実習生の指導案

 今、教育実習生が来ています。
 明日、初めてする授業の指導案を見せてもらいました。
 学習活動の一番最初のところに、次のように書かれていました。

・紙を折って、広げたら、直線ができている。それに対して、なぜ線ができたかを子供同士で、話し合わせる。

「なぜ線ができたか」それは「折ったから」でしょう。
 実習生に、「どんな意見が出ると思いますか」と尋ねてみました。
 実習生自身も「折ったから」という理由以外、思いつきませんでした。
 1つの意見しか出ないのに、話し合いはできません。
「最初に何をするんですか?」と、私は聞いてみました。
「紙を配ります。」
「何も言わないで、配るのですか?」
「……。」
 目的も告げずに、いきなり紙を配って、折らせるというのも、無理があります。 ただ、何かを説明し出すよりはいいかもしれません。
 なぜ、紙を折らせるのか?そこを考えてみましょう。

紙を折ると、直線の折り目ができる。

からでしょう。
 でも、それは直線なのでしょうか。まっすぐな折り目では。
 まあ、それはいいとして、紙を折らすなら、私は次のような展開でします。

『紙を折ると、折り目の線ができます。さあ、折ってごらん。』
『みんな、どんな線になったかな?』
 板書: ~~~~(波線)
『こんな折り目の線になった人?』
 板書:(カーブの線を描く)
『こんな折り目の線になった人?』
 板書:(カクンと曲がった線を描く)
『こんな折り目の線になった人?』
 ここまで、誰も手をあげないでしょう。
『○○さん、どんな折り目の線になりましたか?』
「まっすぐな線になりました。」
『まっすぐ線?まっすぐな折り目の線になった人?』
 全員が手をあげるでしょう。
 ここで、さらに念押しをします。
『まっすぐな線って、こんな線ですか?』
 波線を描く。
「ちがう!」
『まっすぐな線って、こんな線ですか?』
 同じく、カーブやカクンと曲がった線を描く。
 そして、最後に直線を板書し、
『こういうまっすぐな線のことを難しい言葉で、直線といいます。』

   ☆               ☆
 実習生は、今で授業したことがありません。大学なんて、授業については、たいしたこと教えてくれません。最初は、うまくできなくて当然です。
 実習生は、何がわからないかというと、子どもの反応が全くといっていいほど予想できない、ということです。
 だから、細部が考えられないのです。
 例えば、「定規を使って、縦線と横線を引かせる」という学習活動があります。 では、それを引かせたあと、どうするのか。それを考えていません。
 ノートを持ってこさせて○をつけるのか、○をつけた子には何をさせるのか、などです。
 そういう細かな事が、実は授業を支えていることが学べればいいと思います。

(1999.10.4)