F-1(フォーミュラワン)

実機について 1976年、中村製作所(ナムコ)から登場した、フィルム映像投影式のエレメカ。
タイトルの通り、自動車レースがモチーフとなっている。
1973年に登場した大型エレメカ「フォーミュラX」を、改良・小型化した後継機である。
このゲームは同社初として、スコア表示と速度制御に集積回路(IC)を用いている。

フォーミュラーマシンのコクピットを模した筐体が特徴。
赤い車をハンドルで操作して、幻灯機でスクリーン上に投影された楕円形のコースを走行する。
アクセルペダルを踏み込んで加速、シフトノブの切り替えで速度が変化する。
スクリーン内部には、お盆の様な構造の大きな透明フィルムに描かれた背景・コースが内蔵されており、
ゲームの速度に応じて反時計回りに高速で回転させる。
このフィルムの上に敵車のオブジェクトも同時に回転しており、スクリーン上で重なると接触したと見做され、
轟音と共に瞬時にクラッシュ画像に切り替わる。
筐体右上に表示されたFUEL(制限時間)が無くなるまでにスコアを3000ポイント超えると、もう一度ゲームをプレイ出来る。
バージョンアップ版に、ゲームのスピードアップが図られた「F-1ターボ」が登場、
翌年には筐体のデザインが変更・コンパクト化された「F-1マッハ」が登場した。

日本国内のみならず海外で非常に高く評価され、同社のnamcoブランドの知名度を押し上げる切っ掛けとなった。
徹底的にリアルを追及して培ったノウハウは、後に「ポールポジション」等へと継承される。


【参考資料】
「遠山茂樹作品集・インタビュー前編」(発行・ゲー夢エリア51)

バンダイナムコゲームス・アーカイブサイト
「ナムコ知新-第5回-ドライブゲーム編」(https://bandainamcoent.co.jp/corporate/bnours/nours/vol27/pdf/27_10-11.pdf)


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