ピカピカの挨拶

 看護当番で、線路の踏切近くに立っていた昨日のまぶしい朝のことです。
 生活目標で語る挨拶のいい話が、ひとつ思いつきました。
 準備物として、2枚の鏡を使います。
 1枚の鏡は誇りやゴミがついて曇った鏡。
 もう1枚はピカピカの鏡。

(曇った鏡を提示して)これ、なんだかわかりますか。
 これは、鏡です。
(ピカピカの鏡を提示して)これは、何かわかりますか。
 そう、これも鏡です。
 曇った鏡は、光が当たっても、あまりはねかえしません。
 でも、ピカピカの鏡は、光をピカッとはねかえしてくれます。
 みなさんは、道で友だちや先生方や知ってる人に会ったとき、元気な挨拶を返していますか。
 心の曇った人は、あまり挨拶がかえせません。
 でも、心がピカピカの人は、元気な挨拶がかえせるのです。
 今月の生活目標は「元気よく挨拶をしよう」です。
 あなたの心をピカピカに磨いて、元気な挨拶をしてください。

「曇った心」という表現が、少しきついかな、とも思ってます。
 児童文化研究会の一塚先生に、この挨拶の話をしてみました。
 一塚先生は、これまで、いろんな挨拶の話をしたようです。
 例えば、人形を使って挨拶。
「おはよう!」と、元気良く声をかける人形に対して、フンと知らん顔で通り過ぎるもう一人の人形。
 でも、次の日は、知らん顔の人形も元気良く挨拶を返してくれました。
「昨日は、どうして挨拶を返してくれなかったの?」と聞くと、
「昨日は、どうして学校に行くのかな、と考えていたの。でも、今日は、どうし て学校に行くかわかったの。」
「えっ、どうして学校に行くの。」
「学校があるから、学校に行くんじゃないかな。」
 という落ちのある人形劇を一塚先生はされたわけです。
 また、別の例としては、子どもに相手役をしてもらって、寸劇風に挨拶の場面(挨拶を返さない先生と、挨拶を返す先生)を見せて、
「どちらの先生が好きですか?」と聞いたそうです。
 挨拶ひとつとっても、いろんなやり方があるものですね。 

(1999.10.30)