夢をかなえる会社活動

 学力研ニュースで「会社活動」について書きます。締め切りが8月4日で、大会の日なので、今書いておかないと間に合いません。ちょうど、学年別分科会でも会社活動について話すので、改めて考えるいい機会です。
      ☆           ☆
 学級づくりを支える三つの柱があります。
 規律・共有・自由です。
 その三つの条件を満たすものが、会社活動です。

 会社紹介その一
【アニメ会社】
 アニメに出てくるキャラクターや四コママンガなどをかきます。
【よろず屋会社(なんでも屋)】
 しおりや小物などを作ります!リクエストがあれば言ってください。
【完コピカンパニー】
 K-POPのダンスを完コピします。1ヶ月に一回ぐらいダンスをひろうします!

 会社活動は、学級にある当番や係活動とは違います。
 給食当番・掃除当番、日直、掲示係・黒板消し係・学習係などは、学級生活を送る中で、なくてはならない仕事です。
 一方、会社活動は、自分たちがやりたいことをやる自由度の高い活動です。
 それゆえ、子どもたちは会社活動を嬉々として取り組みます。活動当初は、学級活動や総合の時間などを使います。でもそのうち、子どもたちは休み時間や放課後も使って、会社活動をするようになるのです。

会社紹介その二
【お笑いげき会社】
 お笑いのげきをします。よくやるのはお笑いです。
 1カ月に1回げきをします。
【パラマン会社】
 パラパラマンガを作ってロッカーの上に置いておきます。
【デザイン会社】
 いろいろな物をデザインします。
 自由度の高い会社活動ですが、運営の上でのきまりは決めます。
 ① メンバーは二人以上。
 ② 必ずどこかの会社に入る。
 ③ 会社はいくつ作っても、いくつ入ってもいい。
 ④ 社長(最高責任者)を決める。
 ⑤ 社長になれるのは一つの会社だけ。
 ⑥ 学級の仲間を楽しませる活動にする。
 ⑦ 活動にお金はかけない。

 会社を作り立てで、メンバーが社長しかいない場合は、社員募集中として活動させます。⑦は、自分たちだけで楽しんで終わる活動にさせないためのきまりです。

会社紹介その三
【べんきょうがんばり会社】
 国算理社のすきなかもくをします。たまに、もんだいを出します。
 社員じゃなくても、あそびに来て下さい。
【スポーツ会社】
 スポーツの情報をニュースや新聞でつたえます。
【小物会社】
 いろんな小物をつくります。おり紙とかで小物をつくります。
【なんでもランキング会社】
 いろいろなランキングをとっていくので、とってほしいアンケートを言ってくれればランキングを作るので、とってほしいことを言ってください。

 会社活動に使えそうな画用紙や折紙、色マジックなどは、教師の方で用意します。子どもたちからの要請があれば、多目的室や講堂も使えるようにします。
 1,2週間に1回は、活動報告をさせます。
「社長は立ちましょう。」
 この後、各会社の社長に、これまでどんなことをしたかを口頭報告させます。
「スポーツ会社です。今、新聞を書いてる途中です。」
「いつごろできそうですか。」
「今週中にできます。」
「ダンス会社です。今、ダンスの練習中です。」
「いつごろ発表できそうですか。」
「来週ぐらいにできます。」
 会社によっては、ほとんど活動できてないところもあります。数回は多めに見ます。活動報告のあとに、会社活動の時間をとると、多くの会社は活発に動き出すものです。それでも、まったく活動できてないのであれば、自主的に倒産するよう促します。倒産し、新しい会社を作るか、別の会社に再就職すればいいのです。

会社紹介その四
【おりがみ会社】
 注文されたおりがみを折ります。
【ゲーム会社】
 ゲーム会社は、迷路や、すごろく、おなじみのボウリングなどを作ります。他にもいろいろゲームを作るので、楽しみにしていて下さい。
【おし花&手芸会社】
 注文された、おし花や手づくりの物をつくり、注文された人に、わたします。(花たばも)よろしくお願いします。

 子どもたちのエネルギーが発揮される会社活動ですが、いつから始めるのがいいでしょうか。
 私の場合、運動会の終わった後の十月頃に始めています。
 大きな行事の後は、教師も子どもも少し気が抜けてしまい、学級が崩れやすい時期です。気怠い雰囲気を吹き飛ばし、子どもたちの持て余したエネルギーを発揮できる場として、会社活動を取り入れるのです。

会社紹介その五(作文編)
・初めて会社活動でダンスをおどった。1ヶ月ぐらい練習して、だれもあまりはずかしがらず成功した。1回出し物大会でチームわれしたことがあったけど、会社活動ではわかれずにできた。たのしかった。
・よろず屋会社の副社長になって、みんなのほしい物を作ってわたした。いっぱい注文がくると、いそがしいけど、うれしかった。ナフキンの抽せん会は、クラスの半分以上が受付してくれて、ナフキンを作って良かったな~と思った。第2回もひらきたい。仲のいい友達とできて良かった。

 自分のやりたいことをやり、それが学級のみんなを喜ばせる、それが会社活動です。これは、夢をかなえてる人の行動に似ていませんか。会社活動を通して、自分のやりたいことを見つけ、人を喜ばせる楽しさに子どもたちは気付いていくのです。
(なんとか書けました。やはり、書くことは発見ですね。)

(2013.8.2)