるに」を意識した書き方をしてみました。(笑)
基本三人称で、あんまり心理描写をせずに、
「えええ、どうなるの!?」
みたいなちょっとしたどきどきを交えつつ。(場面転換)
(いや、どきどきして頂けたかは分からないんですが)
まぁすぐに「よかった」なり「やっぱりな」なり思えるんですが。
さすがに最後までやるのははばかられました。
たぶん次やるとしたら、最後までとは思うんですが・・・。(笑)
でも一回書いたら気が済むので、これっきりだとも思うんですけどね。

あ、何でツナの呼称が「ツナヨシさん」なのかというとですね、
「10代目」って呼ぶの、獄寺だけじゃないですか。
獄寺(ガブ)は、ツナ(メイ)の名前を、
メイの話の中で友達がメイを呼ぶことで知るんです。
「あ、メイってわたしの名前なんですけどね」って。
私がこれを完全にコピーしようと思った時に考えてたのが、
「あ、ツナってオレの名前なんだ。ほんとはツナヨシなんだけど、みんなツナって呼んでる」
「ツナヨシさんって言うんですか。やさしそうな名前ですね。オレは獄寺っていうんです」
こういうセリフだったんです。
これの流れを受けて、ツナヨシさんなのです。
ほんとは「綱吉さん」呼びは、現代獄ツナが発展したときのために置いときたかったんですけどね。
まぁ、パラレルだからってことで大目にみます。

なにはともあれ。
私一人、十分楽しませて頂きました。
お付き合いくださりありがとうございますー。
んー、ケダモノな獄寺、めちゃくちゃ楽しかった・・・!(笑)
そして入れてないのに今まで書いた中で一番えろい気がする。(笑)
やっぱり獄寺の理性をなくさせると、すごく楽しい。

それにしてもうちの獄寺、結構おあずけが多いな・・・。(笑)

(2006.08.30)



文章目次
戻る