15 | 篠笛は暖房に弱いと伺いましたが、注意点をお教えください。 | |||||||
冬になると暖房は欠かせませんが、篠笛にとっては要注意です。エアコン自体がよくありませんので、冷暖房はどちらも気を付ける必要があります。夏場はまだ外気が蒸し暑いですから多少ましですが、冬場は外気も乾燥していますので、特に注意が必要です。 篠笛は材料が「竹」ですので、ある程度の湿気が不可欠です。エアコンの効いた(乾燥した)部屋に置きっぱなしにしますと、割れる可能性があります。自然の素材であるため、これはどうしても避けられません。私も楽屋の暖房で、数回割れた経験があります。 自宅での保管場所としては、エアコンのない部屋に置くようにしてください。外気が乾燥しているときは、これでも不安はあります。一番良いのは、毎日吹いて、息の湿り気を与えてやることです。 万一ヒビ割れした場合は、瞬間接着剤で補修してください。傷が浅いうちにとめておかないと、手遅れになります。本当は、笛師にお願いして、漆で補修してもらうのがベストですが、接着剤でも構わないと思います。要は、早く見つけてとめてしまうことです。笛の内側まで傷ついてしまうと、手遅れです。 |
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14 | 篠笛を暗譜するのに苦労しています。どうしたら良いでしょうか。 | |||||||
特効薬はありません。反復して吹くことです。大事なことは、常に頭の中でメロディーが鳴っていること。ただ漠然と吹いていたり、指の番号ばかり追っていてはダメです。特に指の番号を気にするのは絶対にやめてください。運指番号は、あくまでも譜面を書くための便宜上のものです。そんなものを暗記しようと思ってはダメです。音そのものに集中してください。 音に注意を傾けて、頭の中でメロディーを追いながら、何度も何度も繰り返し吹きます。曲全体が長ければ、4小節ずつとか、8小節ずつとか区切りのよいところまでを何度も吹きます。そうしていると、頭の中の音と指の動きが無意識のうちに一致してきます。くれぐれも、指の番号は意識しないように。 ある程度練習したら、適当に終わりにし、次の日にまた同じことを復習します。こうしていると、少しずつでも頭に残っていきます。その積み重ねです。 始めのうちは1曲覚えるのに何日もかかるでしょう。でも10曲、20曲と覚えていくうちに、きっと楽になってきます。暗譜の蓄積があると頭の中で鳴るメロディーの流れに、指が反応しやすくなるからです。指の動きと音の流れが、知らないうちに一致してくるのです。こうなると覚えるのが楽になり、しかも早くなります。まずは、こうした下地作りをすることです。 |
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13 | 篠笛でドレミを吹きたいのですが、可能でしょうか。 | |||||||
まず大事なことは、お使いの篠笛が調律されたものかどうかということです。具体的には、指孔の大きさと間隔を見ればわかります。指孔がすべて同じ大きさだったり、等間隔に開けてあるものは、調律ができていませんので、残念ながらドレミを吹くことはできません。 我々が舞台で使っている笛は、指孔が7つで、大きさも間隔も異なります。これは調律されているからです。 調律されている場合、八本調子の笛で吹くとスムーズな指使いでドレミを吹くことができます。7つの指孔のうち、右端以外の6つをすべて押さえた状態が「ド」の音です。つまり、左手で3つ、右手も3つの孔を押さえた状態です。あとは、右側から(右手の薬指から)順番に1つずつ開けていくと、「レ」、「ミ」、「ファ」、「ソ」と音が上がっていきます。 もし洋楽器と合奏とかをしない場合ですと、八本調子の笛でなくても移調した形で、疑似ドレミが出せます。例えば六本調子なら、指孔を6つ押さえた状態が「シのフラット」ですが、指孔を1つずつ開けていくとドレミのように聞こえます。つまりBフラット管です。C調にこだわらなければ、どの笛でもバランスは取れていますので、問題ないと思います。五線譜上の「ド」は、6つのあなを押さえ、「レ」は5つの孔、「ミ」は4つ……という具合にしていけば、そのように聞こえます。 |
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12 | 笛の音色に吹き手の性格などが出るものでしょうか。 | |||||||
う〜ん、難しいですね。確かにそういうことはあります。音色というより、吹き方に性格が出ると思います。なかなか言葉で説明しにくいですね。例えば、始めの音の出し方とか、曲の中の強弱のつけ方とか。 音の質自体に性格が出るというのは、その人の技量レベルが相当高くないと無理ですし、それを第三者が聞き分けるのも難しいことです。 スポーツで言えば、プレーの技量ではなく、戦術面に性格が反映されやすいのと同じことです。音質そのものよりも、曲の扱い方というか料理の仕方ですね。最初の音をどういう雰囲気で吹き始めて、途中、唄と三味線に対してどういうつき合い方をしていくか、ということです。この部分に性格や考え方がよく出ます。 |
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11 | 篠笛を練習していると、途中で音が出なくなったり、極端に小さくなります。どうしてでしょうか。 | |||||||
これは、笛の歌口と口元の角度の問題だと思われます。篠笛は、吹き込んだ息をすべて笛の中に入れるのではなく、歌口のエッジで風を切るようにして音を出します。したがって、笛の角度で音程や音質が変化します。 笛が外側を向きすぎて、口との角度が浅くなると、音程が上がり、息の漏れる風音が聞こえるようになります。逆に内側を向きすぎると、音程が下がり、こもったような音質になります。</div> <div> 練習中に音が変わるのは、この角度が原因でしょう。歌口のエッジで風を切り、笛の中へ入る息と外へ出る息のバランスが最も良いときに大きな音が出ます。しかし笛を当てる角度が微妙にズレてくると、音がだんだん小さくなっていきます。このときに、息の漏れる音がスースーと聞こえるようだと、外へ向きすぎています。音がこもった感じになってきたら、内側へ向きすぎです。鏡を見ながら調整すると良いでしょう。 この歌口のズレが大きくなりすぎると、ついには音が出なくなってしまいます。息が全部外に出ていたり、全部中に入っていると音は出ません。常にベストの状態で吹くようにするには、練習によって身体で覚えるしかありません。いつも大きな音で吹くように、自分の耳でチェックしましょう。 |
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