横たわったままの10代目に声をかけ、そしてその姿にどきりとした。
さっきオレの首に腕を回していたからだろう、浴衣の袖が落ちて肩まで露になっている。
足の方はオレがやったからだけど裾が全てめくれていて、
両の太ももがむき出しになり、その間にペニスがちらりと顔を覗かせている。
衣服の役割をほとんど果たさず、ただオレを煽るためにあるような布。
その姿に、鼓動が異常に早くなるのを感じた。

「獄寺君、何持ってきたの・・・?」

少し落ち着いたようだけど、依然としてとろとろの表情で見上げられて思わず唾を飲む。
それでも何でもない風を装って、手にしたものを10代目に見せた。

「これです」

手にしたものはコンドームとゼリーだ。
それを目にして理解すると、10代目はふふ、と笑う。

「それ持って来たんだ」

そう言われて少しの恥ずかしさを感じながらも言葉を返す。

「だって10代目と一緒の、二人きりの旅行ですから」

付き合ってる人との二人きりの旅行なんだから、期待するに決まってる。
そんな雰囲気にならなかったら仕方がないけど、
もしそういう流れになったとして、用意してなかったら悔やんでも悔やみきれない。
それに10代目はボスになる人だから、二人きりでの旅行なんて、これが最後になるかもしれないのだ。
期待しない方がおかしいだろう。
そんな風に自分の中で自分を正当化しながら、布団の横にそれらを置く。

「そんなに持ってきたの?」

箱ごと置かれたコンドームを見て、それからオレをちらりと見上げて聞く。
中身だけ持って来て、鞄の中で袋が破れたりしないように、って意味で箱ごと持ってきたんだけど。
にやりと笑ってわざと耳元で囁く。

「ええ。いっぱいしましょうね」

それを聞くと10代目は顔を横に向けて、
小さな声で「えっち」と言う。
そのかわいらしい様子にくらくらする。
みるみるうちに赤く染まる耳をべろりと舐めた。
ぴくりと肩を震わせて、そのまま布団に顔を埋める。
耳たぶをくわえて甘噛みし、舌に唾液を乗せて耳殻を舐め上げた。
耳の後ろに吸い付くと、髪の毛からシャンプーのにおいがする。
そのにおいを嗅ぎながら、何度も何度も口付けた。
それに満足すると耳の上を移動して、今度は耳の中に舌を差し入れる。
ぺちゃり、と音を立てながら舌を入れ、また音を立てて舌を抜く。
舌をゆっくりと抜き差しして、耳の中をねっとりと舐める。

「ぁ、あ・・・」

びくびくと体を震わせてオレの舌から耳を離そうと動くけれど、
動いた分だけ追いかけて、さらに奥まで舌を差し込む。
じゅぷ、じゅ、と音が大きくなるにつれ、体の震えも大きくなる。
音を聞き取る器官の中で濡れた音を直接立てられ、
さらにぬるりとした舌の感触に性感を高まらせているのだろう。
手のひらを胸の辺りでさまよわせれば、乳首が布の上でもはっきりと分かるほどに立ち上がっている。
ぷつりとした小さな乳首を指の腹で撫でるように刺激する。
その上を布が覆っているため、指はひっかかることなくスムーズに動く。

「あ、あ、んっ・・・あぁっ・・・!」

爪の先でひっかくと、おもしろいほどにびくりと体が震える。
それでも構わずに指を動かし続けると、そのたびに声が上がった。
いったん耳から舌を抜き取り、顔を胸へと移動させる。
左の乳首に顔を寄せ、浴衣の上からぺろりと舐めた。
右の方は浴衣を剥いで、直接指で刺激する。
舐めるたびに浴衣は濡れていき、下にある乳首の存在が際立ってきた。
重くなった布を懸命に持ち上げるそれに、やわらかく歯を立てる。

「ふぅ、んっ」

刺激を与えられるごとに10代目は声をあげてオレを煽る。
オレは顔を移動させて、むき出しになっている乳首に吸い付いた。

「っあ、あんっ!」

小さく主張するそれにねっとりと舌を絡ませて、乳輪ごと口に含み、強く吸う。
片方を舌で念入りに愛撫をしながら、もう片方には指で愛撫を施す。
唾液で濡れた布をまとわり付かせながら立ち上がる乳首を、そのまま指でこねるようにする。
濡れた布が重量を増してじっとりと乳首を擦り上げる。
両方をしばらく刺激し続けていると、
ひっきりなしに上がっていた声はだんだんと荒い息を交えるようになる。
顔を上げて見てみると、刺激され続けて感覚がなくなってきたのだろうか、
ひくひくと体を震わせながらも、物欲しそうにオレを見上げてくる。
露になった乳首は唾液に濡れて鈍く光り、
もう片方は浴衣が淡い染みを作り、その真ん中を持ち上げてぷくりと主張している。

