電車でGO!!

実機について 2017年11月、タイトー(スクウェア・エニックス)から登場した鉄道運転体験ゲーム。
初代作「電車でGO!」登場20周年記念を兼ねて、2016年から開発が始まっていた。
名称も旧作品を引き継ぐ形で「!」(エクスクラメーションマーク)を一つ追加しただけである。
制作はタイトーの親会社である、スクウェア・エニックス ヴィジュアルワークスが担当。
旧作品から引き続いてJR東日本の全面協力の元、首都圏の大動脈・山手線で活躍するE231通勤電車を模した超大型筐体を採用。
グラフィックエンジンも、様々なメーカーのゲームやVRにも採用されている「UnrealEngine 4」を搭載。
中央に55インチ・左右斜めに43インチ大型モニターを採用。実写並みの視界と共にリアルな風景が広がる。
運転台もほぼ実物大になっているが、車両を動かすレバーはE231通勤電車と同様に1本である。
レバーに付いているボタンを押しながら、手前に倒すと電車が加速する。
逆にモニター方向へ倒すと減速し、奥へ倒すほど強いブレーキが掛かる。
通称「ワンハンドルマスコン」と呼ばれるタイプで、業務用ではシリーズ初採用となった。
運転台前面には左右のスピーカーに挟まれる形で、20インチタッチパネルモニターがある。
運転する列車の状態の他、ワイパーや前照灯の操作ボタンがあり、押すと各機能が作動する。
その左側に速度計や戸閉灯が表示されており、駅を発車する前や制限速度のポイントなどで指で触れると
安全確認や指差喚呼をした事になり、スコアが加点される。
運転台の足元には警笛ペダルがあり、見通しの悪い場所や作業員が立っている場所などで鳴らすと加点される。

ゲームはこれまでのシリーズ同様、設定された列車ダイヤに基づき、制限速度を順守しながら次の駅まで運転する。
制限速度や警笛標識の無視、駅への早着・遅着、駅構内での再加速・急ブレーキなどは減点対象となる。
天候や時間帯など、様々な条件を付加した「ミッション」も用意されている。

タイトーのゲームデータ管理サービス「NESiCA」に対応。
専用カードでプレイデータを作成すると、これまでの運転記録の他、ランキングにプレイヤーの名前と称号が表示される。
更にチュートリアルモードよりも難易度の高いモードや、新しいミッション・新しい区間を運転出来る。

2017年の現時点では運転可能な区間は山手線の一部のみだが、2018年7月にJR総武線が新規路線に追加、
更に2018年11月にJR大阪環状線が追加され、2019年2月から業務用シリーズ初となる私鉄路線として阪神電鉄本線が追加された。
今後もオンラインアップデートによって、新たな区間や他の路線・車両等が追加される予定である。

2019年3月に低年齢層向けとして、筐体の外観・難易度の変更・ミニゲームの要素を取り入れた
「でんしゃでゴー!!キッズ」が登場。 (別記事を参照)
更に同年6月から従来の筐体の設置が難しい施設向けに、外観・モニターの大きさが大幅に小型化された筐体が登場した。
(下記参照)

作品について&戯言 これまでも様々な箱形の大型筐体をミニチュア化しましたが、今回もプラ板の使用量が半端無い作品でした。
大きく分けて、筐体外装・内部(3画面モニター)・運転台の3部構成で制作を進めました。
別々に制作したパーツを突き合わせて、ヤスリやカッターで削って微調整を繰り返しましたが、
3画面モニター周囲とか所々に隙間が…
屋根上も背面も横着して作り込まず、のっぺらぼうにしちゃいました。
基本的に巨大な筐体ミニチュアは1台だけしか作りませんが、1年近くもロケテストをしたと言う事で、
例によって試作型と通常型を作り分けようと2台制作しましたが、結局あまり相違点も無かったので2台とも通常型にしました。
実際の試作型は筐体内部が黒く塗装され、運転台のスピーカーの角度も異なるんですが、面倒臭くなっちゃいました(笑)
無駄な仕事をした感じですが、2台目は別のネタで役に立ってもらいました。(下記参照)

大掛かりな設備が不要な事もあって、VR(バーチャルリアリティ)が業務用&家庭用ゲーム機・スマートフォンにまで普及している昨今、
かつて大ヒットした乗り物ゲーム「電車でGO!」が、久々の超大型体感筐体で復活してくれました!!
この時代に「電GO!」復活にもビックリでしたが、ほぼ実物大の電車の先頭部分を模した筐体外観もロケテスト限定で、
一般に普及する筐体は無難な大きさになるだろうと予想していたので、二重にビックリしました。
内部の運転台も非常にリアルに作られており、3画面モニターに流れる風景も実写のようです。
現在、実機は山手線の一部区間だけしか運転出来ませんが、オンラインアップデートで路線が追加されるらしいので、
今後の展開に期待したいですね!

