困難・課題が必ずある

 物語・説明文・伝記の共通点は、主人公(題材・取り上げた人物)が困難(課題・問題)を解決する(乗り越える)ことです。
 物語「海の命」の太一は、父の死によって、一人前の漁師になることが困難になります。また、瀬の主のクエを捕る課題を持ちます。そのため、与吉じいさに弟子入りし、修業します。その中で、海の命を大切にする考え方を学ぶのです。それゆえ、瀬の主を捕ることができる状況で、迷い、何もしないことで、海の命を守ることができたのです。
 説明文「未来に生かす自然のエネルギー」では、資源の浪費、地球環境の汚染という課題に対して、持続可能で環境にやさしい風力発電を使えばいいと主張しています。
 伝記「手塚治虫」では、手塚治虫が人生の転機の中で、困難にぶつかり、どう乗り越えていったかが書かれています。
 困難をどう乗り越えるのかが、これほど描かれるのは、国語の教科でも、教育目標の主眼が流れているからです。そう、人格の完成です。
 人として、どう生きていくか。そこが常に問われているわけです。
物語を書く人も、説明文・伝記を書く人も、意識してるかどうかは別として、困難・課題のないものは、作品として成立しないことを知ってるのでしょう。

(2013.8.3)