単行本を大人買いしてハマッた「鋼の錬金術師」の劇場版を観てきた。宮崎駿映画以外のアニメ映画を観に行くのはだいぶ勇気がいったけど、驚いたことに6割以上入ってた。それも老若男女を問わず。いやーすごい人気だ。はたしてここをみてくれてるひとの中でこの漫画を知っているひとがいるのかどうか謎ですが。で観た感想はというと、「ウィンリィはどうなるんだよっ!」。アルの言ったその台詞につきる。正直、観て後悔した。時は西暦1923年、国家社会主義労働者党が台頭しユダヤ人をはじめとするその他の民族やコミュニストを排斥しようとしていたドイツを背景にストーリーが展開していく。そのことに対しては、いろんなメッセージが組み込まれててよく考えられてるなあと感心した。そして見方によってはあれはある意味ハッピーエンドかもしれない。でも、わたしにとってはただの後味の悪い中途半端なハッピーエンドだった。(←そこまで言う。)
元来「映画はアンハッピーエンドに限る!」ってのがわたしの持論なので、もうどこまでも堕ちるわよ〜ってやつを好んで観ます。が、しかし、アニメはそうあるべきでないことに今回初めて気づきました。(そういえば宮崎映画はすべて基本的にハッピーエンドだったかも。)
わたしにとって漫画というのは、この世における完全な理想郷(ユートピア)であって、そこは現実のしがらみから解放されるべき場所であり、完全なハッピーエンドが築かれるべき、というのが定義である。だってそうじゃないと、もう逃げ場はどこにも無いような気になってしまうでしょ?わたしは小さいころから少なからずその逃げ場に救われてきた気がする。言うなれば漫画依存症だけど。でも、少女漫画はともかく、少年漫画は特に「夢」とか「ロマン」を全面的に押し出して描かれてるし、絵本みたいに精神面にいい影響を与えてると思うんだけどなあ。母に言わせると、「勧善懲悪」という点では漫画も絵本も同じかもしれないけど、漫画は戦闘シーンがリアルに描かれてたりするからそれが行き過ぎたものだと問題があるのでは?ということだった。
そういえば漫画をほとんど読まないというKIMは、いつだか「名探偵コナン」を酷評してたね。「漫画はズルイよ、なんでもありじゃん」って。まあそれを言うと、ドラマも映画も全部なんでもありでしょう。ドラマなんて、実写(人間)なわけだからもっと胡散臭いとわたしは思うけど、それを言うとドラマも映画も漫画も活字も大好きな友紀に怒られるかな。それにしても通勤電車内でコミック読んで吹き出してる2●歳オンナって…だいぶ痛いで友紀…。
話はそれるけど、ここ数年来、日本のアニメーションは韓国で制作されることが増えてきたってのを前にドキュメンタリーで見た。なるほど今回の映画もエンドクレジットには韓国チームの名前が流れてました。少ない制作費しか出ず、増え続ける制作本数に間に合わないというのが日本のアニメ制作の現状らしい。だから日本よりも人件費が安い韓国へ発注するケースが増えてるのだとか。どうやら韓国の制作クオリティは高いらしいけど、世界に誇れるジャパニメーションの存続が危機的っていうのは心配だ。重要文化財なみに擁護してほしい。
とにかく映画はもひとつ腑に落ちなかったけど、原作はまだ続いてて、魅力的なキャラがいっぱいいるのでしばらくハガレンブーム続きそうです。NANAブームを逆行せよ!
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