苦しいときこそ、外に学ぶ

 児玉光雄『イチロー頭脳~目標を達成するための思考法~』(東邦出版2006.4)。

「苦しんだからって報われると思っていたら大間違いでしょう。同じ苦しむにしても、考えて苦しまないと。なにも考えないでただ苦しんでいても駄目だということですね。こんなに苦しんでいるんだからというところに逃げ込んでいたら、いつまでも違う自分は現れない。とにかく考えることですよ、無駄なことを。無駄なことを考えて、言葉にしようとしているうちに、なにかがパッと閃くことがあるんです」

「ピンチの切り抜け方」について聞かれたイチローが答えた言葉です。
 今、若い先生を中心に多くの教師が、夜遅くまで残って仕事をしています。
「これだけがんばっているから報われる」とは限らないのです。
 自分の実践のみに埋没してしまうことは、実は現状維持と同じです。
 よりよい変化を求めるなら、他から学ぶということがどうしても必要なのです。
 苦しいとき、しんどいとき、人は自分を守るために内に籠もります。これだけ苦しんでる、これだけがんばってるから、ということで免罪符を得ようとします。
 外に出て学ぶことは、一見、無駄に思えることもあります。自分の学級にあわない方法ばかりだからです。他の実践を自分の学級にあわせるために自分の思考を使わなくてはいけません。
 他から学び、そして思考して、実践してみるのです。

(2010.8.11)