掃除当番は先週で終わったので、今日からしばらくは授業が終わるとすぐに帰れる。
「10代目、帰りましょう!」
いくらか禍々しいオーラが薄れた獄寺君が席まで迎えに来てくれる。
「うん、帰ろっか」
かばんの中に筆箱をしまって、立ち上がる。
教室を出る時に、クラスの野球部の奴らと話している山本にドアの近くで一声声をかける。
「じゃあな、ツナ。獄寺」
「うん、また明日。部活がんばってね」
オレの後ろに立ってる獄寺君には見えないように手を上げて顔の前でこっそり「ゴメン」のポーズをした。
それでも嫌な顔ひとつせずにニコニコ頷いてる山本を見て、獄寺君が帰ったら絶対手伝いに行こうと心に決めた。
家に着いたところで、ちょうど家を出ようとしてる母さんと鉢合わせる。
「あれ?母さん、今から買い物?」
「そうなのよ。1つ買い忘れたものがあって・・・こんにちは、獄寺君」
「こんにちは」
「今日はうちに寄ってくの?」
ぺこりと礼儀正しくお辞儀する獄寺君を母さんはとても気に入っていて、
何かにつけて家に上がらせようとする。
たぶんミーハー心がうずいてるんだと思う。
「はい、お邪魔させて頂きます」
「どうぞどうぞv台所に頂いたケーキがあるから、好きなの選んで食べなさいね」
獄寺君の言葉に少し違和感を感じる。
母さんはこんな調子だから気づいてないだろうけど、
普段なら獄寺君はオレの許可があっても、母さんにもう一度許可を求めるのに。
母さんが獄寺君を家に入れないなんてことは絶対にないだろうけど、
もし断られたら駄目な、重要な用事があるんだろうか?
そういえば獄寺君の用事が何なのか聞いてないなぁなんて
今更ぼんやり考えて、母さんと入れ違いに家に入った。
台所でケーキを選んで、紅茶と一緒にお盆に載せて、獄寺君に運んでもらう。
部屋に入ってかばんを下ろしていると、お盆をテーブルに置いた獄寺君が口を開いた。
「10代目」
「何?」
振り返ると思ったより近くに獄寺君がいて、少し驚いた。
一歩後ろに下がろうとして、ベッドにつまづいてシーツの上に尻餅をついてしまった。
相変わらずどんくさい自分が恥ずかしくて
照れ隠しに笑って獄寺君を見上げると、オレとは対照的に苦い顔をしていた。
「獄寺君?」
「そうやって、誰でも誘うんですか」
「・・・え?」
言われた言葉の意味が分からなくて呼びかけてみると、肩を押されてベッドに倒れてしまった。
「・・・ご、く寺君・・・?」
「山本の家で」
「う、ん?」
「山本と、こういうことしてたんでしょう」
するりと獄寺君の手がシャツの上を這い、胸をまさぐられる。
その指は明確な意思を持って突起に触れて、獄寺君のいう「こういうこと」がどういうことかを知らせてくる。
「え!?ちょ、何言ってんのっ!?」
何だそれ。全くの濡れ衣だ。
話を聞いてもらおうと腕を突っ張って獄寺君を引き剥がそうとしても、全然動いてくれない。
それどころか抵抗したことに気分を悪くしたらしく、体重をかけられてさらに動けなくなってしまう。
「ちょ・・・待ってってば!山本の家って獄寺君が何で知ってんだよ!」
とりあえず動きを止めてもらいたくて必死に言った言葉が、余計獄寺君の癪に障ってしまったらしい。
目がすぅっと細められて、その目で見つめられてぞくりとした。
「やっぱりあれ、10代目だったんですね」
獄寺君の肩に添えた両手をまとめられて、
するりと簡単に引き抜かれたネクタイでひとまとめにされてしまった。
反論しようとしても、乱暴に体をまさぐられて言葉が途切れてしまう。
どうしたらやめてくれるだろうかと考えているうちにズボンと下着を取り払われた。
ぎゅっと性器を強くにぎられて、弱音を吐く。
「いたっ、獄寺君、痛いっ!!」
目にうっすらと涙がたまってきた。
それでも構わずに獄寺君を見上げると、無表情な顔で見下ろされて、背筋を冷たいものが走る。
「あいつは、もっと優しくしてくれましたか?」
「っ!違う・・・!」
強く握られたまま手を上下に動かされて、きつい快感が突き抜ける。
痛いのに、気持ちいい。
ひどいことをされているのに、抵抗するのを忘れてあえいでしまう。
「やっあッ・・・はっ・・・ん、ぅ」
ぐりぐりと性器の先っぽを指でえぐるようになでられて、気が狂いそうになる。
「ァッも、出るっ・・・!」
涙をぽろぽろとこぼしながら絶頂を訴えると、
ぼやけた視界の向こうで、獄寺君が口を上げて笑うのが見えた。
その笑みがいつも見ることがない種類の顔だと思って意識をそちらに向けると、
動かしていた手で急に根元から先端にかけて強く裏筋をなぞられた。
「っ、ア―――ッ!!」
我慢する間もなく達してしまい、顔を見られたくなくて横を向いた。
はあはあと大きく呼吸して息を整えていると、上からくすりと笑う声が聞こえた。
「早いですね」
耳のすぐそばから吹き込まれたその言葉には明らかにからかいが混じっていて。
この状況だとか、自分の格好も忘れて文句を言おうと顔を上に向けると、口の中に指を入れられた。
歯を合わせることができなくて、しゃべることができない。
う、だとか、む、だとか言って何とか声を出してみるものの、言葉にはならない。
その間にも口の中に入れられた指はオレの舌や上顎をくすぐっていく。
舌をいじられたり歯列をなぞる指の動きは、獄寺君の舌の動きを思い出させる。
だんだん気持ちよくなってきて指に舌を絡めると、指は口の中にたまった唾液を絡めて引き抜かれた。
次は何をされるんだろうとぼうっとしていると、急に足を大きく開かされた。
「ちょっ・・・やだ、恥ずかしいよ!」
恥ずかしい格好に、一気に頭が覚醒する。
部屋の電気はつけてないとはいえ、まだ夕方も早い時間。
太陽の光は明るさを失っていない。
明るい中で隅々まで見られるのが恥ずかしくて足を閉じようとしても、
獄寺君の手に足を固定されて動かせない。
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