8月22日、イチローが日米通算4000本安打を達成しました。
その後の記者会見が、一問一答がホームページに全文載っています。
「こういう記録、2000とか3000とかあったんですけど、こういうときに思うのは、別にいい結果を生んできたことを誇れる自分では別にないんですよね。誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね」
4000のヒットよりも、8000回以上の失敗に向き合ってきたことを誇ってるわけです。1の成功の裏に、2以上の失敗があることも強調してます。
また、イチローの言葉は、ありふれた言葉を使ってないところに、驚きます。
8000という数字が出てくるところが、すごいのです。
「プロの世界でやっている、どの世界でも同じだと思うんですけど、記憶に残っているのは、上手くいったことではなくて、上手くいかなかったことなんですよね。その記憶が強く残るから、ストレスを抱えるわけですよね。これは、アマチュアで楽しく野球をやっていれば、いいことばっか残る。でも、楽しいだけだと思うんですよね。コレはどの世界も同じこと。皆さんも同じだと思うんですよね。そのストレスを抱えた中で、瞬間的に喜びが訪れる、そしてはかなく消えていく、見たいな。それが、プロの世界の醍醐味でもあると思うんですけど、もっと楽しい記憶が残ったらいいのになあというふうに常に思っていますけど、きっとないんだろうなあと思います」
これは教師の世界でも言えることなのでしょう。実際、教師をやってきて、上手くいったことより、上手くいかなかったことの方が多いでしょう。
ただ、イチローのように、上手くいかなかったことに向き合えてきたかというと、それはできてないように思います。だから、同じような失敗をくり返すのでしょうね。
「いえいえいえ、僕満足いっぱいしてますからね、今日だってもの凄い満足してるし、いやそれを重ねないと僕は駄目だと思うんですよね。満足したらそれで終わりだと言いますが、とても弱い人の発想ですよね。僕は満足を重ねないと次が生まれないと思っているので、もの凄いちっちゃい事でも満足するし、達成感も時には感じるし、でもそれを感じる事によって、次が生まれてくるんですよね。あの意図的に、こんな事で満足しちゃいけない、まだまだだと言い聞かせている人は、しんどいですよ。じゃ、何を目標にしたらいいのですか、嬉しかったら喜べばいいんですよ。と言うのが僕の考え方ですけどね」
前と言ってることが逆のように思えます。でも、上手くいかないことに向き合いつつ、ちょっとでも上手くいったことに満足していく。それが大事なんでしょうね。
(2013.8.25)