ようこそお越しくださいました。
論評とは名ばかりで、わたしの電子日記とリンクしてるただのたわごとです。
 4      ベルサイユのばら
オスカルを描く池田先生
 いまさらこの超大作をわたしごときが論評するというのもおこがましい話なので、これまたただのオタクもどきトークであります。
 9月24日付けの朝日新聞beの一面に、無邪気に大阪の路上にオスカルの絵を描く池田理代子先生の写真があった。小学生時代は空想少女だったようだ。まあ小学生ならだれもが空想にふけるお年頃で、わたしにももちろん空想癖のようなものはあったが、池田先生のそれとはやはり違う。ご実家のあった東淀川区にて、「川に沿って左へ行くとヨーロッパ。橋を渡ってずっと歩くと淀川なんだけど、その辺りが北欧だったかな」だそう。わたしのくだらない空想もとい妄想とはスケールが違う。
 もともとフランスにたいしてあまりいいイメージも憧れもなかった。フランス映画はまあまあ好きだ。愛を直情的に描写するわりに、あの「は?」というような結末を見せるあたりはフランス人の感性の表れのようでおもしろい。しかし「完全な利己主義」、「うんこだらけのパリ」、「日本人はブランドを買いあさり闊歩するpiggyたちと思われてそう」…など、なにかあまり行きたいという気にならない国だった。そのフランスに対してものすごい探究心と憧れを抱くようになったのは、まぎれもなくこの「ベルばら」をはじめからおわりまで読破してからだった。
 原作とアニメ、このベルばらもやはり多少違いがある。でもどちらもファンに愛されているマンガのような気がする。わたしもつい先日再販になったアニメのDVDを購入した。途中の回から「あしたのジョー」の制作スタッフがつくっており、オスカルやアンドレも矢吹ジョーみたいになってるのが笑える。アニメ版でただひとつ気にいらない点は、原作と違ってオスカルがバスティーユ陥落前に息を引きとってしまうところ。せめてそのくらいの希望をみせてあげてもよかったのでは…。声優さんはバッチリでした。志垣太郎…あの志垣太郎がアンドレ…。いまはただのオッサンなのに…。原作はアニメよりすこしコミカルな感じだが、激動の歴史を背景に、これ以上ないほどの美しく切ない愛のかたちが描かれている。そしてなによりも、人間とはどうあるべきかというような哲学的なメッセージが強くこめられているところが大作と言わしめる所以なのだろう。オスカルがカッコいいのは男として育てられた容姿端麗な貴族の女だからではない。男であろうとしたのに女の弱さを隠しきれず、愛する男の死に打ちひしがれながらも、フランス市民のために革命に身を投じたところなのだ。〜なのだ、…っていまさらそんなベタな解説みたいなのは必要無いか。笑
 「ベルばら」といえばもうひとつ、宝塚歌劇団が有名だ。わたしが小中学生の頃、毎週土曜の午後にはテレビで宝塚をやっているチャンネルがあって、ヒマなときはけっこう観てた覚えがある。そのとき一度だけ「ベルばら」も観たことがある。もう釘付けだった。たったの一回で「愛〜それは〜♪」というあの有名な歌のフレーズを覚えたのだから。そのときのオスカルは涼風真世。いまでも「アンドレ〜!!」と叫ぶ涼風真世の姿と声が容易に頭に浮かぶ。ただ、そのときのアンドレがだれだったのか思い出せなくてあとになって調べてみたら、なんと天海祐希だった。ふたりの「ベルばら」もう一度観てみたいなあ。今年また宝塚の「ベルばら」再演が決定してるのでチャンスがあれば行きたいなあ。誰か行きませんか?
 とにかく池田先生は偉大です。オペラ歌手でもある先生はいつも情熱にあふれパワフルだ。そんな先生を見て思うことは、やっぱマンガだけ好きでもダメだってこと。マンガも活字もいっぱい読んで、いろんなこと体験して、感受性豊かにして、想像力をもっと働かせなければ!池田先生のことが大好きだったという、いまは亡き多田かおる先生も本当にすばらしい漫画家さんだった。言うなれば少女マンガの神髄を築き上げてきた方がたですかね。(その世代でいうと里中満智子先生とかも好き。)いやはやマンガについて語るとNHKのBSマンガ夜話ひとりバージョンみたいになってしまうのでこのへんにしときます。
 じゅんちゃんフランスへの道は長いけどがんばろう!!
 
 
前のページ 目次 次のページ

ホーム 道楽 天津 天津語録 論評 リンク 日記