一点突破から連想して、ブレイクスルーという言葉が出てきたので、ネット検索してみました。
本質的な課題を打ち破る革新的な解決策のこと。
ブレークスルーを見出すには、ある課題の表面的な症状に振り回されるのではなく、そうした症状を引き起こしている真の原因を探り当て、ベスト・プラクティスなどを参考に大胆な発想の転換を行う必要がある。
グロービスの『MBA経営辞書』の解説より
ベスト・プラクティスとは、「ある結果を得るのに最も効率のよい技法、手法、プロセス、活動などのこと」だそうです。
何か問題があったときに、これまでの対処の仕方では解決しないのであれば、問題を表面的にしか捉えてないのかもしれません。
とは、問題の真の原因を見つけ出すには、どうしたらいいかも難題です。
それを見つけ出すこと自体が、ブレイクスルーなのかもしれません。
飯田史彦氏は、『ブレイクスルー思考』という本の中で、こう書いてます。
ブレイクスルー思考とは、目の前にある壁(問題や障害物)そのものに価値を見出し、すべて「順調な試練」として受け止めることにより、その壁を自分の中に吸収しながら成長をはかり、一見閉じられているかのように見える状況を楽々と突破していくような発想法。
漠然とした問題を例に考えていても分かりにくいので、授業づくり国語・高学年講座で話したことを例にしてみます。
高学年の国語は、教材文の長さ、指導時間の短さなどの困難な問題があります。
でもその問題は表面的なもので、教師が教材文で何を指導したいのかが明確でないことが、問題の真の原因だと考えるのです。
指導方針が明確ではないので、教材文を満遍なく扱おうと考えます。それゆえ、教材文の長さに比例するように、指導時間が足りなくなっていくのです。
そこで、この教材で指導したいことを明確にし、指導すべきことを厳選します。
例えば、説明文なら、問いの段落・問いの文、答えの段落、答えの文を見つける方法を教えることに限定します。
そうすれば、多少長い説明文でも、問いの段落は3つ程度しかありません。
問いの段落、答えの段落を見つけさせるための前提として、教材文の音読や語句の意味調べなどをやっていくのです。
これは文学教材の長文でも当てはまります。
主人公の最初の願いが、物語を通してどう変わっていくかを探り、主人公がブレイクスルーを起こしたきっかけを教材文から見つけるのです。
授業を通して、子どもたちにブレイクスルーを体験させるには、教師が闇を照らす松明を持たねばならないのです。
(2014.8.8)