NAM-1975(MVS筐体)

実機について

―NAM-1969―
地獄と化した戦場で、シルバーとブラウンは燃え盛る炎の中を走りぬけ、味方のヘリへと向かっていた。
友軍の実行した無差別爆撃…敵にも味方にも死は公平にやってくる。
その手を払い除けた者だけが明日の朝日を見ることができる。
血の色に染まった朝日を。
ヘリの爆音と共に2人は地獄を後にする。
そして彼等を呪うかのように、朝日は地上に地獄絵を映し出していった。

―NAM-1975―
カモフラージュされたボートの中で、2人は黙々と戦闘準備を続けていた。
微かに匂う草の匂いが、これから起こるであろう戦いの壮絶さを忘れさせてくれる。
だがその思いを掻き消すかのように敵の銃撃音が響く。
デッキへと駆けあがる2人の心はある予感を感じていた。
また悪夢が始まる。


1990年4月、SNKから登場した擬似3D方式アクションシューティングゲーム。
同社が展開していた全く新しいアーケードゲーム「マルチビデオシステム(MVS)」専用ゲーム作品。
このゲームソフトは当時、MVSと同時発売された初期タイトルの一つである。

擬似3D方式と強制横スクロール方式を取り入れたガンシューティングゲームだが、
光線銃ではなく、通常の方向レバーで画面に表示されるカーソルを操作するタイプである。
但しカーソルのみならず、主人公のキャラクターもレバー1本で同時に操作しなければならないのが、
他社の類似作品とは大きく異なる。
泥沼の戦場となったベトナムに潜り込み、敵に拉致された科学者親子を救出するのがゲームの目的である。
全6ステージ。2人同時プレイ可能。
8方向レバーで主人公とカーソルの移動。Aボタンでマシンガンを発射。弾数は無制限。
マシンガンは押しっぱなしでも連射されるが、射撃状態での移動速度は非常に遅くなる。
敵が出すアイテムを取得すると一定時間強化される。
Bボタンで攻撃力の高い手榴弾を投擲する。弾数制限があるが敵が出すアイテムで回収可能。
方向レバーを左右に入力しながらCボタンを押すと、任意の方向へ素早く移動する。
更にレバーを斜め左右どちらかに入力しながらCボタンを押すと、その場で側転して敵の攻撃を交わす。

敵や建造物を破壊するとアイテムが出現する。各種とも使用制限がある。

  • バルカン砲…ショット強化アイテム。連射力が上がり、当たり判定が僅かに大きくなる。
  • ミサイルランチャー…ショット強化アイテム。着弾すると広範囲にダメージを与える爆風が発生する。
  • 火炎放射器…ショット強化アイテム。敵に向かって火炎を浴びせる。
  • 手榴弾…カーソルを合わせた方向に向かって投擲する。マシンガンよりダメージが大きいが範囲は狭い。
  • スパーク弾…手榴弾の強化版。広範囲に大ダメージを与える。
  • ツインカーソル…取得するとカーソルが2つに増える。
進行中、女性を人質にした敵が現われる事がある。
この女性キャラクターは主人公側の工作員であり、敵を倒すと主人公の元へと駆け寄り、
無敵のオプションとして暫くの間、マシンガンで戦闘に参加する。

【Multi Video System(MVS)】
1990年、アルファ電子とSNKが共同開発した専用筐体。
元々、家庭用ゲーム機として開発が始まった経緯で、モニターの向きは横置きのみ。
大容量ロムカートリッジを採用し、これまでのゲーム基板よりも手軽にゲームの交換や追加が可能となった。
翌年、互換性のある家庭用ゲーム機「NEO・GEO(ネオジオ)」も発売された。
MVS筐体は様々なタイプがあるが、2人同時プレイを重視したシステムであるため、
8方向レバーと4個のボタンが2人分装備されている。
更に内蔵されたゲームを選択するボタンと、一部の機種にはネオジオのメモリーカードの差込口が装備されている。
カートリッジ差込口が6箇所のタイプ(MV25U6-0)と、4箇所のタイプ(MV25U4-0)の2種類存在する。
画面は2種類共、25インチモニターを採用。
作品&戯言 ネオジオは家庭用も所持しておらず、業務用もあまり触れた事はないんですが、
それでも幾つかのお気に入りゲームがありまして、今作もその一つです。

作者は「エンパイアシティ:1931(1986年・セイブ開発/タイトー)」のような、カーソルを動かして撃つタイプのシューティングゲームも大好きで、
このゲームも結構な回数を遊びました。
しかし、自機とカーソルを同時に動かすというシステムは異常に難易度が高く、最終面に至ってはコンティニューも不可…


別館入り口に戻る