物かくし防止のために

 3年の先生から、相談を受けました。物かくしが何度もくり返しあるので、それを防止するような授業をしてほしい、ということです。
 そこで、5年・6年で使った教材「新しいシャープペンシル」(考現学P.4731~)を使って教えました。教材を読ませる時、読めない漢字にふりがなをふらないように言いました。漢字は、書けるよりも読める方が大事だからです。
 前半を丁寧に授業した後、万引きがなぜ悪いのかを書かせました。

・みせの物をかってにとるから。(伊藤)
・お金をはらわないと、けいさつにつれていかれるから。(遠藤)
・たべるものとかがなくなるから。(山田)
・みせのひとにだまってとるから。(小林)
・物を買うには、お金を出している人もいるから、お金をださないでものをてにいれるのはどろぼうといっしょ。(蔭山)
・万びきは人にあげるからわるい。(光田)
・人の見てないところでこっそりとって帰るから。(山本)
・子どもがそんなことをしてはいけないから。(喜多)
・それはお金をぬすむといっしょだから。(三坂)
こそこそと売り物をとるから(小石)
・お金をはらってないから。(松崎)
・店の売っている物だから。(中)
・ほかの人はちゃんとお金をはらっているから(浅井)
・店の人も作っている所に買って売っているから(藤田)

 子どもが板書で書いた意見に、黄色のチョークで上記のようにアンダーラインを引いていきました。こっそりやることが卑怯なことであることを語るためです。
 余談ですが、道徳だけれど国語的な指導も入れました。

 ぼくは、つとめて平気をよそおって答えた。しかし、むねは五十メートル走のあとのように高鳴っている。

「よしお君は、50m走を走ったのですか。」
 ○か×かを書かせ、その理由も言わせていきました。
 ×だと分かる子は多いのですが、理由となると、うまくいえないのです。
「五十メートル走のあとのように、って書いてあるから走っていない。」
と言い方でもまだダメなのです。「~ように」に焦点を当てる必要があります。
「~のように、という使い方を比喩といいます。」
 この後、「ぼくは飛行機のように飛びました。って言っても、飛行機になったわけじゃないでしょ。」というように、事例を交えて比喩の表現を教えました。
「お母さんが鬼のように怒った。と言っても、お母さんが鬼になったわけじゃないでしょ。」こういう指導を日々することで、国語の力もつけられそうです。

(2007.12.3)