人の目と植物の芽

 松藤司『先生も生徒も驚く日本の「伝統・文化」再発見』(2012.8学芸みらい社)に、「目と芽がなぜ同じ呼び方をするか」のことが載っていました。

 ところで、人の顔のつくりの中に植物と似た名前があることに気づいていたでしょうか。
 芽と目、葉と歯、花と鼻です。これは偶然でしょうか。そうではありません。昔の人は植物のつくりの名前に人とのつながりを考えたのです。上の図を見てみましょう。植物の芽と人の目です。
 よく似ていると思いませんか。昔の人は植物の芽を見て人の目を想像したのだと思います。植物の芽は新しい生命の誕生を表しています。それまで真っ暗闇の土の中で静かに春を待っていた植物が、暖かくて明るい地上に出た喜びを表しています。
 同じように、暗く寒い夜、目を閉じて眠っていた人の目は、暖かく明るい朝を迎えることによって目を覚まします。芽と目にはこのような共通点があります。

 歯と葉、花と鼻についての共通点も考えてみてください。
 右の図を見ると、茎と鼻の位置が似てます。そして、植物の地面に当たるところが人の口です。人は口から飲み物や食べ物を食べ栄養をとるように、植物は根を通して水や水の中の養分を吸い上げてます。共通点が多いですね。

(2012.12.1)