ぎしり、と二人分の体重を受けたベッドが悲鳴をあげる。
10代目の頬に手を添えて軽くついばむようにキスをすると、10代目はふわりと微笑んだ。
その笑顔にオレはどうにも弱い。
オレがすること、オレが10代目の傍にいることを全部許してくれているんだって感じられる。
嬉しくて、嬉しすぎて、胸が締め付けられるみたいに苦しくなる。
「10代目、好きです」
もっと気の利いた言葉とか、惚れ直してくれるような甘いセリフのひとつでも言えればいいんだけど、
オレの口を突いて出るのはこの言葉だけだ。
10代目のことが好きで、好きでたまらない。
それしか知らない言葉を覚えたての子どものように、同じ言葉を繰り返す。
「好きです10代目。あなたのことが好きです」
いくら言葉にしても足りないくらいだ。
愛を囁きながら首筋に唇を滑らせる。
舌を伸ばして首筋を舐めると10代目は首を逸らし、髪の毛がシーツを叩き、ぱさりと音を立てた。
そのまま舌を鎖骨へと下ろしていき、荒く上下する胸にも唇を寄せた。
とくとくと、少し早めのペースで心臓が脈打つのを唇で感じる。
10代目の命を肌で感じ、愛しさがこみ上げる。
離れては口づけ、そしてもう一度。
何度も何度も、ありったけの愛をこめて。
10代目の体をなぞるように降りた手が、シャツの合わせ目に触れる。
申し訳なさそうに残されたボタンをひとつ、ふたつと外す。
体を起こしてシャツを開くと、線の細い体が現れた。
筋肉も脂肪も少ないふわふわとした体。
細い腰は大きめのズボンのせいで余計に細く見えた。
「10代目、綺麗です」
「っ・・・あんま、見ないでよ・・・」
オレはいつも見たまま、思ったままを言うのに、奥ゆかしい10代目はいつも照れて困った顔をする。
10代目を困らせるのはオレだって得策ではないと思うけど、でも10代目への賛辞は隠さずに伝えたい。
こんな時は、余計に。
体をかがめてへその横にキスを落とす。
失礼します、と一言10代目へ向けてからベルトを外した。
ジッパーを下ろす時もゆっくりと、傷つけないように、慎重に。
そのまま下着も一緒にズボンを10代目から取り払った。
10代目が身にまとうのは、袖だけ通したワイシャツ一枚。
シャツもシーツも真っ白で、その中に横たわる10代目はとても綺麗だった。
綺麗で、そして淫らだ。
10代目の姿を上から見下ろして、オレはごくりと唾を飲み込んだ。
恥ずかしそうに股間を隠そうとして腰を揺らす仕草が、無意識だろうけどオレを誘ってる。
体をかがめて、10代目の白くてやわらかい足に口づけた。
ふとももから足の付け根までをゆっくりと舌でなぞり、辿り着いた付け根の部分に強く吸い付いた。
オレが10代目のことを愛しているという証を、死ぬ気弾を受けた時でも見えない場所にこっそりと。
10代目とオレだけの秘密をひとつ、10代目の体に作る。
前につけた消えかけた痕に唇を寄せて、何度も何度も同じ場所に痕をつけて。
その痕が永遠に消えないもののように。
白い体にぽつんと浮かぶ赤い痕を見て、満足してから両手を10代目の足に添える。
まだ毛の生えていない滑らかな下腹部に何度も口づけながら、ゆっくりと下がっていく。
大きく口を開けて、少しだけ立ち上がった10代目のペニスを咥え込んだ。
「っ、ん・・・」
びくりと足が震えるのが手に伝わる。
舌を裏側に添えて、上顎で擦るように頭を動かす。
顔を動かすたびにたまる唾液を飲み込みながら、
ペニスに絡みついた唾液もすするように吸い付いた。
少し硬くなって緩く立ち上がった10代目のペニスを口から出して、今度は横から咥える。
やわらかく噛み付きながら根元まで移動し、袋にきつく口づける。
「ぅあ・・・っ、くぅ・・・」
ちゅう、と音をさせて、それから両方の袋を口に含んだ。
ひときわ大きく跳ねる足を押さえつけて、舌を這わせて吸い付く。
口の中で二つの玉を転がして、時折軽く歯を立てる。
コリコリとした感触に夢中になって噛み付いていると、10代目の口から漏れる嬌声はだんだんと大きくなってきた。
「ひぁ、あっ・・・!」
気づけばペニスは袋への刺激で完全に立ち上がり、先走りを流していた。
袋から口を離すと唾液の糸が現れて、ぷつりと切れる。
唇に垂れた唾液を舐め取り、舌を伸ばして茎を舐め上げて、辿り着いた先っぽを甘噛みする。
「っ――――!」
足がびくりと引きつるのを横目で見ながらカリの部分を歯で挟んで、先端のくぼみに舌をねじ込む。
ぺろぺろと、犬が水を飲むみたいに舐めると精液が溢れてくる。
その出口に舌を押し付けて音を立てて吸い上げた。
体を伸ばして10代目の唇を舐める。
腹に当たるペニスはそのまま腹で擦り上げた。
「10代目、気持ちいいですか?」
「っ、あぁ・・・」
気持ちよさそうに顔をとろけさせた10代目から、いつもより高くなった声が漏れる。
その表情、声、汗のにおい、10代目のすべてがオレの理性を剥ぎ取っていく。
赤く上気した頬を濡らす涙を舌で舐めて、そのまま耳元に唇を寄せた。
「後ろを慣らしますから、力を抜いておいてくださいね」
