詩「ぼく」

 木村信子の「ぼく」という詩を今日は音読させました。
 音読させ、少し暗唱させ、たけのこ読みさせたぐらいです。発育測定があったので、中味まで入る時間はなかったのです。

   ぼく
        木村 信子

たとえば           ①
このクラスのなかの      ②
たった ひとり        ③
この学校のなかの       ④
たった たった ひとり    ⑤
地球の上の          ⑥
かずにならないくらいの    ⑦
ひとり            ⑧
の ぼく           ⑨
だけど            ⑩
これ ぜんぶ         ⑪
ぼくなんだ          ⑫
ぼくという          ⑬
宇宙なんだ          ⑭

 ①~⑭は、詩の行番号です。教科書の詩には載っていません。でも、子どもの教科書には、行の上に1~14までの行番号は書き込ませました。
 この詩でも、「分かったこと・気がついたこと…」を聞いてもいいのですが、気付きのレベルをあげたいので、今回は私が発問していくことにします。
「この詩の話者は、男の子である。」
「この詩を2つに分けるとしたら、だからの前で分けられる。」
というような気付きを出させるためには、そのような気付きを出せる問いを経験させておかないといけないからです。
 今回は、一字読解で問題を出してみます。

1) この詩の題名は何ですか。(ぼく) 
2) この詩の作者は誰ですか。(木村信子) 3) 作者の性別は何ですか。(女)
4) 話者は誰ですか。(ぼく) 5) 話者の性別は何ですか。(男)
6) 話者は、大人ですか子どもですか。(子ども)
7) くり返し使われている言葉は何ですか。(たった ひとり ぼく)
8) 一番大切な言葉はどれですか。(ぼく)
9) その理由は何ですか。(略)
10) この詩を2つに分けるとしたら、何行目の前で分けられますか。(10行目)
11)「だけど」は、どんな時に使いますか。(前と反対のことをいう時に使う。)
12) 変な行が1つあります。何行目ですか。(9行目)
13)「の ぼく」はどこにひっつきますか。(3つの「ひとり」にひっつく。)
14)「たとえば」は、どんな時に使いますか。(例を出すときに使う。)
15)「たとえば」の前にどんな文が来るのですか。(ぼくとは何だろう?)

 発問15は、いい発問だな、と自分で思いつきながら感動しました。いきなり「たとえば」で文が始まること自体おかしいのですから。(2008.9.4)