「・・・っ、ごく、でらく・・・」

甘い声に再び熱を上げながら、体を倒し、唇を寄せる。

「舐めさせてください」
「っ・・・あ！」

溢れてくる唾液を舌に乗せ、大きく口を開いて先端を舐める。
先端の割れ目を何度も往復するように舌を動かす。
亀頭を唇ではさんでゆるく締めつけ、震える根元を指先でやさしくくすぐった。

「はっ・・・ぁ、あ・・・っ」

ゆるゆると腰が揺れ始めた10代目にうっとりと口元をほころばせる。
オレの施す愛撫で感じてくださることがこんなにも嬉しい。
ぞくりと内側に湧き上がる欲望を抑え、ぬぷりと音を立てながらペニスを根元まで飲み込んだ。

「っア・・・」

口の中の唾液を飲み込むのと同時にペニスを口内の粘膜で締めつける。
びくり、ペニスが震え、少し大きくなった気がする。
締めつけたまま、ゆっくり頭を上げて口内からペニスを抜き取っていく。
真空を作った口内では、びくびくと先端が波打って、耐え切れなかった先走りがとぷりとにじむ。
ひくり、頭の上ではやわらかな腹が打ち震え、
顔の横ではシーツを蹴った反動で太ももが落ち着きなく動いている。

「あっ、あっ・・・ごくでらく・・・ぁ、あっ・・・！」

ちゅぷ、と音を立てながらペニスを抜き出し、尖らせた舌先を先端に押し付け、穴にねじこみ舌を揺らす。
びくん、と大きく竿が揺れて、続いて先走りにしては少し濃い粘液が舌に届く。
小さな入り口からは舌を少ししか潜り込ませられないが、
敏感な性器の内側をぐりぐりとやわらかく舐め続けていれば、
穴はひくひくと収縮し、とぷとぷと精液を吐き出し始める。

「ぁ・・・ア・・・」

10代目の体がびくびくと大きく痙攣を始める。
慌てて根元をくすぐっていた指で根元をせき止めて、深く舌を押し込み入り口をふさぐ。
そのまま再び亀頭を口内に迎え入れて、溢れた精液をじゅ、と音が鳴るほど吸い上げる。
独特な味のするそれを唾液と共に飲み込んで、指は根元を締めつけたままで、唇を離し、顔を上げる。
頬を赤く染め、手の甲を口に押し当てながら、荒く息を吐き出している10代目からは
オレを狂わせる何かが出ているのかもしれない。
自分の体は一切刺激せずとも、10代目に触れて、10代目の乱れた姿を見るだけで、こんなにも昂ってしまう。

意識を保つためにか強い光の灯った瞳はどこかの一点を見つめている。
体を伸ばし、首筋に口づければ、まぶたを縁取るやわらかな色のまつげがふるりと震えた。
その扇情的な様子にこみ上げてくるものを飲み込んで、荒くなりそうな手つきを気をつけて、
根元を掴んだままのペニスを先端へ向かって搾り上げれば、
ぴくり、声を出さずに唇がわなないた。
尿道に残る精液が先端で丸くしずくを作る。
親指を伸ばしてそのしずくを塗り広げ、もう一度、今度は輪を作った指を根元の方へ下ろしていった。

「っ・・・ごくでらく、も・・・いきたい・・・」

普段ならこの辺りで一度イかせて差し上げるところだけれど、今日はそうもできない。
熱くなった頬、涙のにじむ目元に口づけ、視線を合わせて口を開く。

「ごめんなさい、10代目。今日はだめです。我慢してください」
「なんでっ・・・！」

信じられない、という風に瞳を開いて10代目はこちらを見やった。

「何回も射精すると疲れます。明日も修行がありますから。今は我慢してください」
「・・・この方がしんどいよ・・・」
「すみません」
「やだ・・・いかせて、ごくでらくん・・・んっ・・・っ、」

これ以上10代目に煽られ続けたら自分でも抑制が効かずにひどくしてしまいそうで、
理性を揺さぶる言葉を紡ぐ口をふさいだ。
絶頂の間際で昂った10代目の口内はひどく熱い。
熱い、10代目の中に、自分の欲望を、入れて、突き上げて、むさぼりたい。
熱に侵された思考は危険だ。
冷静な部分でそう思うものの、10代目をむさぼるような口づけはなかなか止めることができない。
息苦しさに顔を背ける10代目を追って、もう一度重ねて唇を求めた。
やわらかい唇を食んで、舌先でくすぐり、ぴたりと閉じた隙間からねじ込んで、唇の裏側を舐める。
何度も何度も往復して舐めるうち、唾液が溢れるようになり、
唇を合わせたまま音が鳴るほど吸い上げれば、あ、と小さく声がこぼれてしっかりと噛み締められていた口が開いた。

「あっ、は・・・」

吐き出された吐息が唇に当たる。熱い。体も意識もぐらぐらしている。
許された口内に舌を差し入れ舐め回しながら、体を支えていた手をベッドから持ち上げて10代目の体の線を辿る。
汗ばんだ肌は手を動かすたびに指が引っかかって、ときおり無骨な刺激を与えてしまう。
体の側面を上下に辿り、前に移動して円を描くように撫でていく。
つんと立ち上がったままの乳首を指先でいじれば、ぴくんと口内で舌が跳ねた。
10代目、10代目・・・唇を離したくなくて、何度も心の中で10代目を呼ぶ。
硬く尖った乳首を指の股に挟み引っ張るようにすれば、10代目は耐え切れずに口を大きく開き、高い声でないた。

