(京都)
やっと故郷の山に登りました。
由良浜から由良ヶ岳を見る
(2016・5・20)



登山口は民営国民宿舎丹後由良荘の裏側にあります。
駐車場はないので路端駐車しました。
無人の登山案内所があって、行程表など置いてありました。

イノシシ除けの柵を開けて進みますと、両側が深く掘れ込んだ登山道でしたが、暫く行くと歩きやすく
なりました。
雑木林の中を歩きますが、特に登山道の整備などはないようで自然の山歩きのようです。
やがて杉が混じるようになって、そして杉林の中に入ります。

一杯水の標識が現れまして、山頂はもうすぐのようです。
このあたりで杉林は終わって、雑木林となってウツギなど咲いています。
すぐ分岐になりました。
東峰10分、西峰15分となっていますので、まず東峰に向かいます。

登山口に無人の案内所があり、パンフが置いてある
掘れ込んだ登山道を歩く
8合目あたりにある一杯水はすぐそこ 筒から水がしたたっている
9合目の分岐の道標 東峰に到着

2時間40分で登頂しました。
東峰は眺めが良くて、由良川河口と鉄橋と集落が見えています。
そして石の祠の虚空蔵菩薩が祀られていました。

登山口で貰ったパンフレットによりますと、昔は木造の祠だったそうです。
「衆生が求める全ての物を自在に与える知恵と福徳の虚空蔵菩薩」信仰が古くからありました。
毎年3月13日がその祭礼の日でした。
信仰心の篤い中西与作さん一家は毎年お参りされておりました。
その度に朽ちる木造の祠を見て、何とかして永持ちする祠を建立したいと考えられたそうです。
与作さんの仕事は山田の石壁など造る「田普請」でした。

まず水の確保できる8合目に小屋を建て、田植えが終わった頃からみぞれの降る頃まで2年をかけて造られました。
奥さんは子育てと田畑の仕事の他に、週に1回は食料と着替えと好きなお酒を運んだそうです。
夫婦の絆のなんと美しいですこと!!
明治の初め頃か、その前後の事でしょうか。
なんだか新田次郎の「芙蓉の人」を思い出しました。

小さい頃、母が「今日はコクゾーさんの日だ」と言っていたのを思い出しました。
コクゾーさんが何なのか聞きもせずにおりましたが、ああこれだったのかーーーと思った次第です。
歴史があったのですね。

登って来て良かったです。

由良川河口と鉄橋が見えている 鉄橋を渡る車両が見えた
虚空蔵菩薩の祠
石段の上に虚空蔵菩薩が祀られている

そして西峰へ行きました。
最高峰は640mのこちらですが、「ここは東京スカイツリーとほぼ同高」と書いてありました。
ここからは栗田(くんだ)半島と天橋立が見えました。

懐かしい風景を初めて俯瞰しまして、想い出までも俯瞰したようにいっぺんによみがえったのでした。

「朝日にはゆる由良の峰ーーー」と歌われた小学校の校歌でしたが、今では廃校になっています。
でも山は変わらずに雄姿を見せていました。
登って来て良かった!

今回、1人の男性とご夫婦の登山者に出会いました。
土日はもっと多いと男性が話してくれました。

西峰山頂 二等三角点はここにある 栗田(くんだ)半島方面

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