リッジレーサーFULL SCALE

実機について 1993年、ナムコから登場した3Dレースゲーム「リッジレーサー」の豪華仕様である。
ビルが立ち並ぶ都会から、崖が間近に迫る山中に目まぐるしく変化する架空のサーキットが舞台。
スポーツカーを操作して、ライバル車を追い抜きつつ制限時間内までに規定の周回数を走破し、上位へのゴールを目指す。
プレイ前に難易度を選択する。それぞれ走行するコースと周回数・制限時間が異なる。
難易度は初級(2周)・中級(3周)・上級(3周)の他、ライバル車1台と対戦するタイムトライアル(3周)がある。

同年に登場した「ギャラクシアン3・シアター6Ver.」をベースに、当時の人気スポーツカー「ユーノス・ロードスター」の実物を筐体として用いている。
3管式120インチビデオプロジェクター2台を使用し、ゲーム画面が前方の巨大スクリーンに映し出される。
ゲーム内容に大きな変更は無いが、ハンドルやアクセル・ブレーキなどの実車の操作系をそのまま使用し、
コンソール部にあるスピードメーターもゲームと連動する。シフトレバーも実車に合わせて5速設定に変更された。

実物の人気スポーツカーをそのままゲーム筐体に仕立てると言う、前代未聞のレースゲーム筐体であったが、
高額な費用と巨大さ故に設置店舗も非常に少なく、大都市圏にあるナムコ直営のゲームセンター等、敷地に余裕のある店舗でしか稼働していなかった。

作品について&戯言 去年末の「ギャラクシアン3・シアター6Ver.」に続いて、2015年末を飾るに相応しい超巨大ゲーム筐体です。

実機同様、この作品も「シアター6」がベースになっていますが、外観や内壁の造形が少し複雑になっています。
少ない資料を基に、プラ板やスチレンボードから制作。
まぁ、座席やコントローラーを作らなくて良い分、前作よりは楽でしたが…(笑)
スクリーンの画像は適当な物が見当たらなかったので、通常版の画像を引き延ばして、スピードメーターを削除したり色々加工しました。
メインのロードスターは筐体内部に入れるとリア部分以外は殆ど見えなくなるので、詳細は下記のおまけを参照してください。


「ギャラクシアン3」と同じく、大阪・難波にあったゲームセンター「千日前プラボ」に設置されていました。
建築物のような外観も然る事ながら、本物の車を筐体として用いると言う豪快な発想に驚かされました。
元々レースゲームも嫌いではなく、たまに業務用の通常版リッジレーサーをプレイしてましたが、
筐体の囲む大勢の人の中で下手なプレイを見せたくなかったので、残念ながら傍らで見ているだけでした。
当時の日本を席巻したバブル景気が、良い意味で狂った時代だった事を実感させる筐体だと思います。

もう一つの主役(笑)

作品について&戯言 今回の筐体を制作するに当たって、必要不可欠な「ユーノス・ロードスター(初代)」の1/24プラモデルを手に入れる事から始まります。
実車は2015年に4代目にモデルチェンジしており、ゲームに使用されている初代も登場して既に20年以上経過していますが、
未だに人気車種なのが幸いして、現在も田宮模型からプラモデルが発売されています。
実機通りにボディをレッドに塗装して、特に加工もせずにほぼ素組みしてます。
集合住宅が密集する土地柄、ご近所の迷惑にならないように久々にスプレー塗装もしましたが、
短時間で塗装を済ませようと焦って雑な吹き付けになり、所々に埃が付いてしまいました…
資料を見るとバックミラーが撤去されていますが、後ろで見学するギャラリーの姿がプレイヤーの視界に入るのが煩わしいためでしょうか?
この筐体ミニチュアも実物通りにバックミラーを着けていません。

…それにしても車のプラモなんて真面目に作るの、約10年振りだったなぁ。
(^^;ゞ

追記

解説記事では見えなかった部分の追記です。
左の画像は、正面やや上から見た構図。
スクリーンの構造が「ギャラクシアン3・シアター6Ver.」と全く同じである事が判ります。

真ん中の画像は、スクリーン側から見た構図。
解説記事の画像ではリア部分しか見えないロードスターも、これなら全体がバッチリ見えますね。
向かって左端には、ゲームを制御するコンソールボックスがあります。
コンソールボックス付属のマイクを使って、オペレーターによるレース実況もあったようです。
内装は資料の少なさから誤魔化した部分も多く、特に3管式プロジェクターの周囲の表現に誤りがあるかも…

右の画像は姉妹機「ギャラクシアン3・シアター6Ver.」との記念撮影。
あまりの巨大さにフレームに収まりきれません(笑)
流石にこの2機種が並んだゲームセンターは、ナムコ直営どころか世界中探しても存在しなかったと思いますが…
当時の日本は狂気に満ちたバブル景気に陰りが見えてきた頃ですが、各ゲームメーカーは次々と大型筐体をコンスタントに輩出しており、
ゲーム業界は充分スタミナが残っていたようです。


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