コンピューターオセロゲーム

実機について 1978年、任天堂から登場。
同社初のアーケードビデオゲームである。専用のテーブル筐体で提供された。
コンピューターと対戦する1人用か、向かいに座った人と対戦する2人用からゲームモードを選択する。
但し、このゲームでは当時の表示能力の関係で白と黒の駒ではなく、『□』と『+』で駒の違いを表現する。
ルールは一般の「オセロ」と同様に、交互に駒を置いて相手の駒を自分の駒で挟み、自分の駒と同じ形の駒にする。
縦・横矢印ボタンを押して駒が置けるマス目まで移動し、セットボタンで駒を置く。
駒が置けない状況の場合は、パスボタンを押して相手に譲る。
最終的にマス目を多く自分の駒で埋めたプレイヤーが勝利となる。
筐体にはメインモニターと別に、制限時間を表示する電光掲示板がある。
制限時間はゲーム進行中は常に減少しており、これが無くなるとゲームは一旦中断される。
所定のクレジットを投入するとゲームは継続されるが、判定ボタンを押すとマス目が埋まっていない状態のままでも勝敗が判定される。

1980年には同社の家庭用ゲーム機として「コンピューターTVゲーム」が登場。
「コンピューターオセロゲーム」の基盤を流用しているため、本体も電源アダプターも非常に大きく、
高価な割に遊べるゲームがオセロしかないため、商業的には失敗に終わった。


シェリフ

実機について 1979年、任天堂から登場したアクションシューティングゲーム。
所謂「スペースインベーダー」の亜流作品の一つ。
アメリカ西部劇をモチーフに、保安官(シェリフ)を操作して町を荒らすならず者集団を全て倒すのが目的。

ドットで表現された四角形のフィールドの内部に自機"シェリフ"が配置される。
フィールド内部では方向レバーで自由に移動可能。射撃ボタンは特殊なダイアル式になっており、
8方向に回して押し込むと、任意の方向へ弾が発射される。
これによって歩く方向と撃つ方向を、別々に操作する事が可能となっている。
フィールドの外縁を囲むように敵"ならず者"が16人配置されており、一定間隔で外縁に沿って移動する。
シェリフに向かって射撃してくるが時折、フィールド外縁の4角の隙間から侵入して至近距離から攻撃してくる。
画面上部を横切るコンドルを撃つとボーナスが得られる。(「スペースインベーダー」のUFOに相当)
ならず者を全て倒すとステージクリア。
敵弾に当たったり、ならず者に接触するとミスとなる。残機全て失うとゲームオーバー。

作品について 当展示サイト初のテーブル筐体です。
テーブル筐体と言うと「スペースインベーダー」に代表されるように、日本のビデオゲーム黎明期に欠かせない存在ですが、
当ミニチュア展示サイトで扱うサイズ(縮尺1/24)では、あまりにも小さくて何のゲームなのか分らない事と、
見栄えと作り応えの観点から基本的に大型筐体のみ扱っていましたが、ミニチュアを通してゲームの歴史を追うなら、
やっぱりテーブル筐体のミニチュア化は避けられませんでした。
今回、任天堂のテーブル筐体作品の制作に際して、記念すべき同社初のビデオゲーム「コンピューターオセロゲーム」と、
作者の地元の銭湯に長らく置いてあった「シェリフ」の2機種から選択。
似たような形状ですが筐体の"足"は、それぞれ違うタイプにしています。
画面は手描きですが、その上から透明プラ板の天板を貼ってます。
戯言 流石に「コンピューターオセロゲーム」は未プレイでしたが、「シェリフ」は作者の地元の銭湯に長らく置いてあったので、
一緒に風呂に来た親父のご機嫌を伺いながら100円を強請って、兄貴と交代でプレイしてました。

ちょっと個人的に不思議に思う事なんですが…
任天堂は京都市に本社があるにも関わらず、同じ近畿圏である大阪市内のゲームセンター・駄菓子屋で、
「VSシステム」以外の筐体を見掛けた事が殆ど無いんですよねぇ…
まぁコレは、地元・西成区やその周囲からの視点だけで、難波や梅田とか繁華街のゲーセンには
普通に設置されてたかもしれませんが。


別館入り口に戻る