「じゅうだいめ・・・」
頬に手を添えると小さくぴくぴくと震える姿に情欲を煽られながら、
体を倒してもう一度10代目に口付けた。
開いたままの唇にそのまま舌を差し入れて、やわらかな舌を絡め取る。
舌先で表面を舐め上げて、そのまま裏側へとくすぐっていき、
口内で跳ねる舌を追うようにして舌先同士を擦りつけ合った。
くすぐったさと紙一重の快感が首の後ろをちりちり焦がす。
もう一方の手のひらを脇腹に添えて撫で上げれば、ぴくりと体が浮き上がった。
「っあ、・・・」
少しずつ息の上がってきた10代目の体を這う指先が、あばらをなぞり胸に辿り着く。
シャツの上からでも分かる小さく立ち上がった乳首を親指でそろりと撫でた。
あふれる唾液をすすり、絡めた舌を吸い上げて体を起こせば、
唇の間で繋がった唾液の糸がわずかに引いてぷつりと切れた。
頬を撫でていた手のひらを、首筋、鎖骨と下ろしていく。
そのあとを辿るように濡れた唇を押し付けた。
ちゅ、ちゅ・・・と小さく音を立てながら、滑らかな肌をついばんでいく。
唇を動かし、肌に擦りつけ、指も同時に動かせば、10代目の体がぴくぴくと跳ねている。
その反応に嬉しくなって、トレーナーの襟元から鼻先を突っ込み、鎖骨の下の平らな胸を舐め上げた。
「あっ・・・ぅ、っく・・・ぁ・・・」
顔を動かし肌に口づけ、指を動かし突起をいじる。
下から撫で上げ、上から撫で下ろし、その単調な動きを繰り返していれば、
10代目の体の震えは次第に小刻みになっていく。
感覚を散らすためにかわずかに身をよじるけれど、体をいじる妨げにはならなかった。
指の腹を押し上げてくる乳首を円を描くようにこね回す。
硬くなったそれを指で摘んで擦り合わせれば、びくびくと震えが大きくなった。
「あ、ァ・・・あっ・・・」
「10代目・・・」
10代目の体温がふわりと上昇する。
襟元に突っ込んだ鼻先を、10代目のにおいがかすめた。
10代目のお宅の石鹸でもうちのボディソープでもない嗅ぎ慣れないにおいにまぎれて
よく知った優しい10代目のにおいを感じ取り、嬉しくなって肌蹴た体を舐め回す。
舌触りのいい肌を舐め進め、ぴくりと反応のあった場所を舌先でさらにくすぐる。
じっとりとオレの唾液で濡れた場所には唇を当てて、こぼれた唾液を吸い取っていく。
唇の届く範囲にくまなくキスを送り、ようやく顔を離して体を起こして見てみれば、
跡がつかない程度に吸いついた肌は、他の場所よりも赤く染まっていた。
「はぁ・・・っは、・・・ぁ」
少しずつ息が上がってきた10代目の頬もほんのり赤く染まっている。
もう一度体を倒して舌を伸ばして耳のふちを舐めながら、吹き込むように問いかけた。
「10代目、気持ちいいですか?」
「っ・・・ァ、」
ひくりとのどを震わせながら、喘ぎの混ざる吐息をこぼした。
明確な返事は聞けなかったが、その反応に不快な色は見えないから、そのまま舌を進めていった。
唾液を乗せた舌でゆっくりと、耳殻の形に沿って奥へと向かってなぞっていく。
大衆の意見を取り入れる崇高な耳。
10代目の内側へ続くその道を、心酔するように何度も繰り返し舐め上げた。
「んっ・・・んぅ・・・っは・・・」
ぴくりぴくりと体を震わせる10代目の肌は、しっとりと汗ばんできているようだ。
首筋から香り立つ10代目のにおいにうっとりしながら舌と指を同時に動かす。
乳首への刺激はそろそろ布越しでは痛いだろうから、布の表面を掠める程度に往復させれば、
それが気持ちよかったらしく、鼻から抜けるようななき声が聞こえた。
「10代目・・・」
舌先を尖らせて奥へ差し込み、細い道の壁をなぞり上げる。
舌を奥へと入れるたび、くちゅくちゅと濡れた音がし始める。
濡れた耳へと息を吹き込むようにして呼びかければ、
ひくりとのどを動かして、こちらへと意識を向けてくれる。
それが嬉しくて、自然と唇は笑みの形を作った。
ぬるつく中にもう一度舌を差し込んで、
舌を支点にして中に塗りつけた唾液を吸い上げれば、10代目の体がびくびくと震えた。
「ひっ、あ・・・!」
顔を背けられて舌が耳から抜け出してしまった。
少し残念に思いながらも吸いつきたいと思っていた耳の裏側と首筋があらわになって、
欲望のままに首を動かして唇をつける。
ちゅう、と音を立てて吸った耳の後ろはほんのり熱く、10代目のにおいが強くなっていた。
