国語授業の組み立て方

 基礎基本、これが最後の原稿です。

《ねらい》 一定のパターンで授業を進めることで、毎日の授業で、子どもたちに確実に、国語の力をつけていくことができます。
《すすめ方 漢字・音読・発問・今日の学びという流れで》
 漢字・音読・マルチ発問・セレクト発問・話し合い・今日学んだこと、という流れで国語授業を組み立てます。
【漢字】 新出漢字を2~3個教え、練習の時間もとります。(約5分)
【音読】 扱うところの教材文の音読をいろいろな方法でさせます。(約10分)
【マルチ発問】 多くの答えが出る発問を考えさせ、発表させます。(約10分)
【セレクト発問】 二者択一のような発問によって一つの解を選ばせ、その理由を教材文を基に検討させ、話し合わせます。(約14分)
【教師の解】 教師の解釈を語ります。(約1分)
【今日学んだこと】 今日学んだことを書かせ、数人発表させます。(約5分)
 新出漢字を4月の初めに一気に教えるという方法もあります。(□頁参照)それでも、漢字練習の時間を毎日取る必要はあります。
 音読には時間を取ります。ここをいい加減にすると、発問を出しても、教材文を深く検討することはできません。

【授業例:「父さんの宿敵」】
 ① 新出漢字練習:尊・敬
 ② 音読:P.6~P.9
 ③ マルチ発問:「コブラちゃんとマングースのちがいは何ですか。」
 ④ セレクト発問:「マングースは男ですか女ですか。」
 ⑤ 発表・話し合い
 ⑥ 教師の解:「物語の最後には分かりますが、ここでは分からないのです。」
 ⑦ 今日学んだこと:例「作者はマングースを男か女か分からないようにうまく書いています。」

《成功のポイント 同じパターンで授業する。》
 漢字・音読・…今日学んだこと、というように同じパターンで授業することで、子どもはリズムをつかんでいきます。扱う教材文は毎日変わるのですから、同じパターンで授業することで、教材文そのものに集中して授業を受けることができるのです。
《こんな場合は 時間が足りなくなった時は》 
 話し合いが盛り上がりすぎて、授業時間が足りなくなることもあります。
 それでも、次の国語の時間は、漢字・音読と同じパターンで授業を開始するのです。どうしても、話し合いに決着をつけたければ、他教科の授業の 初めにでも、教師の解を語ればいいのです。常に心機一転すべきなのです。

(2006.8.13)