「あ―――ッ」

ほどけた口づけを残念に思う余裕もなく、におい立つ首筋に歯を立てる。
やわやわと噛みつきながらはさんだ乳首を指の間に擦りつけ、10代目の足をまたぎ、勃起したペニスを擦りつけた。
ぞくぞくと腰から湧き上がる快感のせいで脳が揺れる。
胸をいじっていた手を下へと移動させ、淡い茂みをくすぐり、体の奥の、つながる部分へと指を滑らせた。
ひくり、と10代目の腰が震える。
アナルの入り口を、指の腹でそろりと撫でれば、
そこは快感のためにか震えていて、指を動かすたびにひくひくと収縮を繰り返す。
はぁ、と熱い息を吐き出して、乾いた唇を舐めて湿らせる。熱い。

「10代目・・・ゴムなんて持ってないですよね・・・」
「っ・・・ない、よ・・・」

着の身着のままこの時代に飛ばされてきたため、そんなもの、持ってきていない。
未練がましく聞いてみてたが、もちろん10代目もお持ちではなかった。
この部屋にもたぶんないだろうし、あるかどうか分からないものを探すために10代目を離したくなんかない。

「入れません、けど、中・・・触ってもいいですか・・・」

それまでよりも強く、指の腹を押しつける。
もう少しで潜り込んでしまいそうな感触にそれまで以上に息が上がる。
中に入れて、擦って、引っかいて、揺らして・・・10代目を気持ちよくして差し上げたい。
余すとこなく10代目のすべてに触れたい。

「10代目・・・」
「・・・さ、わって・・・いっぱい、ごくでらく、の、ゆびで・・・っあ！」

10代目の返事を耳にして、考える間もなく指が動いた。
つぷ、と指の第一関節が中へ潜り込む。
内壁を擦るように動かして、10代目の体がびくりと強張ったのに気づく。
水気が足りずに乾いていて、摩擦が大きく苦しいようだ。
一度10代目の中から指を抜き、口元へ寄せて唾液を塗りつける。
指先から根元へと舌を動かし口に含む。
口の中の唾液を指で掬い取り、一度口の中から抜き出して、指の間に舌を這わせ、指の根元や股まで濡らしていき、
どろりと手のひらに伝うようになるまで唾液をまぶした。

まとわせた唾液が落ちてしまわないように用心しながら、指先を再び10代目の足の間へと持っていく。
もぞりと、隠すためか触りやすくするためかどちらかは分からないが、シーツを蹴って足が動く。
薄く肉のついた太ももの間に腕を差し入れて、もう一度、奥まった場所へとまずは中指を一本押しつけた。

「っ、・・・ぅ」

濡れた指先が入り口に触れる感触に、10代目が小さく声をこぼす。
指先を揺らして押しつけながら、ゆっくり、中へと沈ませていく。

「あっ・・・」

ひくん、後ろを収縮させながら声を上げる。
10代目が何かを耐えるように首を振り、そのたびにぱさぱさと髪の毛がシーツを打った。
ぬめりを増した指は抵抗が少なく、ゆっくりと深くまで入っていく。
根元まで入った指が、きゅうきゅうと内壁に締めつけられる。
その熱さと締めつける感触が心地よくて、中から抜き出すことができない。
指を入れたまま少しずつ中を広げるようにかき混ぜたり、揺らしたり、中の感触を味わっていく。
はぁはぁと少しずつ息が上がるのはどちらも同じだ。
根元を締めつけたままのペニスが中の感覚にひくひくと震える。
少し未練を残しながらも指を引き抜き、また奥へと差し込んでいく。
荒っぽくならないように気をつけながら、指の抽挿を繰り返す。
塗りつけた唾液の音がくちくちと響く。
この中に、自分のペニスを押し込んで、深く、強く、突き上げたい。
伸ばしたままでただ慣らすだけの指の動きに焦れたのか、10代目の腰が揺れ始める。
指が奥を強く突くように、気持ちいいところを掠めるように、
タイミングを合わせてゆるゆると腰が揺れている。

「10代目・・・すげー、えろいっス・・・」
「あっあっ・・・やぁっ・・・」

お望みのとおり、指を曲げて前立腺を押し上げる。
それまでの刺激でふっくらとしこっているそれは、探すまでもなく中を移動するたびに指の腹に当たっていた。
抜き差しを止めて、10代目の気持ちいいそこを、ぐりぐりと押しつぶすように刺激する。
指を食むアナルの収縮は激しくなり、反らしたのどがひくひくと震えて声にならない喘ぎをこぼしている。
10代目の姿にますます息は上がり、ごくりとつばを飲み込んだ。
もう一本、外で待機していた人差し指を、アナルのふちに添えて、入口を広げながら中へと潜り込ませた。
まとわせた唾液が冷えて冷たくなっていたその指には、10代目の中は火傷しそうなほどに熱い。
2本の指でぐじゅぐじゅと音をさせながら内壁を擦り上げ、
先ほどと同じように前立腺で指を止めて、今度は2本の指の腹で交互に擦り上げた。

「あっ、あぁぁ・・・っ！」

びくん、びくん、と10代目の体の震えが激しくなる。
根元をせき止めたままだった指の輪できつく戒めながら、竿をゆっくりと擦り上げた。


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