楽天主義・悲観主義・楽観主義

 楽天主義とは、どんなことがあっても、何とかなると根拠無く思っている状態で、自分で何とかしようとはしません。一方、楽観主義とは、どんなことがあっても何とかしようと行動することです。
 天にまかせて何もしないか、可能性にかけて行動するかの違いです。
 岸見一郎『アドラー心理学入門~よりよい人間関係のために~』(KKベストセラーズ)に、次の話が紹介されています。

 二匹の蛙がミルクの入った壺のふちのところで飛び跳ねていました。突然、ミルク壺に落ちてしまいました。一匹の蛙は、ああもう駄目だ、と叫んで諦めてしまいました。そしてガーガー泣いて何もしないでじっとしているうちに結局溺れて死んでしまいました。
 もう一匹の蛙も同じように落ちたのですが、しかし何とかしようと思ってもがいて足を蹴って一生懸命泳ぎました。すると足の下が固まりました。ミルクがチーズになったのです。それでピョンとその上に乗って外に飛び出せました。

 溺れた蛙は悲観主義です。悲観主義と楽天主義は、結局は同じなのです。
 現実を見て諦めるか、現実を見ないで何とかなると妄想するかです。
 楽観主義は、現実を見据えて、なお、自分に何ができるかをかんがえて、希望を持って、行動することなのです。

(2014.12.30)