静岡教育サークルシリウスの森竹高裕氏が「必ず盛り上がる発問集」というホームページを作られています。それらの発問を見ながら、マルチ発問とセレクト発問について、考察していきます。
【3年生社会編】
「公民館を一番使うのは、次の中のだれでしょう?」
①「公民館」でも「図書館」でも「スーパーマーケット」でも代用できます。
②「次の中の~」で、「男の子・女の子・大人の男・大人の女・おじいさん・おばあさん」と選択肢を出しています。でも、ここは、
「公民館を使う人を全て書きなさい。」というマルチ発問を出してから、上記の発問をする方がいい。
③ 選択肢を最終的に二つに絞らせた方がいいでしょう。セレクト発問です。
「公民館を一番使うのは、大人ですか、高齢者ですか。」
④ 公民館関係であれば、次のようなマルチ発問が考えられます。
「公民館に行くと、どんないいことがあるのですか。」
「銚子市にはなくて、藤枝市にあるものは、何ですか?」
① 違いを見つけるためのマルチ発問です。
②「2つの市の違いを見つけなさい」よりも、「~市にあるもの」に焦点が絞られています。
「藤枝市の自慢を探そう。」
①「~のいいところを探そう」タイプのマルチ発問です。自慢という表現が子どもを引きつけるように思います。
「買い物に行く人が多いのは、何曜日でしょうか?」
① 選択肢は7つあっても、セレクト発問といえるでしょう。
② だいたい「土曜」か「日曜」に予想が多くなるでしょう。
③「日曜日に人が多く集まる店はどんな店でしょう。」
「平日に人が多く集まる店はどんな店でしょう。」
というマルチ発問を作ることができます。駐車場のある大きな店には日曜日に人が多く集まり、小さな店は平日に人が多く集まる、と私は予想します。
定休日のある店を調べて、なぜその曜日を定休日にしたのかを考えさせるのも面白そうです。
「次の4枚の写真は、果汁グミの作り方をバラバラに並べたものです。正しい順 番に並べかえなさい。」
① 正しい順にセレクトするということです。説明文、実験順序でも使えます。②「1番目の写真はどれですか。」というように、絞ったセレクト発問にする方が難易度は下がるでしょう。
社会の授業は、マルチ発問とセレクト発問の宝庫かもしれません。
(2006.8.25)