専科としての習字指導

 今日は、4時間、習字を教えた。荒井健司さんから教えていただいた「習字指導の10原則」が、大変役に立った。
 授業開始のチャイムがなって、習字の用意ができていたのは、4クラス中2クラスである。一クラスは、2時間目の休み時間が全体遊びになっていたためではあるが、次からは習字のカバンだけでも机の上に置いておくように行っておいた。 もう一クラスは、時間割が急きょ変更されて、給食後の昼休みがなくなり、そうじをしてから5時間目となった。いつもと違う時間に5時間目が始まったわけである。しかも、5時間目の最初は、連絡帳を書くことになっていたようで、全員が習字の用意をするのに、とても手間取ってしまった。
 クラスによって、事情が違ってくるというのが、専科のやりにくいところでもある。
 子ども達には、「下敷き・文鎮・硯・筆・半紙」の5点セットを用意するように言った。(荒井健司さんの10原則から)だいたい全員の用意ができた頃は、「用意ができてない人は、立ちなさい。机の上に5点セットがそろったらすわりなさい。」と指示した。
 全員の用意ができたところで、持ってるものを置かせて、説明をした。
 最初にタイムスケジュールを示した。(これも10原則より)

・終業のチャイム5分前……後片付け
・15分前……清書3枚出す。
・25分前……清書3枚以上書く。
・それまで……練習

 用意の遅れたクラスは、すでに25分前になっていたりした。
 説明には、A3に拡大した手本を使った。
 最初に、全員を立たせ、今日書く字の空書きをした。正しい筆順を覚えてるかどうか確認するためである。最初は子どもだけの空書き、それから私と一緒に空書き。それでも間違えてる子には、ほかの子をすわらせて、正しくできるまでやり直させた。(10原則より)
 次に、荒井健司さんが作っていたラグビーボール型の磁石を使って、筆の始点を示していった。もっと詳しい説明は、時間がなかったので、やめた。
 10原則に書いてあった「姿勢の3点セット」も話した。

 1)背筋を伸ばす。
 2)左手で半紙をおさえる。
 3)右ひじを浮かす。

 半紙も折らせた。二字なら二つ折り、四字なら田折りである。
 練習が始まってから、私は朱筆を持って、期間巡視した。まずほめてから、直すべきところを言って、朱筆で書き込んだ。手をとって、一緒に書いた子もいる。ただ、全員は回れなかった。
 持ってきた清書の3枚の内、1枚を私が選んで、用意していた新聞紙に挟んでいった。
 本当なら、全員3枚の清書を書ききらせるべきかもしれないが、時間が足りない。途中から、「時間もないので、今から清書2枚で持ってきていいです。」と条件を変えた。授業終了5分前になったら、「清書1枚でもできたら持ってきなさい。」と言っていた。
 とにかく時間内に1枚でも出させることにしたのである。
 その日の放課後、一クラス分の(練習の)清書に朱筆を入れていった。
 次週の習字が本番となるので、その朱筆を入れた作品を見せてから、本番へとのぞませたいと考えた。
 朱筆の入れ方だが、まずいいところを○つけていった。
 1つの○で1点。○が3つなら3点である。
 最低でも3点。最高が13点である。
 3点の子は数人いたが、この子らは次週の授業の時に、集中的に教えたいと思う。低い点数をつけることにためらいを感じたが、本番ではないのだから、ここは厳しめに評価すべきだと考えたのである。
 今回教えていて気になったのは、筆を全部おろしてない子が多かったことである。習字の先生によっては、考え方が違うようで、どうしようか迷っている。

(1998.10.30)