眠っている知性に教える

『評価と贈与の経済学』(2013.2徳間書店)で、内田樹氏が次のように語っています。

 教師が彼らに絶対に伝えなくてはいけないことはいくつかあるんですけど、そのうちの一つは彼らのなかの知的な潜在意識に対してある種の敬意を示すことなんです。物理や漢文や世界史なんか、子どもにはその価値や有用性がわからない。それでいいんです。それを教えるのは、いまの君にじゃなくて、君の眠っている知性に対してだから。そういう姿勢で接しなければ、学びということは成り立たない。「教える側」が「教わる側」の潜在的な知力に対して敬意をもって接しなければ知性は開花しない。

 潜在的な知性に教えるわけです。
 私は、小・中と算数・数学が好きでした。
 算数や数学には法則性があって、暗記科目ではなく、その法則に従えば問題が解けていく、そこが好きだったのです。
 高校2年生ぐらいから、無理数や虚数が出てきて、意味が分からなくなって、数学から離れてしまいました。もし、理解できたら、もっとちがう知性が開花していたのかもしれません。
 生活に役に立たないことを学べるのは、ぜいたくなことなのでしょう。

(2017.1.30)