舞台を拝見していると、舞台の表で演奏する時と左奥で姿を見せずに演奏するときがありますね。
 舞台の表に出て演奏する事を「出囃子」(でばやし)、下手(しもて〜客席から見て舞台左手)の中で演奏する事を「陰囃子」(かげばやし)と呼びます。
 「出囃子」は長唄に多く、約7割位です。浄瑠璃物(義太夫、常磐津、清元など)は、「陰囃子」がほとんどです。厳格な決まりはありません。伝統的慣習、舞台設備、演出効果、踊り手の意向などに拠ります。
 「出囃子」の場合は、もちろん舞台の表で正座して演奏します。「陰囃子」の場合は、舞台下手に「御簾(みす)」と呼ばれる格子窓が作られており、その中で立ったまま演奏しています。
今日の舞台を見せていただきました。長唄「お兼」の踊りですが、以前見た時より短かかったように思うのですが。
 そうですね。こういう事は日常茶飯事です。日本舞踊では、どんな曲でも全曲踊るとは限りません。それにはいろんな理由があります。
 流派によっては、元々全曲の振り付けをしていない事があります。それから、会の主催者の都合で、時間制限がある場合。そして、踊り手の技量不足による場合、等々。むしろ、全曲を踊る方が少ないくらいです。
 面白いのは、曲を追加して踊る事もあるのです。似たような曲や、その場の雰囲気にあった曲の一部を挿入してしまうのです。代表的な例としては、大和楽「夜の梅」の中に大和楽「雪折竹」の一節が挿入される事が挙げられます。
舞台でかなり長い時間座っておられますが、足は痛くないのですか。
 正直言って、痛いです。「京鹿子娘道成寺」や「鏡獅子」など、長いものは40〜50分位ありますし、歌舞伎舞踊の中には、1時間を超えるものもあります。慣れによって、足が「しびれる」事はなくなりましたが、足首や膝、太ももが痛くなります。ガマン、がまん!
趣味で「篠笛」を吹いていますが、高音が鳴りにくくて苦労しています。アドバイスをお願いします。
 口を閉じたまま「えくぼ」を作る様な感じで、口の両脇を絞ります。その状態で息に勢いをつけて吹いてみてください。慣れてくれば、普通の息でも大丈夫ですが、それまでは息にスピードをつける事によって、口の絞りを補うと良いでしょう。息に勢いをつけて強めに吹くと高音が出るはずです。
歌舞伎は言葉が難しくて、理解できないイメージがあります。どういうものを観ると良いでしょうか。
 確かに、お侍を中心にした芝居では、言葉も難しくなりがちです。しかし、一般町人の生活を描いた芝居ですと、言葉は現代語と殆ど変わりませんので、十分理解できると思います。テレビドラマ感覚です。内容もコミカルなものを選べば、さらに面白く楽しめます。
 最寄りの劇場をお知らせくだされば、具体的にご紹介致します。
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