やっちゃだめ、って言われたのに脱がされたオレの状況ってなんなんだ。
しかも10代目の様子ばかり窺ってて気付かなかったけれど、出てきたオレの状態もなかなか酷いものだった。
ペニスは手で支えなくても持ち上がって、先っぽからは先走りが出て、
幹を伝ったそれはぬらぬらと光って一層グロテスクに見せている。
一気に脱がされたので分からなかったけれど、下着の方も濡らしちまってるんだろうなぁ、と半分諦めの気持ちで考えた。
床の上に放られたジャージとハーフパンツとそこから覗く下着から10代目に視線を移すと、
自分のジャージに手をかけて脱いでいるところだった。
オレと同じようにまずジャージが脱ぎ捨てられ、その次にハーフパンツと下着が一緒に下ろされる。
ぷるん、と出てきた10代目のペニスは予想通り上を向いて先走りを滴らせている。
もう少し扱いてやればすぐにでも達してしまいそうな状態じゃないだろうか。
ごくり、とまたあからさまに喉を鳴らして唾を飲み込んでしまう。
オレの不躾な視線にも感じるのか、見ている間にも先端からは先走りがぷくぷくと漏れ出している。
10代目はジャージやハーフパンツを被ってきていた布団の上に放り、
オレの腹に手を置いてまたオレの腰に跨ってきた。
「っ・・・ん、・・・」
ちょうどペニスが擦り合わさるような位置に腰を下ろし、直接そこに与えられる刺激に息を吐く。
腰を少し動かすだけでくちゅ、と音が鳴るのは、両方のペニスがしとどに濡れているせいだろう。
10代目はゆるゆると腰を揺らしながら、片方の手を口元へ上げる。
口を開いて人差し指を少し潜り込ませたと思えば、中から赤い舌を伸ばしてその指に絡め始める。
唾液を乗せた舌でぺろぺろと指を舐め、舌が這ったところは唾液の跡ができた。
人差し指に続いて中指も銜えて、また同じように舌を這わせる。
時折指を銜えたまま口を閉じて耐えるようにするのは、ペニスへの刺激が気持ちいいからだろうか。
ゆるゆると腰を揺らしながら何度も繰り返して舐めた指は、ぬらぬらと妖しく光っている。
もしかして、そう思ったときに指が口の中の唾液を掬い取り、そのまま体の後ろへと持っていかれる。
腹に置かれた手に力がこもり、10代目の腰が持ち上がって体が傾く。
「・・・ん、」
小さく10代目の声が漏れる。
左手で体を支えて、右手は後ろに回っている。
この位置からは右手がどんな風に動いているのか分からなかったけれど、
どう考えてもこれは、10代目が自分で後ろを解しているんだ。
「・・・っ、あ、・・・ッ!」
甘く響く甲高い声。
その声を上げさせているのが自分じゃないことに悔しく思いながらも体は正直に熱を上げていく。
びくびくと体を震わせながら、後ろに回した手は休むことなく動いている。
一際大きく体を震わせるときには、腕の動きは止まり、前から先走りがどろりと溢れる。
10代目の先端から零れた先走りが肌に落ちる感触にさえオレの体は震え、
10代目の行為に視線が釘付けになる。
羞恥心からか10代目はずっと顔を俯かせたままでその表情は見えないけれど、
時折前髪の間から覗く寄せられた眉や、上気した頬はとても色っぽかった。
「っ、はぁ、ごくでらく、ん・・・」
「・・・はい、」
後ろから指が抜かれて前に戻り、左手の隣に置いて体を支える。
はぁはぁと荒い息の合間に呼びかけられて、上擦りそうになる声を抑えて返事をする。
「も、入る?触ったりしなくていい・・・?」
「大丈夫、です・・・」
もう何度目になるか分からないが、ごくりと音を鳴らして唾を飲み込む。
からからに渇いた喉はそれくらいでは潤いもしなかったけれど、そこでふと重大なことに気が付いた。
「じゅ、10代目、待ってください!」
それまでの快感も吹っ飛ぶくらいにいつものテンションで声を上げる。
いや、実際にはまだペニスは勃ったままだし全然いつも通りじゃないんだけど、
そんなことより大変なことを思い出した。
「ゴム!ゴムつけてください!」
10代目はまだとろんとした表情で間抜けな声を上げるオレのことを見つめる。
その表情だって腰にくる感じだけど、ほんと、そんなこと言ってる場合じゃない。
おろおろとするオレに10代目は少し考えた後、口を開く。
「ない」
「ないって!」
ないってなんですか10代目!ありますよ!
「寝室にあるんで、向こう行きましょう」
言いながら起き上がるオレを、10代目は肩を押してまたソファに沈める。
「・・・10代目?」
「いいんだよ、このままやるから」
「このままってなんですか!だめですよ!あ!」
このままやったらオレどうしたらいいんですか耐えられなくて10代目の中に出しちゃったらどうするんです
え、耐えろってことですか、出すなってことですか、それは無茶です10代目!
頭の中ではぐるぐると10代目に伝えたいことが渦巻いているというのに、
竿を支えられ、先端に10代目の入り口が押し当てられたことでひとつも言葉にすることができない。
ほら今だってひくひくしてる入り口の感触にだってガマン汁漏らしてんですからほんと無理ですってあー!
「っん、ん―――ッ!」
頭の中でいくら考えていても、下半身を襲う強烈な快感の前にぐちゃぐちゃに溶けきってしまう。
唾液で濡らした指で解したせいか、ぬるぬるとした内壁にゆっくりと飲み込まれていく。
たまにしかしてもらったことがないけれど、口淫を施されているような感じがする。
ぬるぬるとして、温かくて、そしてそれ以上に締め付けがすごい。
いつもは薄いゴムを一枚隔てた感覚が、直接ペニスに伝わってくる感覚は強烈だ。
やわらかくて温かいものにゆっくりと締め付けられて、一瞬でも気を抜けばすぐにイってしまいそうになる。
「っ、は・・・は、ぁ・・・」
ペニスが根元まで入りきり、10代目と肌が触れ合う。
ゆっくりと、けれどもじわじわと犯されていく感覚に、息が荒くなってしまっている。
10代目は動きを止めて呼吸を整えているのかもしれないけれど、
中はゆっくりと蠕動してペニスを刺激してくるから、オレの方は息を吐ける状態じゃなかった。
すぐにでも持っていかれそうな快感に、歯を食いしばって耐えるのが精一杯。
時折漏れてしまう荒い息は端から見れば滑稽に違いない。
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