「獄寺君・・・」

それを見ているとまだまだ弄り続けたい気もしたが、
10代目が触って欲しそうに足をもぞもぞと動かすので、
その足を広げて中心部を夜気にさらす。

「ぁ・・・」

そうすると10代目は困ったようにも恥ずかしそうにも見える表情をして目を逸らす。
その表情に、中心で立ち上がって震えるペニスに、オレはどうしようもなく煽られる。
掴んでいたひざから右手を動かし、ゆっくりと太ももを撫でる。
それだけで10代目は足をぴくんと揺らし、その振動でペニスも揺れる。
ゆるゆるとやわらかい内股を撫でながら、10代目の表情を観察した。
足を撫でると気持ちよさそうな、でも物足りなさそうな顔をする。
ゆっくりと手を中心部に近づけながら足の付け根を撫でると、期待したような光が目に宿る。
それからまた中心部から離れて太ももを撫でると、残念そうな表情になる。
掴んだままの右ひざは、時折閉じるために力を入れられるが、
しかしそれをさせずに足を開かせたままにする。

「10代目、触りますね・・・」

体を倒して10代目と唇を触れ合わせると、
恥ずかしそうに目を逸らして小さくこくりと頷いた。
また体を起こしてひざに置いた手を滑らせる。
ゆっくり、やわらかく握りこむと、10代目の体がびくりと跳ねた。
それまでの刺激ですでに立ち上がっていたペニスを強弱をつけて扱く。

「ん・・・ん・・・んっ」

手を上下に動かすたびに、小さく声が漏れる。
声を押さえようと手の甲を口に当てる仕草は相当かわいらしい。
先端からは先走りが漏れ始め、それを指に絡め取って扱くと、くちゅくちゅと音が立つ。

「ぁ、は・・・んん・・・」

だんだんと先走りの量は多くなり、幹を伝って下まで落ちる。
そこをまた手で擦り上げると、くちゅりと音を立てて手に先走りが絡みつく。
竿の部分を扱き、たまに先端を指先でくすぐる。
そうするうちに、10代目はゆるゆると腰を振り始めた。
ペニスを扱かれながら腰を振る10代目の姿はたまらなくいやらしい。
その姿を見ているだけでイけそうな下半身を何とか抑えつけて、なおも10代目のペニスを弄る。
親指で裏筋をゆっくりと撫で上げて、でっぱったところをくすぐった。

「ぁ、あぁ・・・も、」

10代目は喉を反らせてひくひくと喘がせながら限界を訴える。
親指と人差し指で先端をくりくりと弄り、先走りを十分に手に絡ませると、強く早く上下させる。

「や、ぁ、アアッ・・・!」

ひときわ大きな声を上げて、10代目は先端から精液を滴らせた。
握っていた手で角度を調節したため、精液は全て10代目の体に降り注ぐ。
大半ははだけた胸へと浴びせられ、その一部は首筋にまで飛んだ。
勢いを失ってぽたぽたと零れた精液は、腹にまとわりつく浴衣を白く汚した。
手を伸ばして胸にかかった精液を全体に伸ばし、特に乳首に塗りつける。
ぷつりと立ち上がった乳首が指を嫌がるようにぷるぷると動く。
射精直後で意識はぼーっとしているが、体の方は敏感に反応を返す。
ひくんひくんと軽い痙攣を起こす体を眺めてから、布団の外に置いてあったゼリーに手を伸ばす。

「10代目、力抜いててくださいね」

言いながらキャップを開けて中身を手の上に出す。
手についた10代目の精液と混ざりながら、それが体温に馴染むまで少し置く。
ひざを持ち上げてアナルが見えるようにすると、
たっぷりとゼリーを乗せた指を一本、その中へと入れていく。
ひくん、と小さく反応するが、そこまで抵抗はない。
ゆっくりと、中を傷つけないように慎重に指を奥へと進めていく。
オレの体温も上がっているから、指もあたたかいはずだけど、
それでも10代目の中は熱く感じるほどだ。
その中にこれから入るのだと思うと、下半身の熱がぐんと上がる。

指一本ならあまり違和感はないのか、10代目は小さく呼吸をしている。
中に入れた指をゆっくりと回し、少しずつ広げていく。
そうするとぴくぴく反応するが、苦しくはないようだ。
指が何の抵抗もなく動くようになると、入り口まで引き出す。
それからもう一本添えて、ゆっくりと中へ押し込んだ。

「ぁ・・・」

ぴく、と腰が揺れ、そのたびにペニスが揺れる。
一度射精して力を無くしたそれは、アナルへの刺激によって再び立ち上がっていた。
よかった、気持ちいいみたいだ。
そのことに安心して、また中を広げる作業に専念する。
中に入れた二本の指を広げるように動かした。
くちゅ、くちゅと控えめな音がする。
指で中を広げながら、体温で溶けたゼリーを内壁に塗りつける。
ぐるぐると指を動かし、なるべく奥の方まで指を伸ばす。
ゼリーを補給するために中に入れた指を引き抜くと、10代目は高い声で啼いた。

「ひっあ―――ッ!」

ひくりと揺れたペニスからは先走りが溢れ出ていて、
根元の柔らかい草むらにぽとぽとと落ちている。


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