全国各地のアミューズメント施設では、老若男女の運転士達を喜ばせる様々な工夫が凝らされていて、
実際の運転士が使用している手袋を無料配布したり、乗務員のコスプレ衣装を用意したり、
筐体側にタイムカードまで設置している施設まであります(笑)
ミニチュア作品の屋根には「川崎駅」(JR東日本)の駅名板が乗ってますが、これは神奈川県川崎市にある「GAME PIA川崎モアーズ」に
実際に設置されている筐体のPOPです。
ツイッターにて情報と画像提供していただいた"バースト(@burst1973)"さん、ありがとうございます!!


電車でGO!!(コンパクト筐体)

実機について 2019年6月、タイトー(スクウェア・エニックス)から登場。
従来の筐体では設置が難しい施設向けに、外観・モニターの大きさが大幅に小型化されている。
ゲームの内容は従来と同様であるが、シリーズ誕生20周年記念の一環として旧作品の復刻版がプレイ可能。
復刻版をプレイすると、両脇のモニターには旧作品が稼働していた当時(1997年)のゲームセンターの風景を
再現したグラフィックが表示される。
従来の大型筐体でも、バージョンアップ済みであれば復刻版がプレイ可能になる。
メインモードと同様に、旧作品シリーズの復刻版もオンラインアップデートによって追加される予定である。
因みに復刻版のプレイデータも、ゲームデータ管理サービス「NESiCA」に登録・閲覧が出来る。
作品について 元の筐体があまりにも大き過ぎるので、いずれはこの様な小型筐体が出るだろうなぁと予想していました。
特に難しくなさそうな外観なので、従来型と復刻版の2台制作しています。
今後も「電車でGO!2-高速編-」の復刻版などが追加されるそうですが、こういう旧作品を大切にする流れも良いですね♪

ツイッターにて情報と画像提供していただいた"みぃ(@KINGSLIMEGASUKI)"さん、ありがとうございます!!


おまけ

上記にある様に2台作ったものの、全く同じ物にしても芸が無いので、我が地元・大阪環状線バージョンにしてみましたよ♪
外観がステンレス風のおかげで、ラインカラーを変更しても違和感が無いのが嬉しいですねぇ。
大阪環状線の最新型車両の323系もステンレス製だし(笑)
余裕があれば、全国各地の路線のラインカラーに変更して撮影したいと思います。


おまけ・その2

「電車でGO!!」を中心に、これまで登場したタイトーの乗り物シミュレーションシリーズを並べてみました♪

左から「ミッドナイトランディング」「トップランディング」「エア・インフェルノ」、初代の「電車でGO!
ランディングギア」「ランディングハイジャパン」「パワーショベルに乗ろう!!

記念すべき元祖・乗り物ゲーム「ミッドナイトランディング」、90年代後半にブームを巻き起こした初代「電車でGO!」、
そして15年以上のブランクを経て超大型筐体で復活した「電車でGO!!」…
最新型筐体と歴史的な筐体が一堂に会すると感慨深いものがありますねぇ。
いずれ「電GO!」歴代筐体も制作してみようと思います。

当ゲームセンターでは「電車でGO!!」設置記念に、乗り物ゲーム祭り開催中(笑)

これまで製作したタイトーのシミュレーターシリーズと、特別ゲストにセガの「東京バス案内」も追加。
元祖乗り物ゲーム「ミッドナイトランディング」や初代「電車でGO!」、更に都バスにショベルカーまで…
ドライブゲームやガンシューティングとは異なる、かな〜り濃い感じのゲームコーナーになっちゃいますね(笑)

山手線vs大阪環状線、夢の競演。
ラインカラーの変更だけで別車両に変身出来るのも、簡素な外観のおかげです(笑)
新路線が追加されたら、実際にお店のオリジナルで変更したらウケると思うんですが…

大掛かりで本格的なシミュレーターは全国各地の鉄道系博物館くらいしか見掛けないし、それなりに難易度も高いですが、
こんな感じにゲームセンターやショッピングモールの一角とかにも設置されれば、シミュレーターとしての敷居も低くなるし、
オンラインで全国の運転士達と腕前を競うという、ゲームならではの楽しみ方もありますね♪
最近のVRも一旦没入すると現実に戻れなくなりそうなくらい、急速に技術革新が進んでますが、
今時こんな大型筐体も夢があって良いと思います。
かつての乗り物ゲームブームの様に、他社もこの流れに追従してくれたらなぁ…


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