forget me not

  阪神淡路大震災の前々日のことでした。
わたしたち家族は、神戸のベイエリアの自動車専用道路を走行していました。二車線ありますが、どちらも方向は同じです。
ちょうど高速道路のような感じだといえばいいのでしょうか・・・・。
前方の車が追い越し車線で、徐行し扉をほんの少し開けました。そしてすぐに走り去りました。
そしてその辺りを通り過ぎる時、kalaが「あっ!」といいました。目線の方向を見ると小さな子猫。
わたしたちは、走行車線を走っていました。まして車中から子猫を見つけたときは、通り過ぎるところでした。
停車もできず、降りて向こう側に行くのは自殺行為です。
そこは、車専用道路です。事故でもない限り停車は難しく、後続車も。信号もないしバックは無理です。
kalaは「ポートアイランドまで降り口はないから、Uターンして戻ってこよう!」すごいスピードでポートアイランドに向かいました。
ポートアイランドで下車しUターンして三宮付近の乗り口から道路に入り、さっきの場所を目指しました。
車はずっと100kmオーバーのリンリンという音が鳴り続けていました。「どうか間に合って!」
「拾ってどうするの?」と、わたしが問いかけると 「わからない。でも、とりあえず助けよう。それからだ」
祈るような気持ちでその場所に着いた時、子猫は亡くなっていました。
「ぼくが、あの時すぐ行ったらよかった」というkala。でも、それではkalaが轢かれていたでしょう。
一般道に戻り交番に行き、事故のことを話しました。
おまわりさんは「一般の方が回収するのは危険ですので、こちらでやります」と、言って下さいました。
「子猫と目が合ったんだ・・・」と、何度も何度もkalaは言っていました。
翌日、まったく同じような体験をしたという方がいて体が震えました。
 そして阪神大震災。  驕れる人間を罰したバベルの塔の如く、神戸の街は崩壊していました。
「罰が当たったのかな?」と呟いたわたしに「でも、それは不謹慎だから言っちゃいけない。亡くなった人が多すぎる」とkala。
人間が他の生物の命をたなごころに置くことは、決して許されることではないと思うのです。
もし1つだけ許してもらえるなら、生殖制限だと思います。
それは命を制限することではあるけれど、潰すことではないからです。

もし、避妊手術をしていない雌猫が繁殖を続けたら、7年後には42万匹。
あなたの猫に、そして地域の猫たちに、避妊・去勢を