ハンセン病で何を教えるのか

 甲本卓司氏の「ハンセン病」の授業を追試しました。
 子ども達の感想を見ると、興味深いものが結構あります。

【一般的】
・ハンセン病は、とてもこわい病気だなと思いました。(桜木)
・ハンセン病にかかった人はかわいそうだとおもいました。(藤井)
・病院の仲でも、ろうやみたいな所にいるなんて、絶対おかしいと思った。けど、そういうのが今なくて本当によかったと思う。(阪口)
・ハンセン病の人は、強制連行されて、びょういんにつれていかれても、死んでも家ぞくのところにかえしてもらえず差別され、とってもかわいそうだと思います。(井本)
【理解型】
・ハンセン病はヤな病気だと思った。らい予防法はもうすこし早く廃止してもいいのではないかと思った。(安積)
【ジレンマ型】
・やっぱり、差別するつもりはないが、近づきたくない感じ。けどかかった人は傷つく。人間っていうのはむずかしい。(本田)
・ハンセン病なんて病気ははじめて知った。もし私がそんな病気にかかったなら、自分を差別する人をものすごくうらんだと思う。でも、もし、その正反対の立場なら、病気にかかっている人を差別しただろうと思う。(大念寺)
【?型】
・なんかハンセン病とかいうのはめっちゃかわいそうやって、ほんで、もののけ姫なんかなんかいもみたことあったのに、その包帯いっぱいまいてる人たちがハンセン病とは思わなかった。んで小泉そうりがさいごに出てきたとき「うわっ」と思った。(久保田)

 この授業の難しいところは、「ハンセン病」というものが、子ども達の身近にない、ということです。
 へたすると、「ああ、そんなこともあったのか。」と思うだけで、終わってしまいます。
 ハンセン病患者のこれまでの苦労を知る、というのは、歴史の勉強なら、それでいいのかもしれません。でも、道徳ならば、それが自分の生き方に反映されていくべきです。
 ジレンマ型で紹介した二人は、自分もハンセン病の人をさけたり、差別するかもしれない、と書いています。
 自分のこととして、少しは考えたからでしょうね。

(2004.1.31)