ほんの少し肩が揺れて、それが不安からなのか期待からなのかはオレには分からないけれど、
深く呼吸をしながらゆっくりと足を広げて、俺がそこを慣らしやすいようにしてくれた。
10代目のほっぺたに軽く音がなるような子どもじみたキスを落として、それから体をまた下に移動させた。
手を足に添えて、秘所に顔を寄せる。
唇をアナルに近づけて、伸ばした舌で入り口を舐める。
びくりと足に力が入るのを感じて、一度舌を引っ込めた。
「10代目、怖くありませんから。力を抜いて、ゆっくりと体をベッドに預けてください」
10代目がオレの言葉に弱々しく頷くのを見てから、顔の位置を元に戻す。
舌を伸ばして、入り口の周りを舐めていく。
時折袋の付け根まで尖らせた舌を這わせて、なるべく10代目が気持ちよくなるように動いた。
しばらくの間入り口の周りを舐め続けていると、ぺちゃぺちゃと水音が響き始めた。
「んっ、は、ぁ・・・ぅんっ」
次第に10代目の足が持ち上がり、宙を蹴るようになると、どろりとした精液がゆっくりと陰茎を伝って流れてきた。
秘所を濡らすのはオレの唾液と10代目の精液で、舐めるたびに独特の風味が口に広がった。
「っ、あ、もう・・・変、変になるっ・・・!!」
先走り、というには少し量の多い精液が、
アナルといわず太ももの内側も濡らしていき、足を固定していた手がぬるりと滑るようになった。
もう一度足を手で掴みなおし、先ほどよりも10代目の体を深く折り曲げた。
長い間舐めて緩んだ入り口に、ゆっくりと舌を差し入れる。
「っ、あっ、あ―――!!」
びくり、びくり、と体が大きく痙攣し、続いて大量の精液が流れる。
10代目の足の間に埋めた顔にもどろりとかかり、10代目のにおいに酷く興奮した。
達してしまったのかと思って舌を引き抜いてみると、いまだペニスはそそり立ったままだ。
「10代目?イッたのにまだこんな元気なんですか?」
「ゃ、ち、違う・・・っ」
「違う?イッてないのにこんなに漏らしちゃうほど気持ちよかったですか?」
「っ!ちがっ・・・!」
10代目の体に乗り上げて、目を合わせる。
「ほら、10代目。いっぱいこぼしちゃったの、分かるでしょう?」
オレの顔にかかった精液が見えるようにすると、10代目は顔を逸らしてしまった。
これ以上からかって怒らせるのもよくないので深追いはしないことにする。
向けられたほっぺたにからかってすみませんのキスをしてから、
顔にかかった精液を指先でぬぐい、舌で慣らしたアナルにゆっくりと近づけた。
そこに指が近づくたび、10代目の濡れた瞳が揺れる。
期待と困惑が混じった色で、俺を釘付けにする。
その瞳の色が変化する様を見逃さないように目を合わせて、指をゆっくり差し込んだ。
はぁ、と切なげな声が漏れる。
背筋をぞくぞくと突き抜けていく色っぽい声。
幸い痛みはないようなので、自分の欲望に背中を押されるまま、そこを開いていく。
奥へ奥へと誘われるまま指を根元まで入れきった。
「きつくないですか?」
中で指をゆっくりと揺らしながら声をかけると、10代目は頭を縦に動かした。
それを合図に指の動きを早める。
くちゅ、くちゅ、と音がするたびに、10代目は唇を噛み締める。
「10代目、声を出した方がつらくないですよ」
何かをこらえるような表情の10代目を見やり、
きつく結ばれた唇に舌を這わせて、ゆっくりと開かせる。
「んぁ、違っ・・・ぁ、あんっ!」
高い声が漏れた途端、10代目の顔が真っ赤に染まった。
「すごく、かわいい声ですよ。オレにもっと聞かせて下さい」
「ひぁっ、んんっ・・・!」
中に入れた指に沿わせてもう1本指を押し入れると、それまでよりも大きな声が上がった。
ひくひくと指を食むように動く内壁に思わず笑みがもれる。
言葉には出してくださらないけど、体で精一杯オレのことを求めてもらえてるようで。
愛しくて、愛しくて、仕方がない。
10代目の体が動くたびに、顔の下で小さな乳首がふるふると震える。
赤く色づくそれはどうにもオレを誘っているようにしか見えなくて。
誘惑に逆らうことなく、舌を伸ばして乳首を舐めた。
今まで放っておいたのに、ペニスやアナルへの刺激でぷくりと立ち上がったままだ。
唇で挟んで、音がするくらい吸い上げる。
やわらかく噛み付いて、その間もアナルをほぐす指を動かし続けた。
「っあ、あ、ん、獄寺君、もうっ・・・」
乳首から離れる時にちゅっと音を立てて、それから10代目の顔を覗き込んだ。
「もう、いいよ、はやくっ・・・」
「まだ、だめです。もう少しだけ、我慢してください」
三本に増やした指をばらばらに動かして、広げる動きに変える。
もうここまで来ると、10代目はどんな動かし方をしても感じてくれて。
瞳の奥が快感に揺れるのを見ながら、オレも勃起を張り詰めさせた。
めちゃくちゃに動かした指が前立腺に当たるたび、中に入れた指がきゅうきゅう締め付けられる。
そのたびに10代目は切なげに眉を寄せて熱い息を吐く。
「も、だめ・・・ごくでらくんの、いれて・・・」
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