伝記をいかに授業化するか

 学校図書の6年国語に「夢に向かって~モンゴメリ伝記~」という14頁の長文教材があります。
 物語のように一通り読んでから授業していては、終わるのに数週間かかってしまいます。それに、伝記は物語や説明文のように扱うべきでもないと思います。
 ブリタニカ国際大百科では、「伝記」について、次のように書かれています。

個人の生涯を、事績を中心に記録したもの。文学的な伝記は、主題となる人物をいきいきと描き、事実の記述も正確でなければならず、作者の個性、歴史観も要求される。(以下略:荒井)

 実在した人物の生涯を扱うのですから、道徳的なアプローチも必要になってきます。伝記を読むことで、自分の未来に希望を持つ、というようにです。
 モンゴメリ伝記を読んでみると、モンゴメリが結構苦労していることがよく分かります。
《一つの成功のかげにどれだけの落胆があるかということを人は知らない。成功 だけを見て、すべてが思いのままになっていると考えてしまうのだ。》
教科書の中の記述です。
 子ども達の持っている成功者への安易なイメージを突き崩しながら、夢に向かって努力することの大切さに気付かせていきたいです。

(2007.5.26)