ハイパーオリンピック(サウロイド筐体)

実機について 1983年、コナミから登場。
1984年にアメリカ・ロサンジェルスで開催される「第23回・夏季オリンピック」をモチーフとした、スポーツアクションゲームである。
当時のオリンピック委員会から公式ライセンスを得て販売された。
当時としては珍しく、最大4人対戦が可能になっている。
操作は3つのボタンのみで、真ん中にJUMPボタンと両側にRUNボタンが二つ配置されており、利き腕の違いにも対応する。
RUNボタンを連打すると選手がトラック上を走行する。連打が早いほどスピードも上がる。
JUMPボタンを押すとハードルを越えたり、踏み切りや投擲のタイミングや角度を決定する。

人数分のクレジットを入れてスタートすると、アルファベット3文字でプレイヤーのイニシャルを登録する。
全員の登録が終わると、以下の陸上競技6種目を勝ち抜いていく。

  • 「100m DASH」…100m走。ひたすらRUNボタンを連打してゴールまで全力で走り切る。
    実際の競技と異なり、2人のみでの競争となる。(対戦・CPU戦も同様)
  • 「LONG JUMP」…走り幅跳び。スタートの合図と共にRUNボタンを連打して助走する。
    踏み切り線を越えないタイミングでJUMPボタンを押すと、選手がジャンプする。
    更にジャンプした瞬間、JUMPボタンを押していた時間で角度が変わる。
    踏み切り線から砂場に着地した跡まで計測する。
  • 「JAVELIN THROW」…やり投げ。スタートの合図と共にRUNボタンを連打して助走する。
    踏み切り線を越えないタイミングでJUMPボタンを押すと、選手が槍を前方に投げる。
    更に投擲した瞬間、JUMPボタンを押していた時間で角度が変わる。
  • 「110m HURDLES」…110mハードル走。トラック上に設置されているハードルをJUMPボタンを押して跳び越えながら、
    RUNボタンを連打してゴールまで全力で走り切る。
  • 「HAMMER THROW」…ハンマー投げ。スタートの合図と共にRUNボタンを押すと自動的に選手が回転する。
    回転速度と選手の向きに注意しながら、タイミング良くJUMPボタンを押すとハンマーを投げる。
    投擲した瞬間、JUMPボタンを押していた時間で角度が変わる。
  • 「HIGH JUMP」…走り高跳び。スタートの合図と共にRUNボタンを押すと自動的に助走する。
    棒の手前でのタイミングでJUMPボタンを押すと、選手が背面にジャンプする。
    更にジャンプした瞬間、JUMPボタンを押して角度を微調整出来る。棒を落とさずマットに着地すると成功となる。
フィールド競技は3回まで試技が許され、一度でもクオリファイ(標準記録)を越えると次の種目へチャレンジ出来る。
3回の試技でクオリファイに達しなければ失格となる。
トラック競技は2回までフライングが許されるが、3回共フライングかクオリファイを越えないと失格となる。
各競技共、3位まで入賞するとイニシャルと記録が、ゲーム画面上のスコアボードに表示される。
この記録は別のプレイヤーに破られるか、電源を切るまで保存される。

ボタンの連打とタイミングだけという単純明快な操作法と、実際の競技を彷彿とするリアルなゲーム内容から、
全国のゲームセンターで大人気となり、その後に登場した派生作品や他社のスポーツゲームにも影響を与えた。
直接の続編には、クレー射撃やアーチェリーを採用した「ハイパーオリンピック'84」が1984年に登場しており、
以降も同社がオリンピックに協賛する際には、同様のスポーツゲームを多数制作している。


【サウロイド】

1993年にコナミから登場した汎用筐体。
ブラウン管を採用したゲーム筐体としては世界最大級である。
37インチ大型モニターは、簡単な作業で縦・横向きに変更出来る。
コントロールパネルも、2人〜4人プレイまで対応可能。
周辺機器の交換で「リーサルエンフォーサーズ2」など、ガンシューティングゲームにも対応する。

作品&戯言 個人的には1980年代を代表するアーケードゲームの一つだと思います。
この時代は業務用も家庭用もシューティング全盛期に入ってましたが、そんな中でも一際光ってましたねぇ。
ゲーセンに限らず、そこらの駄菓子屋でも導入されたりして探すのに困らなかった作品です。
特に近所の雑貨屋では1プレイ20円という安さで、毎日の様に友人達と遊んでました。
作者は連打は得意ですがタイミングを合わせるのが苦手で、いつも「ハンマー投げ」か「走り高跳び」で脱落…
そして、ファミコン版も発売と同時に購入。
種目が4つに減ってしまったのは残念でしたが、友人や従弟たちへの接待ゲームとして大活躍してくれました。
ファミコン版には「殿様版」と呼ばれる限定品がありまして、ザ・ドリフターズの大人気番組「8時だよ!全員集合!」の
「志村のバカ殿様」コントで使用するために、1プレイヤーのキャラクターが殿様に書き換えられた特注品です。
作者も家族とリアルタイムでこの番組を見ており、ホントに発売してほしいなぁと兄貴と盛り上がってましたが、
反響に応えて実際に別売りされると、既に持っていた通常版と速攻で買い換えました(笑)

このゲームを語る上で必ず出てくるのが、様々な小道具を使った不正行為です。
楽して連打を叩き出す為に、金属製の定規を激しく振動させて反発力で連打したり、
ピンポン玉やガチャポンの透明なカプセル等を使って、ボタンを激しく擦る行為が全国的に見られました。
これでボタンの反応が悪くなったり、ボタンがコンパネと面一になるほど擦り減ってしまうため、
修理しなければ他のゲームに転用出来なくなる事態になりました。
間も無く全国的に問題になり、店内の壁や筐体に「鉄定規・カプセル使用禁止」の張り紙がされました。
ほぼ同時に店内ハイスコア集計から、このゲームだけ対象外にしたゲーセンもあったようです。
実際のオリンピックでも度々ドーピングが問題になりますが、ゲームでも正々堂々とフェアに挑みたいものですね。


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