別れの挨拶

 いよいよ、あと2日で、今の学校を去ることになる。
 明日は、児童朝会で、全校生徒に別れの挨拶をしなくてはいけない。
 明後日は、職員全員への挨拶だ。
 いつも全校生徒向けに話す「握手の話」は、この前の生活目標「友だちと仲よくしよう」の時に使ってしまった。
『教室ツーウェイ』98年11月号で、向山洋一氏が次のようなスピーチを紹介されていた。

「教え方、全米チャンピオンと話しました。
 アメリカの教育は創造性にすぐれており、日本の教育は平均点を上げることにすぐれているようです。
 だから、アメリカにはビル・ゲイツがいて、日本にはソニーがあるのです。
 先日のニュースによれば、マイクロソフトとソニーは一緒に仕事をするそうです。
 日米両国の親善は、ますます深まるでしょう。私たちのようにです。」

 向山氏は、「スピーチは、せいぜい「五フレーズ」で完結させるのである。」と書いています。
 なんとか、向山氏のようなキリッとしたスピーチを考えてみたいものだ。

「先生が、みなさんに初めて会ったのは、4月8日の始業式でした。
 あれから6ヶ月、日にちでいうと、194日たちました。
 でも、この学校での思い出は、194日の数よりいっぱいできました。
 また、どこかでお会いしましょう。さようなら。」

 少し面白みに欠けるが、なんとか5フレーズでおさまった。
 次は、職員への挨拶だ。

「4月から『一期一会』と題した学級通信を出してきました。
 臨時講師で、すでに15校も回ってますと、一生の内、一時期しか出会わないことって、本当にあるものだなぁ、と実感しています。
 でも、みなさんとは、どこかでもう一度でも三度でもお会いできればいいなぁ、と思ってます。
 短い間でしたがお世話になりました。本当にありがとうございました。」

 ちょっと形式的な挨拶かもしれない。もちろん全ての職員の方と仲が良かったわけではない。でも、まだつき合いたいな、と思う人がいるのも事実である。
 とりあえず、挨拶が2つできた。
 学級の子ども達へは、前のように学級通信を読むことで、語りたいと思う。
 ほんと、いよいよだ。

(1998.10.18)