「ぅ・・・、んっ・・・」
「10代目・・・腕、上がりますか」
わき腹を撫でていた手のひらを奥へと差し込み、そのまま服の裾を持ち上げていく。
胸の上で服がたまると10代目はゆるく握っていたオレの服から手を離し、
ゆっくりと頭の上に持ち上げてくれた。
あらわになった白い肌を撫でていた手を止めて、10代目の首と腕からトレーナーを抜き去る。
一瞬隠れてすぐにまた現れた顔に嬉しくなって口づけて、何度も10代目を呼んだ。
「10代目、10代目・・・大好きです、10代目」
「ん・・・、オレも、好き・・・ごくでらくん・・・」
言葉を途切れさせながらも精一杯答えてくれる10代目がとても愛しい。
再びトレーナーを握りしめてきた10代目に胸が熱くなった。
「10代目、オレも服脱ぎたいです。脱がせてください」
やわらかな頬に口づけて、子どものように甘えてみる。
10代目と触れ合いたい。
こんな布で隔てないで、肌と肌で触れ合って、直接10代目を感じたい。
ふぅふぅと荒い息遣いの合間にふわりと笑う。
薄暗い闇の中には不似合いな、けれどやわらかい明かりの灯るような優しい笑みを見せたあと、
10代目の指先がオレの服を掴んだままゆっくりと持ち上がっていく。
熱くなった体に外気が触り、ぶるりと震える。
けれどそれは肌寒さのせいだけじゃなく、状況からくるものも大いに関係していると、自分ではよく分かっていた。
トレーナーを脱がせてもらって、体をぴたりと重ね合わせた。
服を着たままの状態で抱き合うのももちろん嬉しくて気持ちよくて大好きだけど、
肌と肌が直接触れ合うように抱き合うのは、もっと特別な感じがする。
ありのままで抱きしめ合って、身じろぎするたびに擦れ合うところから、
痺れるような気持ちよさが体中に駆け抜けていく。
「10代目・・・」
呼びかけて、あらわになった肌へと唇を落とす。
服を引っ張って無理やり口づけたところよりも、さらに深く、体の中心へと向かって唇を滑らせていく。
くちゅ、くちゅ、と湿った音をさせながら、なめらかな肌に吸いつき、舐め上げ、歯を立てる。
他の部分よりも赤くなった肌を見て心の中が満たされる。
1日も経たずに消えてしまうような跡だけれど、自分が10代目に触れていることを証拠として残せることは、
快感や欲望といったものとは別の部分を満足させた。
なめらかな肌の上を移動しながら、赤く色づいた乳首へと寄せていく。
唇が近づく気配を感じてか、手のひらの下で薄い体がぴくりと反応した。
は、と熱い息を吐き出して、服の上から散々いじったそれを口の中へ迎え入れた。
びく、とそれまでよりも大きな反応。
舌に当たるふくらみを優しく吸えば、あ、と控えめな声が暗闇に溶けた。
硬くしこった乳首を舐め上げ、その付け根をえぐるように舌先を当て、
口の中にたまってきた唾液と一緒に肌をゆっくり吸い上げれば、
10代目はそれに合わせるようにゆるやかに体を震わせた。
あばらを撫でるように胸の辺りでさまよわせていた手のひらを下ろしていく。
手のひらを追うように、体の中心にうっすらと現れた腹筋の線を辿りながら唇を下ろしていけば、
薄い皮膚の下でしなやかな筋肉がひくひくと震えるのが分かった。
骨ばっているようで、触れてみればやわらかな体。
愛おしむように手のひらで撫でながら体の線をなぞり、
唇に触れるやわらかくなめらかな肌にたまらなくなって、
わき腹や腰骨の辺りに強く吸いつき、先ほどよりも色濃い跡を体に残した。
その跡を見やり、満たされ、体を起こす。
ゆるいズボンと下着に指をかけて、手荒くならないように気をつけながら下ろしていく。
なめらかな下腹部、ほどよく筋肉のついた太もも、引き締まった足首を抜き去り、ベッドの後ろへ置いておく。
足首に触れ、今度は逆に下から上へと手のひらで撫で上げていけば、
ぴくりとひざを震わせて、居心地悪そうに身じろぎした。
オレの不躾な視線を感じているのかもしれない。
それまでの刺激に立ち上がったペニスは主と同じように居心地悪そうに揺れている。
体と同じく細身のそれは、けれど芯を持って立ち上がっている。
太ももの内側を揉むようにしながら足の付け根へと移動して、
オレの手が動くたびに反応して揺れるそれにそっと触れて根元を支えた。
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